人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
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39話 極熱Hazard!
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「全く.................退いてくれませんかねぇ?」
「このイベントの主催者から不審人物は歩行者天国に入れるなとの要請があるので。」
「この私が不審人物に見える.................そんなことは100兆%あり得ない。」
「コイツやっぱり主催者が言ってた要注意人物なんじゃないか?」
2人の警備員が話題に上げるこの人物。そうこの男、小原兆一郎————————満45歳の敏腕社長の名を被ったブラック経営者。
一般の警備員にはもし100兆%などとほざく人物を発見したら、速やかに報告せよとの要請を才に受けていたのだ。そして目の前にいる方は何を隠そうその本人に取り違えない。
小原兆一郎の通報を受けた竜介、稜、魁がその場に駆けつける。そして命令通り警備員は退避する。
「また君たちですか...............いつまで私の邪魔をすれば気が済むのか—————」
「それはこっちのセリフだ。お前がスクールアイドルを潰そうとする限りは—————————絶対に諦めない。」
「君たちの意味不明な熱意にはいつまで経っても理解できないな..............どの道君たちは浦の星が廃校と共に、道具になる。その事実はどうあがいても変わらない。」
「お前のいう事実なんか机上の空論だ!」
「そうだ、騎乗の空路だ!!!!」
「(また煽りですか......................)机上の空論か—————————そういうのなら君たちが私と戦っている事自体が矛盾するが?所詮、君たちのやっている事は悪あがきに過ぎない。」
「本当にそう思うか?」
自らの父親が放った一言に魁が疑問を呈する。自らの息子———————その裏切り者の顔を表立って見るだけで、兆一郎の顔がみるみる憎悪に染まっていく。
「その言葉、そのまま返すよ。アンタこそ《《目に見える利益》》だけを求め—————————自分の意に真っ向から沿わないスクールアイドルというコンテンツを認めたくない。夢や奇跡が腹立たしい。それだけのことだろ?」
「調子に乗るなよ魁。お前らは私の奴隷だ。道具に意見や意思など要らない!」
「俺たちは道具じゃない!!俺たちは誓ったんだ!!この町の——————Aqoursのために戦うってな!!」
「サウザー!!俺の生まれた町と俺の生徒を傷つけるお前には————————絶対に負けない!!」
竜介の言葉を聞いたところで小原兆一郎が刀を抜くようにサウザンドライバーを腰に巻きつける。それを確認した3人もビルドドライバーとゴーストドライバー、キバットII世を召喚する。
≪ゼツメツ!EVOLUTION! BREAK HORN!≫
≪ガブリ!≫
≪ボトルバーン! クローズマグマ!≫
≪アーイ! バッチリミロー!≫
飛び出すコーカサスオオカブトとアルシノイテリウムに対抗するように、グツグツ煮えたぎる巨大坩堝とフードのゴーストが現れる。その張り合いには参戦していないが、キバットII世もそれを魁の手のうちで傍観している。
≪Are you ready?≫
「「「変身!!!!」」」
「変身。」
≪パーフェクトライズ! THOUSER is born. ≫
≪極熱筋肉!クローズマグマ!≫
≪カイガン! スペクター!≫
≪変身!≫
5つの角が交わり、仮面ライダーサウザーが誕生する。それと同時に煮えたぎるマグマから現れたクローズマグマ。闇からの使いが変身させたダークキバ。覚悟を決めた亡霊、スペクターが変身を完了する。
「君たちの相手はコイツらでいい。」
「「「!!!」」」
ガシャコンバグヴァイザーを取り出して、2体のデータ体を放出する。その2体は——————————仮面ライダーシザースと仮面ライダーG電王。
3ー3のフェアな戦い———————————サウザーを除く全員がそのゴングが鳴るのを虎視眈々と戦闘態勢をとってそれに備える。
「殺れ!!!!!」
サウザーの号令と同時に2人のダークライダーが3人に襲いかかる。
「負ける気がしねぇ!!!!」
「俺たちの生き様見せてやる!!!」
「絶滅しろ———————!」
3人の仮面ライダーも負けじと敵の方向へと向かう。
クローズが我先にとサウザーに向かっていくのを、彼を挟むように進行しているシザースとG電王が見逃すはずもなく、G電王がデンガッシャーのガンモードで銃撃しようとするが、スペクターのガンガンハンドのロッドで邪魔されてしまう。
≪ストライクベント!≫
シザースはモチーフ通りの蟹のハサミを自身の腕につけて、ダークキバに襲いかかっていく。だがダークキバはそのハサミを見事に掴み取り、動きを止める。そして空いている右手でストレートパンチを喰らわせる。
たまらずにシザースはゴロゴロと5回ほど回る。
「ここで戦うのは避けたい。少し場所を変えさせてもらう!」
「え!?」
「なんだと———————————?」
「はっ!」
ダークキバの掛け声と共に顕現したのは紋章。それも前回の比ではなく、その紋章は合計6人が戦っている戦場一帯に広がっている。
ダークキバはそれを持ち上げ、そのまま近くのショッピングモールの屋上駐車場にフィールドを移動させる。当然ながらその紋章は拘束と電流を5人に与え続けながら—————————である。ダメージ調整はしているようだが..............
