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八条学園騒動記

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第六百六十六話 巨砲からその三

「見ればな」
「全部わかるか」
「どういった兵器か」
「カタログスペックでなくじゃ」
「実際の性能か」
「それがわかるんだ」
「左様、だからな」
 博士はチーズを食べてからまた話した。
「あの巨砲もじゃ」
「連射は出来ない」
「そうした兵器なんだね」
「威力が高いなら高いなりにリスクがある」
 博士は冷静に述べた。
「そういうことじゃ」
「強過ぎるとですね」
 今度は野上君が言ってきた。
「連射も無理ですね」
「そうじゃ、要塞砲もじゃ」
「連射は出来ないですね」
「あまりに出力が高くてな」
 その為にというのだ。
「一度放つと充填まで時間がかかる」
「エネルギーの」
「最初は大砲もそうであった」
「昔の、中世の大砲ですね」
「一日に六発位が精々であった」
「物凄く少ないですね」
 野上君はその発射数を聞いて眉を曇らせて述べた。
「一時間じゃなくてですね」
「一日でじゃ」
「六発ですね」
「しかもよく壊れた」 
 ただ発射数が少ないだけでなくというのだ。
「連合軍の兵器は胡椒は極めて少ないがな」
「それでもですね」
「当時の大砲は壊れやすかった」
 中世のそれはというのだ。
「そして他の兵器もじゃ」
「当時の最新鋭の切り札みたいなのは」
「常にな」
「威力は高くても」
「そうそう連射は出来んかった、コロニーレーザーもな」
 今ではポピュラーなこの兵器もというのだ。
「一発撃って終わりであったわ」
「最初の頃は」
「そうであったのじゃ」
 博士は野上君にチーズを食べながら話した、野上君は博士にクッキーを出してもらって青茶にミルクを入れて飲んでいる。
「これがのう」
「コロニーレーザーもですね」
「何発も撃てるかというとな」
「一発だけですか」
「一発撃つとじゃ」
 それでというのだ。
「もうコロニーがオシャカになってな」
「壊れるってことですね」
「うむ、そしてな」
 壊れてというのだ。 
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