レーヴァティン
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第二百五十五話 ヴェネツィアでの再会その十一
「河豚のアクアパッツァもです」
「召し上がっていいのですね」
「お勧めです」
こうも言うのだった。
「まさに」
「では」
「はい、この浮島におられる間に」
「楽しみます、そして湖の幸は他にもですね」
「多くのものがあります」
「そうですね」
「この浮島でも湖の幸はよく食べますので」
それでというのだ。
「河豚を食べるだけでなく」
「他の幸もですね」
「食べられます」
そうだというのだ。
「鮭も鱈も貝類や甲殻類も」
「全てですね」
「そして川の幸も」
こちらもというのだ。
「召し上がることが出来ます」
「それはいいですね」
「鯉等も」
「そうですね」
「そこはそちらの浮島とも同じですね」
「鯉が好きでして」
謙二は笑顔で述べた。
「あらいにしたり鯉こくにしたり」
「その様に調理してですね」
「楽しんでいます」
「そうなのですね」
「よくそうして食べています」
「鯉もいいお魚ですね」
順一も笑って述べた。
「揚げても美味しいです」
「そちらではフライですね」
「そうです、フライにしてです」
その様に調理してというのだ。
「揚げて食べる時はです」
「フライですね」
「そしてでは天麩羅か唐揚げですね」
「あとは素揚げですね」
謙二はこちらの調理も話に出した。
「鯛等もそうしますが」
「ああ、素揚げもありましたね」
「はい、そちらにしてもです」
「鯉を挙げてですか」
「召し上がります」
そうしているというのだ。
「あちらの浮島では」
「そうですね」
「では素揚げも」
「ご馳走してくれますか」
「相応しいお魚があれば」
その時はというのだ。
「料理人の人にお話して」
「ではその時が来ることを楽しみにしています」
「それでは」
「鯛の素揚げがあれば」
順一は笑って話した。
「家康公の様ですね」
「ああ、徳川家康公ですか」
「あの人は揚げものが好きで」
「亡くなった理由もですね」
「鯛の天麩羅にあたったとも」
「鯛の素揚げとも言われていますね」
「そのことを思い出しますね」
こう謙二に言うのだった。
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