ハッピークローバー
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第二十九話 夏休みにはその六
「それでね」
「派手なのにしたの」
「そうなの」
「ちょっと、かな恵がそんな水着を着たら」
どうかとだ、一華はかな恵に眉を顰めさせて言った。
「危ないわよ」
「危ないの?」
「そうよ、その胸だからね」
制服の上からでもわかるそれを見て言うのだった、夏服に衣替えになっているのでそれで尚更目立っている。
「ウエストもくびれているし安産型だしね」
「お尻も言うの」
「言うわよ、それこそね」
まさにという口調で言うのだった。
「凄い水着なんて着たらね」
「成海っちに刺激強い?」
「襲われても文句言えないわよ」
「成海っちそんなことしないよ」
「何言ってるの、あんたこの前明男君のこと言ったじゃない」
彼女の弟のことも話した。
「最近お部屋に入るとって」
「あの匂いがして」
「そうした漫画とかあるって」
「それでなのね」
「もう私達の年齢になったらね」
「男の子はよね」
「そういうことで頭一杯でしょ、うちのクラスの男子も見なさいよ」
一華は自分達が今いるクラスも見回して話した。
「皆彼女いるけれど」
「あっという間に出来たわね」
「先輩まで来られてね」
入学当初の話もした。
「それで皆ゲットされたけれど」
「どの子もね」
「女の子を見る目どう?」
つまりそれぞれの彼女をというのだ。
「結構ぎらぎらしてるでしょ」
「あっ、確かに」
そのクラスの男子達の目を見てだ、かな恵もわかった。
「もう状況が許すなら」
「今にもでしょ」
「そうしたことしたいってね」
「大なり小なり考えてるでしょ」
「それがわかるわ」
「それ成海っちもだから」
他ならぬ彼もというのだ。
「絶対にね」
「同じ年だしね」
「そうよ、だからね」
「凄い水着着て目の前に出たら」
「それであんたが油断したらね」
その場合はというのだ。
「もうよ」
「襲われるの」
「あんたがそれでいいって言うならいいけれど」
それでもというのだ。
「そうじゃないなら」
「気をつけることなの」
「そうしてね、私達はそうした趣味ないからいいけれどね」
「五人共レズないわね」
理虹もそれはと応えた。
「別にね」
「ええ、日本じゃそっちもいいけれどね」
「レズもホモもね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「法律的に問題なくて文化的によくても」
「それぞれの趣味だしね」
「だからね」
その為にというのだ。
「私達としては」
「そっちの気ないから」
一華は理虹にも話した。
「だからね」
「かな恵がどんな水着姿でも」
「それで裸でも」
「それでもね」
「襲わないけれど」
「結構ぐっとくるわね」
「それはあるわね」
一華も否定しなかった。
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