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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その六

「やっぱり絶対ですよね」
「だからなのね」
「僕は入らないです」
「そうするのね」
「三階自体も」
「冗談でも入るとか言うかと思ったけれど」
 新一君も男の子なのでそうした気持ちもあると思ってです。
「それはないのね」
「はい、安心して下さい。というか」
「というか?」
「僕一人以外の着替えとかお部屋とか見たくないですから」
「一人?」
「はい、その人意外は」
 こう私に言うのでした。
「それでその人に言われないとお部屋も」
「見たくないの」
「そういうことは全部」
「その一人って人が気になるわね」 
 一体何処の誰なのか。
 ですが余計な詮索は禁物と思って新一君に返しました。
「けれどそれは新一君のプライバシーだし」
「いいですか」
「真一君が私に言いたくなったら言ってね」
 にこりとして告げました。
「そうしてね」
「じゃあ時が来たらそうします」
「そうしたらいいわ」
「じゃあそういうことで三階は」
「行かないってことでね」
「入ったら駄目で」
「三階の階段のところだけよ」
 入口のそこです。
「そこだけにしてね」
「わかりました、じゃあ最初は」
「ええ、最初は地下に行きましょう」
 こう新一君に言いました。
「そうしましょう」
「はい、お願いします」
「じゃあ行ってきます」
 次郎さんにあらためて言いました。 
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