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ハッピークローバー

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第二十九話 夏休みにはその九

「ズボンも穿いて」
「水着姿見せないことね」
「そうはね、それでお水に入る時だけね」
 かな恵は一華にさらに話した。
「脱ぐのよ」
「普段は服着るのね」
「それで脱ぐ時も周りの目には気を使って」
「脱ぐのね」
「脱ぐのも刺激的かもだし」
「それもなの」
「そう、その時もね」
 まさにというのだ。
「アイドルのグラビアでも脱ぐシーン多いでしょ」
「そうなの?」
「だからね」
「脱ぐ時も」
「脱いで出て来るのは下着じゃないけれど」 
 それでもというのだ、かな恵は実際にアイドルのグラビアで服を脱ぐそのシーンを思い出しつつそのうえで一華に話した。
「水着も下着と変わらないからね」
「デザイン的にね」
「だからグラビアにもなるしね」
「男の子をその気にさせる為に」
「だから脱ぐ時も」
 その時もというのだ。
「ちゃんとね」
「気をつけてなのね」
「脱がないとね」
「駄目なのね」
「そう、そうじゃないと下手に刺激してね」
「襲われるのね」
「そうなるから」
 だからだというのだ。
「そうしたことも気をつけないとね」
「襲われるのね」
「そうだと思うわ」
「ううん、何かと難しいわね」
 一華はかな恵の話を聞いて腕を組んで述べた。
「水着になっても」
「まあね、ただね」
「ただ?」
「うち弟がいるからね」
「明男君?」
「そのことを考えたらね」 
 かな恵は一華に話した。
「要するに人前で安易にお肌を見せない」
「刺激的な格好でいないことなのね」
「そんなの明男の前で下着姿で出てね」 
 そうしてというのだ。
「無意識でも誘うポーズとかしたら」
「もうそうしたら襲われてもでしょ」
「仕方ないでしょ」
「そうよね」
「半ズボンとタンクトップも危ないってね」
 この夏らしいラフな格好でもというのだ。
「この前お母さんに言われたし」
「普通じゃないのね」
「夏だから生地も薄いし」
 このこともあってというのだ。
「胸元とか腋とかちらりと見えるでしょ」
「それはね」
「太腿丸出しだしね」
 半ズボンだからだというのだ。
「それで半ズボンの裾からね」
「ショーツも見えるわね」
 一華もそれはと頷いた。
「確かにね」
「それで上下生地が薄いから下着のラインもよ」
 これもというのだ。
「見えるからよ」
「おばさん駄目って言ったのね」
「子供の時はよかったけれど」
「高校生になったら」
「明男もそうした年頃だしね」
 性が備わってきているからだというのだ。 
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