催眠アプリは本当に効くのか
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第二章
「検索したら出るでしょ」
「あっ、出たわ」
遥は自分のスマートフォンを出して検索してすぐに応えた。
「お試しもあるわ」
「じゃあ試しによ」
「使ってみたらいいのね」
「そうしたら?」
「それじゃあね」
遥は夏美の言葉に頷いてだった。
実際にお試しで入れてみた、そしてだった。
夏美にだ、こう言った。
「あんたで試していい?」
「何もなかったらジュース一本ね」
「わかったわ、じゃあね」
夏美の返事を聞いてからだった。
隣を歩く彼女にスマートフォンの画面を向けて言った。
「ワンって言ってみて」
「コンコン」
夏美は冷めた表情と声で狐の鳴き声を出してみせた。
「はい、ジュース一本ね」
「やっぱりこうしたことないのね」
「ある筈ないでしょ、催眠術だって特別なものでね」
「そうそうは効かないのね」
「プロでないとね」
「そんなものなのね」
「それでアプリで簡単に効くとか」
そうしたことはというのだ。
「ないわよ、そんなものよ」
「漫画は漫画ね」
「そうよ、大体そういう手の漫画って現実離れしてるでしょ」
「ないわよって展開と設定ばかりね」
実際にとだ、遥も答えた。
「下半身が全ての」
「そうでしょ、そうした漫画ってそうした方面に特化していてね」
それでとだ、夏美は遥に話した。
「お話やキャラ自体はファンタジーだから」
「実際エルフとか悪魔も出るわ」
「そんなものよ、だからね」
「お伽話みたいなものでということで」
「現実と一緒にしたらいけないわよ」
「それはわかってるつもりだったけれどあらためてわかったわ」
「じゃあね」
「ええ、そういうことでね」
遥も頷いた、そしてキャンバスに入ると夏美にジュース一本飲ませた、そうしてもうそうした漫画の設定や展開は完全にファンタジーだと割り切っていった。
催眠アプリは本当に効くのか 完
2022・7・27
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