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ハッピークローバー

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第三十一話 しっかりした人その五

「自分がこの世で一番偉いとも思っていて」
「そのこと自体間違いだしね」
「もうその時点でね」
「それでその偉い自分が偉くなれない」
「あと何か言われるのが嫌だっただけでしょ」
「兎に角何もない何も出来ないのに尊大でね」
 感謝もなくというのだ。
「遠慮もないし厚かましいから」
「何をしてもらっても不満ばかりで」
「遂には誰からも見捨てられて」
「幸せになれないで」
「今は行方不明ってことね」
「そうなの、誰の為にもしなくて」
 その人生でというのだ。
「自分も幸せになってない人生だったってことね」
「聞けば聞く程度しょうもない人生ね」 
 富美子は軽蔑に満ちた声で述べた。
「最低の人生ね」
「何で生きて来たのってなるわね」 
 留奈の声も同じであった。
「そんな人生だと」
「いや、絶対にそんな人生送りたくないわ」 
 理虹も心から言った。
「何があってもね」
「そうよね、そんな人生送るなら」
 かな恵はそれこそと言った。
「生まれない方がましかもね」
「そうよね、幸せになる為にはね」
 一華はどうかという顔で四人に話した。
「思いやりと謙虚さ、遠慮に感謝の気持ちも必要ね」
「その人に一切なかったものね」
「そうしたものが必要ってことね」
「幸せになろうと思ったら」
「自分がいい人にならないとね」
「そうよね、悪意ばかりで自分さえよけばいい図々しい奴とかも」
 世の中そうした輩もいるのだ。
「この人と同じでね」
「誰からも嫌われて」
「それで相手にされなくなって」
「そうして終わりね」
「幸せになれないわね」
「どうなっても自業自得で」
 そうした展開になりというのだ。
「どうなっても周りからざまみろってなるわね」
「ざまみろって思われたくはないわね」
「そう思うのって相当嫌いな相手だしね」
「若し何かあってそう思われるならね」
「かなり嫌よね」
「そう思うわ、本当に幸せになりたいなら」
 そう願っているならというのだ。
「自分がどうかってことね」
「いい人になる」
「その努力をしてね」
「いい人にならないとね」
「幸せにはなれないわね」
「そういうことね」
「そりゃ悪人なんてね」
 それこそというのだ。
「嫌われるしね、犯罪なんてやったら」
「捕まってね」
「刑務所に入って」
「前科もついて」
「まともに暮らせなくなるしね」
「そうでしょ、だから幸せになるには」
 それを願えばというのだ。
「やっぱりね」
「いい人ね」
「いい人になることね」
「そう努力することね」
「そうなりたいなら」
「やっぱりそうよね、今お話してる人もね」
 一華は眉を曇らせて話した。 
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