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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐

作者:グニル
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黒き侵入者

 突如アリーナに乱入してきたISの操縦者は全身装甲のせいで中の人は見えません。むしろそれが狙いなのかもしれませんけど。
 一夏さんが呼びかけているが返答はありません。無反応に佇んでいるだけで、一言もしゃべりません。
 確かに声で正体がばれると言うことも考えるとそうするのが正しいのですが一体何の目的で……?

「織斑くん! 凰さん! 今すぐアリーナから脱出してください! すぐに先生たちがISで制圧に行きます!」

『いや、皆が逃げるまで時間を稼がないと』

「そ、それはそうですけど……でも! いけません! お、織斑君!?」

 山田先生が全て言い切る前に一夏さんは通信を切ってしまいました。

「一夏さん!」

「一夏!」

「一夏さん!?」

 ほぼ三人同時に通信機に叫びかけるが返答はありません。どうやら本気みたいです。
 一夏さんと凰さんが二手に分かれて侵入者を迎撃に当たり始めました。と言っても回避に専念しています。
 攻撃が当たらなく、じれったくなったのか侵入者が黒煙を上げて空を飛びました。
 近接武器はないのか拳で一夏さんに突っ込んでいきます。

「早い……!」
 
 攻撃を避けた後、一夏さんの『白式』ほどでないにしても一瞬で二人の上を取りました。
 その状態で肩部からビームの雨を降らせてきます。さしずめビームマシンガンと言ったところでしょうか。威力は腕のものより数段劣るみたいですけど。

 そのビームの雨を避けながらも二人の作戦は決まったようです。凰さんが援護で一夏さんが突っ込む。シンプルだけど二人の相性を考えたベストな作戦。

「織斑君! 凰さん! ああ、もう! 織斑先生、どうしましょう!?」

 山田先生も思わず悪態をついてしまうほどテンパっています。

「ま、二人が出来るといっているんだ。任せてみるのもいいだろう」

「そ、そんなめちゃくちゃな!」

「織斑先生! 暢気なこと言ってる場合じゃないですよ」

 私と山田先生が思わず叫んでしまいます。いくら二人の実力があるといってもその結論はどうかと……第一、一夏さんは実の弟さんじゃないですか……!

「二人とも落ち着け。コーヒーでも飲め。糖分が足りないからイライラする」

 そういいながら織斑先生は準備されたコーヒーに片栗粉を入れて飲もうとして……って片栗粉!?

「あ」

「織斑先生……それ片栗粉ですけど……」

「……なぜ片栗粉が一緒においてある?」

「さあ?」

 全くもって謎です。
 でも砂糖と塩と片栗粉……何故塩と片栗粉があるんですか?
 コーヒーを見ると中は既にドロドロになっていて飲み物の原型を留めていませんね。

「やっぱり弟さんが心配なんですね! だからそんなミスを……」

「…………………………」

 一瞬の沈黙と共に織斑先生がそのコーヒー(?)を山田先生に突き出しました。

「山田先生、コーヒーをどうぞ」

「え……あの……これ……コーh」

「どうぞ」

「いえ、これコーヒーっていうより……」

「ど・う・ぞ」

「い、頂きます……」

 ああ、山田先生泣きそうになってますよ。でもあれ飲めるんですかね? どっちかと言うと食べるって言った方が合ってる気がします。
 うん、でも顔に出さないだけでやっぱり焦っているのは織斑先生も同じみたいですね。
 そんなやりとりの間でも画面では未だにアリーナ内部で激しい攻防が行われています。

「先生! 私とセシリアさんにISの使用許可を!」

「そうですわ! 私たちならすぐにでも出撃できます!」

「そうしたいところだが……これを見ろ」

 そう言って織斑先生がアリーナのステータス状態を表すモニターを映してくれました。

「遮断シールドがレベル4に設定!?」

「しかも扉が全てロックされて……!?」

 そんな無茶苦茶な……遮断シールドレベル4、通常のISの装備では突破できないレベルまでシールドのレベルが引き上げられています。外部との行き来は全て出来ないと、そういうことですか。

「あの所属不明機の仕業……と考えるのが妥当ですね」

「おそらくな。これでは脱出も救援も行うことができない」

「で、でしたら緊急事態として政府に救援を……!」

「既に行っている。今も3年の精鋭がシステムクラックを実行中だ。遮断シールドを解除できれば、すぐに教師の部隊が突入する」

「結局……待っていることしか出来ないということですわね」

「私たちなら簡単な連携くらいならできるのに……歯がゆいですね」

「そういえばお前たちはあいつの訓練に付き合っているんだったな。何も訓練してない凰よりはマシという程度だが」

 そう言っていて気づきました。箒さんが手をずっと握り締めて画面を食い入るように見つめています。
 専用機がない箒さんは例え遮断シールドがなくなっても助けに行くことが出来ません。
 大切な人が危ないのに、絶対助けられないという現実。この中では箒さんが一番辛いかもしれませんね。

 何分経ったでしょうか? 10分? 1時間?
 いや、実際はほとんど経っていないと思いますが、それだけ時間が長く感じてしまいます。

 一夏さんが何か思いついたのかAピットの正面にわざわざ来て、砲撃を回避しました。

ドン!