「魁!お前無茶苦茶だよ!!」
「悪い、稜。でもあんまり人目がつく場所で闘いたくなかったから...............」
「だからってお前..............!」
≪ジャックライズ!≫
「何!?」
「ぐっ...............ダークキバのテクノロジーを頂きました———————」
「あっ!しまった!!」
「クソっ!!お前の相手は俺だ!!!」
「それを決めるのは私自身だ..............!」
≪JACKING BREAK!≫
ダークキバの紋章はあまりに大きすぎたが故にサウザーのジャックライズの餌食になった。そしてその採取したデータをクローズに飛ばす。
一直線なクローズにその技はうまく決まりやすいようだ。紫色の紋章はクローズの四肢を開いた状態に拘束して、ダメージを与える。
「マズい!はっ!!」
「ぐっ....................邪魔を—————————!」
咄嗟にガンガンハンドをガンモードに変形して、それをサウザーに乱射する。邪魔されたことにより紋章は消滅した。拘束から解き放たれたクローズはすぐさまサウザーに到達し、ストレートパンチを喰らわせる。サウザーは拳を自身の専用武器で受け止める。そして勢いのとめられたクローズの腹部に前蹴りで押し返す。バランスを崩したところを自慢のサウザンドジャッカーで1回、2回と上から振り下ろす。
「ぐわぁ!」
「あなたも変わりませんねぇ。あなたに勝ち目は100兆%———————存在しない。それにも関わらず、相変わらず挑んでくる.................あなたも所詮は無駄だとわかっていながらそれを実行する知能の存在しないスクールアイドルと同じだ。」
「うるせぇ!!」
「全く....................世話の焼ける教師だ。いいだろう。サウザーの新たな力、思い知るがいい。」
「あ?」
≪ジャックライズ! JACKING BREAK!≫
ジャックライズを実行してその刃をクローズに向ける。するとクローズの体は否応にも後退を始め、駐車場に停めてある黒い車に激突。その衝撃からなのかエンジンが漏れ、爆発が起こってしまう。
「あれは———————斥力?」
「あの力は...........ニュートン魂の!!!なんでお前がその力を使えるんだ!?」
スペクターが放った、苛立ちと疑問が入り混じる声。サウザーは自信満々の極みのような口調で返す。それを証明するかのように取り出したのは————————6つの眼魂ニュートン魂、ヒミコ魂、リョウマ魂、ゴエモン魂、グリム魂、サンゾウ魂。
「君は東京の人々を蘇らせるためにグレートアイを使った。そのことで眼魂がバラバラになってしまったようだね。その内の6つを偶然見つけ、データを採取した———————というのが答えだ。」
「全ての眼魂が揃わなかったのはお前のせいだったか!!」
「じゃあ残りの眼魂は君の手元にあるようだね。さて、渡してもらおうか。」
『まだ終わってねぇぞ!!!』
「何?」
≪Ready go! ボルケニックアタック!≫
刹那、悠々と話していたサウザーの元に彼の中ではまだ戦闘できる状態ではないと考えていたクローズマグマからの溶岩を秘めた拳が送られる。不意を突かれたサウザーは自身に持っていたフルボトル5本を落としてしまう。
そもそもクローズマグマの装甲は炎や爆発に対しての耐性に非常に優れている。それを踏まえれば、そんな考えなどでてこないのだが...................
