人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
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8話 盾となれMagma
前書き
「前回のラブライブサンシャイン!」
「花丸とルビィに自分に正直になるよう説得した才。それでも自分に正直になれない2人にムテキの力が進化し、それを証明した才でありました。」
「なんか最近雑い紹介してない.....?」
「千歌、しょうがない。これは才の用意した台本が悪いんだよ。」
「ほんと、才くん雑いよね〜」
「さぁどうなる第8話!」
「本当!?」
「はい!」
「よろしくお願いします!」
花丸……ルビィ。
彼女らは決断した。スクールアイドルをやることを。
ピースが……ハマっていく。
「やった!—————やったぁ〜!」
「よく決断してくれたな。俺も歓迎するよ。」
「やったー!!!!!これでラブライブ優勝だよ!レジェンドだよ!」
入ってくれたことに喜ぶ千歌と対照的に平成を保ちながらも、同じく俺は嬉しい。
花丸とルビィがやりたいことに正直になってくれたことに。
「才君が昨日話してくれたんです。————『挑戦すること』が全てだって。それを証明して教えてくれた。それで私もその一歩を踏み出そうって思って!」
「ルビィも、花丸ちゃんの話を聞いて!」
「え!?才くん花丸ちゃんに何したの!?」
「めちゃくちゃ悪いことしてるみたいな言い方するなよ。—————ただ花丸の前で変身して
偶然が起こっただけだよ。」
責任持てと言われそうではあるが……しかし、俺は責任などというネガティブなモノはないと断言できる。
俺は思う。彼女らは《元々スクールアイドルをやる運命にあった》と。
しかしそれを信じきれない曜と梨子は目のハイライト暗めで俺を睨む。
「「それにしてはメッセージ性が高いような........?」」
「そんな邪険にするなよ、ようりこ。ところでルビィは生徒会長のこと大丈夫なのか?」
「ああ、だからルビィちゃんとここに来たことは内密に.......」
花丸の発言は一歩遅かったようだ。
Aqoursの新しいチラシに堂々と『国木田花丸&黒澤ルビィ参加』と足し書きしている千歌がそこにはいた。
「千歌、人の話は聴こうな?」
「へ?」
「じゃあ、まず練習やってもらうのが1番ね。」
「よーし、早速練習しよーう!」
そんな時……乱暴に部室のドアが開けられる。
「ちょっと待った!—————この部の顧問 浦江竜介をお忘れでないだろうか!?」
「俺も(ボソッ)」
「よっ、サブキャラ。」
「サブキャラじゃねぇよ!何仮面ライダーをモブ扱いしてんだよ!」
銀行口座引き落としができないヤツがメインキャラであってたまるかよ。
ブイブイ言う先生を尻目に虎太郎は新入部員の2人を話題に出す。
「この娘たちが新入部員?」
「あっ!虎太郎くん!よろしくお願いします!」
「えっと———君はルビィちゃんだったよね?そっちの娘は花丸ちゃんだっけ?」
俺との小競り合いを不意に終わらせた先生の質問に、花丸は礼儀正しく答える。
「あ、はい。よろしくお願いします。」
「礼儀正しい生徒が入ってきてくれて俺は嬉しいぞ!———よろしくな!花丸、ルビィ!」
「先生もよろしくお願いします。」
「本題に戻るけど、何処で練習するんだ?———俺が見たところ何処も使われてるけど。」
虎太郎の鋭い指摘は結構的を得ている。
グラウンドも校庭も何処かの部が使用している。かと言って校外へ練習しに行くのもタイムロスだ。
その両方の条件を満たすには..........