「きゃあ!」

 それと同時に凄まじい轟音が管制室に響き渡ります。

「あの馬鹿者が……」

 織斑先生がほとんど分からないくらいの角度で口の端を上げ、微笑んだのを見た気がします……見間違いかもしれませんけど。

 それを見て画面を見上げると、そこには『白式』が回避したことで目標を失ったビームが展開している遮断シールドを吹き飛ばし、それだけでは足りずアリーナへと続く扉をも破壊したAピットが映っていました。

「カスト! オルコット!」

つまり……それは……

『は、はい!』

 道が開かれたということ!

「ISの使用を許可する! ただし無茶はするな。二人を救出することだけを目的としろ!」

「分かりました!」

「お任せください!」

 私とセシリアさんが同時に返事をする。

「あ、あれ? 篠ノ之さんは?」

 山田先生に言われて気づきました。箒さんが……いない!?

「まったく……いいから二人はさっさと行け!」

『はい!』

 二人そろって部屋を飛び出します。
 セシリアさんはこの狭い通路で今にもISを展開して飛んでいきそうな勢いですね。

「我慢してくださいよ! ここでIS展開したら私が吹き飛ばされちゃいますから!」

「わ、分かってますわ! そのくらいの分別はついてましてよ!」

 自分の考えが読まれたので驚いたのか少し声が上ずっています。誰でも見れば分かるんですけどね。
 少し走るとまだ解除されていない隔壁がありました。

「カルラさん? 流石にこれはやりますわよ?」

「仕方ありませんね……」

 セシリアさんが私に言うと同時にIS『ブルー・ティアーズ』を展開しレーザーライフルを構えたので、私も『デザート・ホーク・カスタム』を展開します。
 それを確認したセシリアさんがレーザーライフルを隔壁に叩き込みました。流石にIS学園配備の隔壁で一度の射撃では破壊されませんでしたが、セシリアさんが寸分たがわず同じところに撃ち込むので遂に溶解しました。

「私と一夏さんの仲を邪魔する障害は全て排除するまでですわ」

「それ、間違っても私にやらないでくださいね」

「さあ? どうでしょう?」

私の声にセシリアさんはレーザーライフルの先端を口元に持っていき銃口を口で吹きました。かっこいいんですけどやめてください。本気でやめてくださいよ!
 その後も何枚かの隔壁を同じ要領で突破、ピットに出ると先に行っていた箒さんが実況席のマイクを使い一夏さんに向かって叫ぶのが見えました。

「男ならそのくらいの敵に勝てないでなんとする!」

 いい啖呵ですね。箒さんらしいです。
 でも箒さんはどうやってここに? 隔壁は全部閉まっていて私たちが突破するまでは傷一つついていませんでした。まあ、今はいいです。後で聞いてみましょう。

「セシリアさん!」

「ええ、行きますわよ!」

 言って走りながら二人同時にピットを飛び出します。

「私は右へ、カルラさんは左へ! 攻撃タイミングはそちらに任せます!」

「了解です!」

 箒さんの後ろを私が左に、セシリアさんが右にアリーナの上で別れ、対角線上に所属不明ISを挟み込む形で布陣します。

 セシリアさんはオールレンジのBT兵器がありますから、私はそれを邪魔しない攻撃が要求されます。それならやはりこれでしょう。
 最も射程の長い46mm対装甲ライフル『コジアスコ』を展開します。3mを超える銃身のせいでセシリアさんのレーザーライフルと同じく接近戦では使い物になりませんが、遠距離ならば非常に有効なライフルです。

 片膝立ちで『コジアスコ』を構えて機会を伺います。

 一夏さんが凰さんの衝撃砲の威力を利用して瞬時加速を発動、所属不明ISに突撃します。
 なんという無茶を……少しでも間違えばISのシールドが0になって動けなくなってしまうのに。

 しかしそのお陰なのでしょう。今までの比ではない、それこそ瞬間移動と見間違うほどの速度で一夏さんは所属不明のISに接近。

 そのまま迎撃してきたその右腕を切り落としました!

 所属不明のISは右腕の部分から黒い液体を血のように噴出しながらも、残った左手で一夏さんを吹き飛ばし、それを受けた一夏さんが地面に叩きつけられます。


 まだ……今撃っても避けられる……まだ、まだ!