落としたフルボトルをクローズは回収して、地べたに手をつくサウザーに言い放つ。
「お前のライダーシステムは俺を超えているかもしれねぇ!けどな!!俺たちには守る物があるんだよ!!自分のためだけに戦うお前には絶対に負けねぇ!!」
「100兆%あり得ない..................浦江竜介ェ!!!」
「なっ!!」
クローズは一瞬の出来事で何が起こったのかがわからなかった。
おそらく、これを視認可能な者がいるのだとすればそれはムテキゲーマーぐらいだろう。その彼ですら、見えても驚嘆するであろうスピードがサウザーから出されたのだ。
サウザーはそのスピードで気づかぬうちに背後に回り込み、その槍の先端で思い切りクローズを刺突して、ノックバックを喰らわせる。
≪ジャックライズ! JACKING BREAK!≫
お得意のコピーした能力でのコンボ技を披露する。
ホエールの水流とポーラベーアーの吹雪の力を秘めさせた20本のサウザンドジャッカーによる水圧ビームと冷凍ビームがクローズに襲いかかる。さらにシャインシステムのシャインクリスタを展開する。それらもまた同じく冷凍ビームと水圧ビームを放ちながら突撃も行う。
このオールレンジ攻撃の極致のような攻撃に流石のクローズにも対応しきれず、その回避にも終わりが訪れる。水圧ビームをまずは喰らってしまい、その水の上に冷凍ビームが襲う。体の水が凍り、マグマの装甲は氷塊へと姿を変えた。
身動きの取れない氷塊と化した体を先ほどのスピードで迫り、タイタンフォームとロボットフルボトルの破壊力抜群の攻撃でその氷塊を破壊する。
その一撃でクローズの装甲は限界を迎えて、消滅してしまう。サウザーから奪った5本とは別の5本を落として—————————————
「竜介先生!!」
「ぐっ—————————!」
「君は私を超える...............そう予言された。だが現実はこれだ。いくら君にその力が秘められていたとしても、それを《《発揮できなければ勝てない》》ということだ。それこそ机上の空論。スクールアイドルも同じ、青春という名の意味のわからない偶像的な物を異常に信仰することで発生する愚かな感情他ならない。」
「オイ!援護できるか!?」
「無理だ!この2人が邪魔して竜介先生まで辿り着けない!」
「クソっ..............!」
ダークキバとスペクターは別に苦戦しているわけではない。むしろ善戦も善戦。ダークキバに至っては、シザースとその契約モンスターのボルキャンサーに対して一方的な戦いを繰り広げている。だがその2人が援護に行かせてくれるほど、その相手に隙はない。
これこそサウザーの作戦。もちろん3ー1でも圧倒できると考えているのだろうが、あえて同条件で戦う。そして1人を潰してしまえば、3ー2と優位に立てるのだ。
サウザーは自信を持ってその地べたに転がった、ローズ・オクトパス・ライオン・消防車・キリンのフルボトルを拾い、クローズに近づく。
「才、やっぱり無理だ——————————」
「ほう。ようやく己の無力さに気付いたか...................」
「やっぱり無理だ.................感情を抑えて、冷静に戦えってさ。俺には———————この想いがある限り!俺のマグマは鎮められねぇ!!!!!」
「何..............?」
竜介はサウザーに突き出した物。才から使う際の条件を言い渡されていたその危険の引き金。その姿を彼に示すように突き出したのだ。
「俺は負けられねぇ...............生徒も!!この町も!!才に任せっきりじゃダメだ!!俺だって.............正義のヒーローだ!!!!!」
≪マックスハザードオン!!≫
才はハザードトリガーを製作するにあたって、1つだけ弊害を患っていることに気づいた。それはクローズ————————竜介の身体性能に普通のハザードトリガーでは逆に容量オーバーを迎えてしまい、破損につながりかねない。
だからハザードレベルのリミッターを大きく外す、『マックスハザード』だけのハザードトリガーを作らざるを得なかった。
だからこその竜介に行った忠告であったのだ。
≪ボトルバーン! クローズマグマ!≫
ハザードトリガーをビルドドライバーに装着してすぐに、マグマナックルにボトルを挿しビルドドライバーにセットする。そしてレバーを回転し始める。その動きに合わせて、坩堝—————————前のより数倍大きい坩堝がクローズの背後へ頭角を現し始める。坩堝が溢れ出る....................
