八条学園騒動記
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第六百六十五話 とんだ迷惑その十二
「今はいいです」
「そうなのか、ではな」
「はい、ここでくつろがさせてもらいます」
「ではな、さてあと少ししたら来るが」
「連合軍の超巨大戦艦が」
「全長百キロのな」
「あらためて聞くと大きいですね」
野上君は百キロと聞いて言った。
「本当に」
「そうじゃな、しかしな」
「それでもですか」
「このマシンの全長は五百キロじゃ」
「百キロどころじゃないですね」
「そうじゃ、胴体だけでな」
それだけでというのだ。
「首を入れるとな」
「もっと長いですね」
「だから戦艦に巻き付くこともな」
これもというのだ。
「出来るぞ」
「そうですか」
「やはり蛇とか龍の姿ならな」
「巻き付くんですね」
「そうして攻撃するものじゃ」
博士は野上君に笑って話した。
「無論他の攻撃も行うがな」
「巻き付きもですね」
「することを念頭に置いて開発してじゃ」
「製造しましたね」
「そうしたからのう」
「百キロで大きいとはですね」
「思うと甘いぞ」
博士はグラスの中に赤ワインを入れていった、そうしてそのワインをポケットから出したチーズを肴に食べつつ言った。
「まだまだな」
「そういうことですね」
「うむ、ではこうして飲んで食べてな」
「そうしながらですね」
「待とうぞ」
「超巨大戦艦を」
「そうしようぞ」
言いつつ飲む、そのうえで。
食事を楽しむ二匹にだ、博士は話した。
「トイレも用意してあるぞ」
「ああ、そっちもか」
「あるんだね」
「勿論じゃ、生きておれば用を足す」
このことは絶対だというのだ。
「だからじゃ」
「トイレも用意してくれたか」
「そうなんだね」
「わし等のトイレがありな」
自分と野上君用のというのだ。
「そこにじゃ」
「おいら達のトイレもあるんだな」
「そうなんだね」
「そうじゃ、そしてな」
「トイレがしたくなったらか」
「そこに行けばいいんだ」
「あそこじゃ」
部屋の右にある扉を指差して語った。
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