 所属不明のISが残った左腕のビーム砲を一夏さんに向けた!
 それと同時にその動きが狙いをつけるために止まる。

 瞬間、私たちに気づいていたのか一夏さんから個人間秘匿通信(プライベートチャンネル)が入った。

『狙いは?』

「バッチリです!」

 言いながら引き金を引いた。

 強烈な反動、銃声と共に弾丸が射出され狙い通り所属不明ISの左肩に直撃しました。

 破壊は出来ませんでしたが着弾の衝撃でISがふらついてバランスを崩す。

『お見事ですわ!』

 次弾を撃つ前にセシリアさんの声が聞こえた。展開の済んでいたビットが一斉にレーザーを放ち、その直撃で動きが更に止まる。

『二人とも決めろ!』

「当然!」

『了解ですわ!』

 動きの止まったISに私の『コジアスコ』の弾丸とセシリアさんの『スターライトmkⅢ』のレーザーが直撃しました。

 中央部分を正面と背後から貫かれたISが音を立てながらゆっくりと倒れこむのを見届けてから私は『コジアスコ』のスコープから目を離す。

『ギリギリのタイミングでしたわね』

「あれくらい引き付けないとこの距離では外してしまいますから」

『二人ならやってくれるって信じていたからな』

 ですから何で毎回この人はこういう発言をするんでしょうか……思わず肩を竦めてしまいますね。 
 天然で女たらしとは中々珍しい人物ですよ。その上本人は恋愛に疎いとか……
 
 あ、そういえば……

「中の人は大丈夫でしょうか? 思いっきり貫通したように見えましたけど……」

『いや、こいつは多分無人機だ』

「無人機? ISが?」

『確証はないけど……十中八九そうだと思う』

 それは確証って言うのとほぼ変わりありませんよ? 一夏さん。

 でも……無人のIS……? そんな技術はまだどこにもなかったはず。
 仮にそんなものが出来ていたとしたらまた新しい火種となりかねませんね。

『まあ、何にしてもこれで終わ……』

 ピーピーピーピー!

 その場にいた全員のISに警告を告げるアラームが鳴り響きました!

―所属不明ISの再起動を確認、エネルギー充填中―

「な!?」

 そんな馬鹿な話が!?

『一夏! あいつまだ動いてる!』

 開放通信から凰さんの悲鳴が聞こえました。見ると倒れながらも残った左腕を一夏さんに向けてビーム砲を撃とうとしている。

「くっ!」

『一夏さん!』

 私とセシリアさんが慌てて射撃体勢に移行しますが……一度銃を下げてしまっているため明らかにビーム砲の発射まで間に合わないません!

 ここまでやって……!

『うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!』

 瞬間、一夏さんが予想もしない行動を取った。避けるのでも、逃げるのでもなく……『雪片弐型』を構えての特攻。
 傍から見ればただ撃ってくださいと言わんばかりの突進……

一夏(さん)!!!』

 私たちの声が重なった。
 左腕から放たれたビームの光が一夏さんを包み込む。

 ビームが晴れたとき……そこには剣を振り抜いた状態の一夏さんと再び倒れこんでいくISの姿がありました。

 でも……アリーナの遮断シールドを貫通するビームを受けて無傷?

 ………ああ、失念していました。

 単一仕様能力『零落白夜』はエネルギー系統の攻撃を全て無効にするんでした。
 今まではセシリアさんのエネルギーライフルしか無効にしてなかったので分からなかったですけど。

『い、一体何が?』

 セシリアさんの声で我に帰って倒れこんだISの方をズームにしてみますが、今度は動く気配はない。完全に停止したらしい。
 直後に『白式』が強制的に解除されて一夏さんがその場に倒れこみました。

『一夏!!』

『一夏さん!』

 凰さんとセシリアさんが慌てて近づいたのを見て、私も急いでアリーナの上から降りる。

「一夏さんは?」

「大丈夫、気絶しているだけみたい」

 一番近かった凰さんが一夏さんを抱き起こして言いました。目立った外傷もないし本当に気絶しているだけみたいですね。

「よ、良かった……」

「本当ですわね」

 箒さんもいつの間にかアリーナに降りてきていて少し遅れて駆けつけてきました。

「一夏は!?」

「気絶しているだけだそうです。大事には至っていないようですよ」

「そ、そうか……良かった」

 私の言葉に箒さんは心底ホッとした表情を見せました。

『皆さん、聞こえますか!? 聞こえたら返事をしてください!』

「や、山田先生ですか!?」

 通信から山田先生の声が聞こえました。

『ああ! カストさん!? 今遮断シールドが解除されました。すぐに先生たちの部隊がそちらに行きます。なので皆さんは退避を』

「分かりました。すぐに戻ります。皆さん、今は一夏さんを早く医務室へ」

「わ、分かったわ」

「箒さんは私が運ぶということでいいですか?」

「ああ、よろしく頼む」

 その後、すぐに先生たちの部隊が駆けつけ、私たちはピットへと撤退。一夏さんを医務室へと運び込みました。


――――――――――――――――――――――――――――――


 結果を言うと一夏さんは細かい傷はありましたが命に別状のあるようなものは無し。
 ただ単に全力を出し切って倒れたということでしたので、医務室で横になっています。
 今は医務室に近い休憩所に、あの場にいた4人で一夏さんが起きるのを待っている状態です。