≪Are you ready?≫
「—————————変身ッ!!!!!!」
≪《b》オーバーフロー!!《/b》≫
≪極熱筋肉! クローズマグマ!! アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!!!!≫
≪ヤベーイ!!!!!≫
先ほどと何ら変わらぬ姿。そう言わざるを得ない姿だ。ただ1つ。左右非対称の異形の引き金を除いては。
「ウォォォォォォ!!!負ける気がしねぇ!!!!」
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『才、そろそろ12時だぞ。』
「ああ、わかってる。照明と舞台設備は頼んだぞ。演出と動画配信は俺に任せとけ。」
『了解。』
虎太郎との電話を終えて、いよいよ待ちに待ったライブ本番がスタートする。
Aqoursのみんなはスタンバイしている。みんなが10つの個性を持っていながら、目指すのは1つ————————————輝きなのだ。
舞台出力室のマイクをオンにする。
『皆さん大変長らくお待たせいたしました。本日は浦の星学院スクールアイドル Aqoursのライブに来てくださった皆さんに感謝申し上げます。』
フーフーワーワーと感性が会場に伝い渡る。その声に俺は期待感を膨らませながら話を続ける。
『私、同じくAqoursのマネージャー兼演出家を担当している伊口才と申します。私はマネージャーとして今までのAqoursをメンバーの誰よりも見てきたつもりです。その中でAqoursは大きな挫折を味わいました。でも乗り越えてきた。そして新しい3年生の仲間に出会えて、今この場に立っています。私たちがこれを通して訴えたいのは、スクールアイドルの価値。スクールアイドルへの偏見を取り除くためです。この国は2つに分断されています。そしてその中でスクールアイドルを理解せずに、反対する人もいる。そんな状況を私はやめて欲しい。これを通して!!!!!』
『ではみなさん。聞いてください.................!』
Aqours☆HEROES
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「ウォォォォォォ!!!ドリャァァァァ!!!」
「ぐわァァァァァ!!!」
どこからともなく聞こえてくるリズム。《《それに合わせる》》ようにサウザーに打撃を連続で喰らわせていく。さっきまで追えるスピードではなかったサウザーを追えている。それだけでもクローズマグマの進化レベルが身をもって体感できる。
ただ、これはあくまでハザードトリガーによって上昇の抑えられていたハザードレベルのリミッターをほとんど解除してしまっているから————————というのが大まかな理由だ。
つまりはこれこそがクローズ—————————浦江竜介の真の力なのだ。
「調子に乗るな!!」
「フン!!」
クローズの極熱の拳がサウザーの胸板を抉る。サウザーの装甲はヌープ硬度10000—————————その機能が100兆%であるので、ヌープ硬度は最大で10京にも達する。もちろん常時100兆%ではないが、それでも初期値で10万という数値だ。ダイヤモンドで8000であることから、この装甲がいかに硬い事が分かるだろう。
その装甲をマグマで抉る。そのマグマはダイヤモンドすら容易に溶かしてしまうだろう。本来のマグマの温度は1000℃から1200℃だ。それではダイヤモンドの沸点には達しない。すなわちそれ以上————————————ダイヤモンドの沸点の5倍ほどはあるのかもしれない。そこまで行くと、地球の核規模の熱はあるかもしれない。
サウザーの装甲がどのような材質かはわかったもんじゃないが、熱による攻撃を与えているのは確実だ。
サウザーはクローズの拳を防いではいる。だがその熱と衝撃が強過ぎて、まともに受け止められないのだ。それもそのはず、その熱の温度はマグマのような高温なだけではなくエネルギーの塊そのものなのだから。そのためドンドンと音を立てて、拳は止まらない。
サウザーは痺れを切らして必殺技を放とうとする。
「消えろ!!!」
≪ジャックライズ!≫
ブリザードとハリケーンを纏ったクローズドラゴンをスタンバイする。未だサウザーは冷気がクローズには有効と考えているのだ。
≪スペシャルチューン!≫
≪ヒッパレー! ヒッパレー! ヒッパレー!≫
ドラゴンフルボトルをビートクローザーにセットしてその力を表に出す。背後に現れたのは、クローズマグマを象徴する極熱の竜。クローズは姿勢を低くして、準備する。居合斬りを決めるのは———————————
≪JACKING BREAK!≫
≪メガスラッシュ!!≫
二匹の竜がぶつかり合う。
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