「あの!屋上はどうですか!?μ'sは屋上で練習してたって!」
「屋上か—————なるほど、そこなら出来るかもしれないな。」
「じゃあ、行ってみよー!!!!!」
俺達は部室から飛び出て屋上へと向かった。だが俺たちと言っても俺は飛び出てはいない。
昨日製作したオレンジ色———いやマグマの如くナックルと漆黒のフルボトルを置きっぱなしにして。
————※————
「うわ〜!すっごーい!!」
「富士山くっきり見えてる〜!」
富士山……霊峰 不死山。その山は現地人にすらその姿を見せることは易々とない。生まれてからずっと住んでいる者たちでもこのような驚きに包まれるのだ。
「でもちょっと日差しは強いな..........」
「それがいいんだよ!太陽の光を一杯に浴びて、海の空気を胸いっぱいに吸い込んで......」
花丸は春の陽気を溜め込んだ屋上の地面を感じようと、寝そべる。
「この床気持ちいいずら〜」
「どれどれ————」
俺が触れたかと思うと、他の7人も床へと触れる。花丸なんか仰向けになっている。太陽《サンシャイン》の温もり。
千歌はそれが大事だと言ったが、まさしくこのことなんだろう。俺たちはこれを、輝きにならなきゃいけないんだ。
それが何かすらわからないが—————
「そろそろ始めよっか?」
千歌の呼びかけに俺、曜、梨子は頷きで返す。昨日、俺とようちかりこ、虎太郎で話しあって決めた掛け声。
虎太郎が言っていたの掛け声。『μ'sic START』はルビィも知っていることだろう。
俺たちは違う。彼女たちが伝説を創造《スタート》させたのなら、俺たちはそれを踏まえて、その思いを引き継ぎ大いなるものを呼び起こす………
そう—————
「じゃあ、いくよ—————才くん達も。」
「男子勢もか?」
「だってこの掛け声を創った人たちがしないのはおかしいでしょ?」
「わかった————」
重なった8人の希望、願い、気持ち。それを今こそ輝かせろ。
「Aqours! サーンシャイン〜!!!!!!」
〜〜〜〜〜
「約束は今日までって言ったでしょ!?」
「だって〜思いつかなかったんだもん。」
梨子の叱りに子供みたいな駄々をこねる千歌。そのやりとりを花丸は尋ねてくる。
「何かあったんですか?」
「ああ、今新しい曲を作ってて。」
「花丸ちゃんも何か思いついたら言ってね?」
「はぁ.......」
困惑する花丸。
一方。
俺の指示で虎太郎と竜介先生は部室にドデカい精密機械を部室へと運んでくる。
「おーい、こっちだ〜!運べ運べ〜」
「自分で注文したものを俺と虎太郎に運ばせるってどういうことだよ.......」
「まぁいいじゃないですか。体育教師なんてどうせ暇なんでしょ?」
「暇って言うな!」
「さて、問題は部室に収納できるか........」
あまりの仰々しさに梨子はそれが何なのか尋ねてくる。
「何なのそれは.......」
「梨子、いい質問じゃないか。この部室に置くスーパーコンピューターだ。」
「「「「「スーパーコンピューター!?」」」」」
「————って何?」
驚きのフラグブレイクを成し遂げた千歌。俺はツッコむのも面倒なので、バッサリ答えてしまう。
「お前のために途轍もなくバッサリ言ってしまえば、超高性能なコンピューターだ。」
「なるほど!————ってそれ何処で買ったの?」
「祖父ちゃんから貰った。」
「そっか、才君のお爺ちゃんは医療界のトップでありながら世界有数の投資家だもんね。」
爺ちゃん爺ちゃん言ってるが仮初なんですがそれは。まぁそんな話は置いといて、実際お金に困らないのはかなり助かる。医療に通じるということは戦闘での負傷も手当てできるということ。
かなり戦闘を重視した計らいだな。
「小原家以外でも内浦に金持ちっていたのね〜」
「小原家の金の使い方が異常なだけだろ。」
梨子の言う通り、金持ちでも見た目で判断しにくい者もいる。小原家は見事に当てはまらない家というわけだ。それに伊口ファウンデーションはあくまで慈善が主な目的。利益追求を主だってしてしまうのは社会的に不味い。
さて、こんな専門機械を持ち出したことを曜は疑問に思う。
「ところでそんなものを買って一体何を始めるつもりなの?」
「色々やることがあるからな。」
「気になるんだけど————」
「才、セッティング終わったぞ。」
「お、サンキュー虎太郎、先生も。」
「さて、早速ランキング登録を........」
ラブライブのランキング登録へのエンターキーを押す———そう、ラブライブへの
「4999位........」
「上に5000組もいるってこと!?すごい数.........」
驚く梨子。しかし…それを尻目に花丸が興味津々でPCをジロジロと見る。
「こ、これがパソコン?———もしかしてこれが知識の海へと繋がっているインターネット!?」
「そ、そうだが........」
「花丸ちゃんパソコン使ったことないの?」
「お家が古いお寺で電化製品とかほとんど置いてなくて.......」
今時インターネットを触ったことのない奴なんていたのか……もし電気が使えなくなっても生き残れるかもしれないこの娘は。
そんな花丸は許可を求める。
「触ってもいいですか!?」
「いいだろう。」
「……ん?ずらっ!(ボタン押す)」
画面が突然暗転し、コンピューターから熱が抜けていくのがよくわかった。
まさかこれは—————嘘だろ!?
「大丈夫か!?虎太郎!そっち側にエラーコード書かれてないか?」
「今調べてる————」
「やべ……これは——」
「あ、あの———もしかしてマルいけないことしました?」
「あはは......多分大丈夫?」
「ん〜!!!!!」
可愛い声で悲しがる花丸だけど、あまり許せるような行動ではないのだ。
これは相当な教育が必要だな..........
