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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百二十三話 黄蓋、策を見破るのことその七

「先程と同じく。いいですわね」
「はい、衝撃波や気で」
「敵をさらに撃ちますね」
「そうしますわ。では!」
 袁紹の剣が振り下ろされだ。気や衝撃波での攻撃も繰り出されだ。
 敵の船がさらに沈められる。だが敵の数は多い。
 船は数を頼りにさらに近付く。そしてだった。
 港に強引に接近してきて。遂にだった。
「さて、我々がか」
「上陸一番乗りとなったな」
 ネスツの二人がまずだった。港に降り立った。それに続いてだ。
 白装束の者達も来る。一人、また一人と。
 そして瞬く間に港の一角を占拠してだ。そこからだった。
 連合軍に攻め寄せてきた。それを見てだった。
 今度は曹操がだ。己の大鎌を手に言うのだった。
「来たわね、それならね!」
「はい、我々も!」
「行きます!」
「弓兵は船を狙う者達と上陸した者達それぞれに分けるわ!」
 つまりだ。二手に分けるとだ。こう述べてだ。
 傍らにいる曹仁と曹洪にだ。言ったのである。
「私達も行くわ」
「はい、左右はお任せ下さい」
「華琳様は私達が御護りします」
「ええ。さて、問題は麗羽だけれど」
「もう敵に突っ込んでおられますが」
「剣を手にして」
「やっぱりね。本当に戦いになると真っ先に突っ込みたがるんだから」
 袁紹の悪癖が出てしまっていた。見事なまでに。
「どうせ顔良達が言っても聞かなかったんでしょ」
「はい、それであの娘達が左右の護衛についてです」
「麗羽殿を御護りしています」
「あの二人がいるのなら大丈夫だけれど」
 曹操は顔良と文醜がいるのならとまずは安心した。
 しかしだ。この戦局にはだった。
「けれど。敵が上陸してきたからにはね」
「はい、油断できません」
「オロチ一族も来ていますし」
「あとアッシュだったかしら」
 曹操にとっては見慣れない者達もいた。その彼等も戦っている。
「あの連中もいるしね」
「はい、敵の勢力が全て来ています」
「これは激しい戦いになります」
「激しい戦いになっても勝つわよ」
 それは絶対というのだった。
「いいわね、それじゃあ」
「はい、それではです」
「私達も」
 こうしてだった。曹操は二人の従姉妹を従えて敵に斬り込む。戦いは誰もがそれぞれの得物や技で戦っていた。その中でだった。
 李典もだ。そのドリルの槍を手にだ。敵を倒していた。 
 しかしだ。その中でだった。こうぼやくのだった。
「滅茶苦茶多いな、いっこも減らんで」
「言ってる傍から次から次で来るの!」
 于禁もここで言う。
「何かこのままだと」
「数で押し切られかねんな」
「というかどれだけいるの?」
 于禁は白装束の者達をその双刀で斬っていた。
「沙和達より多いの?」
「そうかもな」
 楽進もここで言う。
「百万はいるか」
「百万って一口に言うけどな」
 李典はうんざりとした口調になって述べる。
「うち等もそれ位おるけど洒落にならん数やで」
「そうだ。それ位はいるな」
「白装束の連中いつも出る時はわんさとやしな」
「真桜、何かいいからくりないの?」
 于禁が李典に問う。
「このままじゃ押し切られるの」
「からくりな。ここまで混戦やとな」
 どうかというのだ。李典は難しい顔で言う。
「うちのこのドリルだけやな」
「それならそれで戦い方がある」
 楽進が両手から気を出しそれで敵をまとめて薙ぎ払いながら李典に返す。
「敵をまとめてだ。こうして」
「吹き飛ばすんやな」
「こうして少しずつでも数を減らしていく」
 地道なやり方がだ。楽進らしかった。
「それでいいと思うがな」
「ううん、うちはどかんとやるのが好きやけれどな」
「沙和もなの」
 この辺りは二人の違いが出ていた。見事なまでに。
 
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