「お前ら、ご苦労だったな」

 不意に声を掛けられたので顔を上げると織斑先生が立っていました。

「あの……あれは結局なんだったのですか?」

 箒さんが皆さんの意思を代弁して尋ねた。皆さんも私もそれが一番聞きたいことだ。

「今のところは回収して調査中だ。どこの誰が、どんな目的で送り込んできたのも不明。分かっているのはお前らの予想通り無人機だったということくらいか」

「そ、そうですか……」

「それから分かっているとは思うが今回の件は決して口外するなよ」

『はい』

 私たち4人が揃って答えます。織斑先生はそれを確認すると廊下を歩いていきました。

「ああ、それと言い忘れた」

 織斑先生が何かを思い出したように振り返えらずに言いました。はて、なんでしょうか?

「弟を助けてくれて……感謝するぞ」

『え?』

 今……なんて?
 それを確認する前に織斑先生は廊下を曲がって行ってしまいました

「あの千冬さんがお礼なんて」

「明日は槍が降るかもしれませんわね……」

 凰さんもセシリアさんも地味にひどいですね……

「それはそうとさあ……あんたらって一夏のこと好きなのよね?」

「「「!!?」」」

 ああ、なんかまた逃げ損ねたというか巻き込まれたというか……
 
 いえ、一夏さんが起きるのを待っているんですからある程度は私も惹かれていると考えるのが妥当でしょうか? いえいえいえ! そんな馬鹿な!

 一夏さんは天然だけどちょっとかっこいいというか……とぼけている時もありますけど妙に鋭くて笑顔が素敵でサラッと惚れてしまうような言葉を自然に吐いて女性への気遣いもさりげなくて……

 そりゃあ嫌いではないですよ? 嫌いではないんですけど……
 この3人ほど恋焦がれていると言うわけではなく人として好きという意味でですね……

 ……私は一体誰に言い訳しているんでしょう?

「まあそんなこと今ここで話してもしょうがないわね! 一夏が起きるまで抜け駆け無し、正々堂々の勝負よ!」

「望むところですわ!」

「上等だ!」

「ま、話が纏まったところで」

 そう言って凰さんが立ち上がる。
 いつの間にか話が纏まってしまったようです……詰んだ、フォーエヴァー私の平穏な学園生活……

「どこへ?」

「お手洗い。一々聞かないでよ、もう」

 凰さんがそう言って廊下の角に消える。そこからは特に会話はなく、黙々と時間が過ぎていくだけ……
 10分ほど経ったでしょうか。セシリアさんが立ち上がりました。

「セシリアさんもお手洗いに?」

「え? え、ええ。そうですわね。ちょっと行ってきますわ」

 そう言ってセシリアさんも廊下の角に消える。
 そういえば……

「凰さん遅いですね」

 女子のトイレは長いとはいえ時計を確認すると確実に10分を過ぎています。

「まさか……! カルラ、行くぞ!」

「え? は、はい」

 箒さんが何か気づいたようです。私の先に立って廊下を走るくらいの勢いの歩きで先ほど凰さんとセシリアさんの消えた廊下に突入していきます。
 そういえばこの廊下って一夏さんの病室前に続く廊下でしたね。
 それで私も気づきました。

 そうだとしたら呆れるしかないんですけど……
 セシリアさんと凰さんの声が聞こえました。予想通り一夏さんの病室からですね。

「一夏さんが起きるまで抜け駆けは無しと決めたでしょう!」

 どうやら二人とも完全に抜け駆けしようとしていたみたいです。

「そういうお前も……私とカルラに黙って抜け駆けしようとしていたな」

 廊下の箒さんから掛けられた声にセシリアさんがこちらをゆっくりと振り向きます。ていうか箒さん! 今私たちって言いましたか!?

「そ、それは……」

「ですから私はちg」

「ああ、もう! 3人とも出て行ってよ! 一夏は私の幼馴染なんだから!」

 だれか私の言葉を最後まで言わせてくださいってば!

 そう言いながら凰さん、セシリアさん、箒さんが言い合いを始める。というよりここ一応病室なんですけど。
 私は言い争いする3人に呆れながらとりあえず先ほど買っておいたお見舞いのドリンクを一夏さんに渡す。

「どうぞ、一夏さん」

「お、サンキューカルラ」

「「「カルラ(さん)!」」」

「ひい!」

 し、しまったぁ!? またやっちゃったぁ!
 
 

 
後書き
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