—————※—————
「結局壊れてたなんてな——————」
「こんな物を学校に持ち込む時点で間違ってる。」
「虎太郎君辛辣だね〜」
才の撤退した部室にて、辛辣な言葉を続ける虎太郎。この辺は天然ボケの姉たちを見てきて育った感性なのか……?
「曜、お前も人のこと言えたもんじゃないと思う。」
「才君も同じく辛辣だもんね〜特に千歌ちゃんへ。」
才がスパコンがブチ切りで不調を起こしたことで修理機器を持ってくる間に才への普段口にしない愚痴を零す連中。そこで先程起きっぱなしにしていた才の私物にルビィが目をつける。
「ところでこれなんでしょうか.......?」
「ルビィちゃん止めるずら!また難しい機械だったら———!」
「さっきのがトラウマになっちゃんだね、花丸ちゃん。」
見覚えのある曜が推測で答える。
「それは......ナックル?」
「拳につけるやつ?そんな物が何で........」
「あとボトルみたいなのもあります!」
「あ、フルボトルじゃねぇか。」
「フルボトル?—————竜介先生、それ何なんですか?」
使う張本人……竜介がその様子に介入して、千歌の質問に答える。
「才曰く、俺が変身で使ってるドライバー—————ビルドドライバーっていうらしいけど。それの変身に使うアイテムらしい。」
「じゃあ、これは新しいアイテムってこと!?」
驚く千歌に虎太郎は水を差すように背景事情を答える。
「それ、未完成なんじゃないか?」
「え?————虎太郎知ってたのか?」
「昨日才が自慢してましたよ。まぁその時先生は仕事でしたけど。」
「まぁ、とりあえず!未完成品を持っていても意味ないんですし、置いておきましょ。」
来襲者は……お構いがない。
『見つけたぞ!!!!!』
「「「「「「「!?!?!?!?!?」」」」」」」
明らかにこの学校の部外者。服装と姿からなんとなく伝わってくる。それに体育館の外側から現れたのだからその信憑性は高い。
一見すれば背広を着た一般男性なのだが。
ということは要件の内容は限られてくる………暴走した人間、怪人である。
「お前らを倒せとの《《社長命令》》だ。命令を遂行する。」
≪レイドライザー! バースト!≫
スロットが中央にあるベルトを腰に巻き付け、四角いプログライズキーをスロットにセットする。
「実装!」
≪レイドライズ!ダイナマイティングライオン!≫
≪A beautiful explosive force like fireworks.≫
一瞬にして纏われていく装備。人間がそうでない物に変化していく姿は非常に醜悪さをダイレクトに感じさせる。
実装したのと同時に左腕に装着されたマシンガンをこちらに向け、発射何秒前と言ったところであった。
「まずい——————変身!」
虎太郎が危険を察知するとの同時にアークルが出現。即座に左側のスイッチを押し、クウガの甲冑を身に纏う。————仮面ライダークウガ マイティフォーム
クウガの下した咄嗟の判断は正しかった。レイダーの照準はクウガへと向き、千歌たちからは逸れたからである。
クウガの蹴りをひょいと避け、反対に弾丸を喰らわすレイダー。負けじと機関砲を退け、ワンツーパンチを喰らわせる。
「やっぱりマイティフォームじゃ、分が悪いかな。だったら————」
クウガの瞳と装甲が青へと変化する。同時に装備としてロッドが現れる。——————仮面ライダークウガ ドラゴンフォーム
ロッドを伸ばし、レイダーの肩を突く。怯んだ隙をスピーディな動きでロッドを当てていく。
ロッドで首を押さえつけ、顔に蹴りを入れる。距離を取れたところに続け様に
レフトスイングを決めつける。
「よし、俺も—————」
フルボトルを勢いよく振って、シャキンと音が鳴るような蓋を閉める。
≪ウェイクアップ!クローズドラゴン!≫
≪Are you ready?≫
「変身!」
≪Wake up burning! Get CROSS-Z DRAGON! Yeah!≫
「行くぜー!!!!!!!!!」
押していたダイナマイティングライオンにフォームの決まった飛び蹴りを喰らわす。着地と同時にドラゴンフォームの突きが入る。
クローズは被弾のリスクなど考えもなしに突っ込むだけの単純戦法。それとは対照的な中距離からの正確な攻撃によって、レイダーの感覚はかなり狂っているようだ。
「そうだ!梨子!さっきのナックルを貸してくれ!」
「でもこれ試作品だって—————」
「ナックルくらいないよりマシだ!」
「わかったわ—————えい!」
梨子が投げたナックルをキャッチし、手に装着。入っていたフルボトルを抜き取り、ライオンフルボトルをセットする。
「ライオンなら同じライオンだ!」
