恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十三話 黄蓋、策を見破るのことその四
その攻撃を防いだ。アルフレドは慌てて上昇してそれをかわした。
「危ない、まさか僕にも気付いて」
「無論です。この程度ではです」
「気付くっていうんだね」
「はい、その通りです」
上空のアルフレドを見上げてだ。悠然と答えるアルフレドだった。
「残念でしたね」
「うう、この男を倒さないと」
「さて、この船には火薬が積まれています」
ゲーニッツは今自分が乗る船について話をはじめた。
「これに火を点ければどうなるか」
「そう、僕の火をね」
船の上にだ。今度はクリスが出て来た。
彼はゲーニッツの横に来てだ。楽しそうに笑って言うのである。
「点ければ。わかるよね」
「そんなことはわかっておるわ!」
黄蓋が弓をつがえつつ二人に言い返す。
「だから今倒してやるわ!」
「はい、どうやらこのままでは」
「僕達の失敗に終わるね」
ここでこう言う二人だった。そうしてだ。
周りのだ。彼等を取り囲む面々を見て言うのだった。
「これだけの攻撃を受ければ私達もです」
「防ぎきれないからね」
「なら早く観念しろ!」
関羽も己の得物を構えながら告げる。
「貴様等の企み、断じてさせん!」
「ではクリス、ここはです」
「諦めるべきだね」
二人は顔を見合わせてこんなことを言った。
「ではですね」
「ここは下がろう」
「はい、では」
「こうして」
二人でだった。顔を見合わせてだ。
そのうえで船の上から姿を消した。それを見てだ。
孫策は顔を顰めさせてだ。こう言ったのだった。
「逃げた!?こんなにあっさりと?」
「どうも腑に落ちませんが」
「それでもですね」
二張も主に応える。
「あの船はとりあえずは」
「沈めるべきですね」
「アルフレド、罠はあるかしら」
孫策は慎重にだ。船の上を飛ぶアルフレドに尋ねた。
「その船には」
「ええと、僕からは見られません」
こう答えるアルフレドだった。
「全くです」
「ああ、俺達も何も感じないぜ」
「ただの火薬を積めただけよ」
乱童と眠兎も言う。
「沈めても全くな」
「問題ないよ」
「わかったわ。それじゃあね」
孫策は自分がその剣に気を込めてだ。そうしてだった。
そのうえで剣を振ってだ。気を放ってだった。
船を撃ち沈めた。これで全ての船は沈んだ。それを見てだ。
誰もがだ。こう言って安堵したのだった。
「これで一件落着か?」
「敵の攻撃は防いだし」
「じゃあ今夜の戦いは勝った」
「そうなるのかしら」
「いえ、まだです」
しかしだった。ここでだ。
郭嘉がだ。こう一同に言ってきたのである。
「敵はまだ来ます」
「敵が来る!?」
「まだ!?」
「来るんですか」
「はい、来ます」
こうだ。仲間達に話すのだった。真剣そのものの顔で。
「船の火が失敗してもです」」
「まだ来るのか」
「そうです。今は南東から北西に来ました」
郭嘉はこう魏延に答えた。
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