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ハッピークローバー

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第三十一話 しっかりした人その九

「明男に想像されなかったら」
「いいのね」
「流石に実の弟にはね」
「意識されたら嫌ね」
「想像の中でも明男となんて嫌だから」
 留奈に強い声で話した。
「絶対成海っちはだろうけれど」
「ああ、成海っちはね」
 留奈も彼のことはと頷いた。
「絶対にね」
「かな恵のことをね」
「意識していてね」
 それでというのだ。
「付き合ってるだけあってね」
「想像してね」
「すっきりしてるわね」
「そうでしょうね、あと皆合コンの時の彼とどうしてるの?」
 かな恵はここで四人に確認を取った。
「それで」
「時々会ってるわ」 
 まずは富美子が答えた、笑顔になっている。
「毎日ラインでやり取りしてるし」
「私もよ」
 理虹も言ってきた、やはり笑顔である。
「昨日帰り道デートしたわよ」
「私今度一緒に梅田行くことになったのよ」 
 留奈はにこにことして話した。
「いや、楽しみだわ」
「私ラインのやり取りだけよ」
 一華はやや俯いて言った。
「毎日してるけれど」
「それ駄目だから」
「もっと踏み込まないと」
「達川君とまだそれだけ?」
「全然進んでないじゃない」
「いや、何かそれ以上はね」
 どうしてもというのだ。
「踏み込めなくて」
「それでなの」
「まだそれだけなの」
「それは駄目よ」 
 かな恵は一華に少しむっとした顔で告げた。
「もっと積極的にいかないと」
「私から?」
「そうよ、女の子からね」
「女の子がそれは」
「そんなこと言ってるから私達入学早々出遅れたのよ」
 今度は咎める言葉であった。
「そうなったのよ」
「あの時ね」
「思い出して。彼氏ゲットした娘は皆積極的だったでしょ」
「かなりね」
「その時を思い出すのよ」
 是非にというのだ。
「あの時本当にそうだったでしょ」
「彼氏の子ゲットした娘皆ぐいぐいいったわね」
「それが今の結果よ」
「私達は残ったのね」
「男の子皆取られてね」
「そうなったことを見たら」
「商業科にいるんだから」
 女子の方が多いこちらにというのだ。
「だからよ」
「それでなのね」
「もうここはね」
「積極的になのね」
「いかないと。だから達川君にもね」
 彼にもというのだ。
「一華ちゃんから迫る様な」
「そうした感じでないと駄目なの」
「かく言う私も成海っちには中々だけれど」
「積極的にいけないの」
「そうだけれどね」
 それでもと言うのだった。 
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