恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十五話 丈、学問をするのことその五
劉備もだ。目を細めさせて自分がなおした天幕を見つつ言うのだった。
「撤収は順調みたいね」
「はい、これで赤壁から去ることができます」
関羽が微笑み劉備に話す。
「喜ばしいことです」
「そうよね。それじゃあまずはね」
「最初に出発するのはですね」
「誰にしようかしら」
「星と翠がいいかと」
関羽がここで勧めるのはこの二人だった。
「あの二人なら先陣に向いています」
「そうね。先陣っていうといつも袁紹さんが出たがるけれど」
「あれはあの方のご性分ですから」
少し苦笑いになってだ。
「あまり御気になさらずに」
「そうね。じゃあ星ちゃんと翠ちゃんと」
そうしてだった。
「後は蒲公英ちゃんね」
「蒲公英も行かせますか」
「あの娘何か星ちゃんに懐いてるから」
そうしたことを見てのことなのだった。
「それでなんだけれど」
「確かに。蒲公英は星に懐いていますよね」
「うん。だからいいかなって思って」
「わかりました。それではです」
関羽も微笑んで劉備の言葉に頷いた。
「あの娘も先陣としましょう」
「それじゃあね」
「後は第二陣や第三陣ですが」
「曹操さんや袁紹さんで」
「そちらはお二人とお話して決めましょう」
先陣以外はこれといって悩む状況ではなかった。
「ではその様にして」
「あと孫策さんや袁術さん達ともね」
「はい、それでは」
こう話してだ。彼等のことも決めるのだった。そしてだ。
劉備のいる本陣についてだ。関羽はこう言ったのだった。
「では私がです」
「愛紗ちゃんが?」
「本陣はお任せ下さい」
こう劉備に名乗り出たのである。
「桃香様は何があっても御護り致します」
「有り難う。じゃあ本陣はね」
「それに鈴々もいます」
関羽は彼女の名前も出した。
「桃香様に、若しあの者達が来てもです」
「有り難う。じゃあ今回もお願いね」
「はい。それでは」
こう話しているとだった。ここでだ。
魏延が出て来てだった。こう二人に言ってきたのである。
「いや、桃香様は私が御護りする」
「むっ、焔耶か」
「はい、お任せ下さい」
劉備に顔を向けてだ。魏延は真剣そのものの顔で言う。
「確かに愛紗達もいますが桃香様の身辺は私が」
「そうよね。焔耶ちゃんいつも私と一緒にいてくれるし」
「夜も昼もお任せ下さい」
魏延はさらに言う。
「例え何があろうともです」
「待て、義姉上は私が御護りするのだぞ」
魏延があまりにも強引なので話に入る関羽だった。
「それで何故そこまで入ろうとする」
「私は桃香様の近衛隊長だぞ」
「しかしだ。御主は何か違うぞ」
「何が違うのだ」
「そもそも夜もとは何だ」
関羽が問うのはここだった。
「あからさまに妖しいではないか」
「わ、私にはやましいことはない」
そうは言ってもだった。魏延の目は泳いでいた。それもかなり。
そしてその泳いだ目でだ。彼女は言うのだった。
「私はその責務を真っ当するだけだ」
「まことか、それは」
「そうだ。だから夜も昼もだ」
夜の部分が強調される。
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