≪ボルケニックナックル! アチャー!≫
強化されたパンチを相手にヒット—————と同時に咆哮波が発生し、爆発が起きる。レイダーは大きく後退りをする。
そしてもう一度—————と思っていた。
次の瞬間には2人の仮面ライダーは吹き飛んでいた。レイダーの放った図太いレーザー光線によって。
「やはり調整を施されていた甲斐があったな。前回の戦闘データを基にお前たちの動きは実証済みだ。ドラゴンフォームだけは厄介であったが.....」
「何だ.......今の?」
「かなりの威力だ...........一気に体力ごっそり持ってかれた。」
「でも負けるわけにはいかねぇ!」
「無駄だ。貴様のデータは既に攻略済みだ。」
再び照準をクローズに向け、発射。飛んできたグレネード弾はクローズの足で大爆発を起こす。
今のが有効打となってしまったのか、クローズは変身解除に陥る。
「————貴様らに用はない。任務はスクールアイドル部の殲滅だ。」
「させるか!」
ドラゴンフォームとの交戦をせずに、レイダーは部室へとグレネード弾を機関砲に乗せて連射する。クウガはロッドを回しながらそれを何とか防ぐ。
「お前らの目的は俺たちじゃないのか!?何でスクールアイドルを狙う!?」
「社長命令だからだ。ライダーはそれを守る対象に過ぎないから倒すだけだ。本来はそっちに目的がある。」
「———————千歌、お前らはもっと遠くへ行け!この爆弾の量は防ぎきれないかもしれない。」
千歌は竜介の要請に対し、少しばかり思考を巡らせる。だが結論は既に決まっていたように、こう答えた。
「——————嫌です。せっかく出来た部室を置いて逃げたくないです!」
「お前!............わかったよ。だけどもう少し奥に隠れてろ。」
「これ以上撃たれれば、ロッドの回転が保たない.........」
「まだまだ弾はあるぞ!!」
コトン
グレネード弾はロッドの回転を擦り抜け、部室へと到着した。
「まずい!竜介先生!」
「無駄だwもう間に合わないw」
「うおォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!」
青年の慟哭が部室、いや学校中に響き渡った。———————
—————※—————
「何なんだ........浦の星からすごい反応が.......」
腕時計から現れるとてつもないエネルギー反応が示される。おそらく怪人が現れて2人が交戦中なんだろう。もし途轍もなく強い敵だったら........急げ!
「お待ちなさい。」
「?—————ダイヤ..........今急いでるから後にしてくれないか?」
「いえ、こちらも急用ですわ。」
「なら、手短に頼む。」
ダイヤから呼び止められることには心当たりがある。多分十中八九そのことについてなんだろう。
「貴方達ですわよね?ルビィをスクールアイドル部に引き入れたのは?」
「誘いはしたさ。だけど、決断したのはあいつ自身だ。—————お前の好き嫌いでルビィの気持ちを無駄にさせることは俺が許さない。」
「—————分かってる.........私だってスクールアイドルは大好きですから。」
「じゃあ、尚更ルビィにそんなこと言う資格なんてどこにもないんじゃないか?」
「これは私たちがどうこうできる話じゃない—————我が黒澤家は代々網元の名家。あんなことなければ私だって.........」
ダイヤは何かを回想したかと思うと、一瞬で影を大きく落とす。やはり、ダイヤ然り、同じく影を落とす果南にも何かが起こったと考えるのが自然の流れだ。この2人の関係性は............?
「この内浦は閉鎖的だから故に権力が働きやすい。そうとだけ言っておきますわ............あなたの言う通り私にルビィの夢を壊す資格なんてない。」
「ああ————『だが、私にはその資格はある。』
「「!?!?!?!?!?」」
俺たちの前に現れた男。————黒の蝶ネクタイに黒のスーツ。まさしく何処ぞの紳士とでも言わんばかりの男だ。だが、紳士といえども見た目は日本人と推察できる。
「誰だ?」
「私は小原兆一郎————オハラエンタープライズ代表取締役社長です。」
「小原————てことは!」
「浦の星学院の生徒は娘がお世話になっています。」
「鞠莉さんの————お父様。」
「これは奇遇だ。内浦のトップの娘とも出会すとは。」
内浦のトップ?—————黒澤家はそこまで権力が強い家系なのか?ただ冷静に考えてみれば、沼津に『黒澤』を名乗る社会的高位に付く者もそう少なくもない。それを考えれば、トップと言うのも妥当なのだろうか。それにしても———
「オイ、社長さん。ルビィの夢を壊せるってどう言うことだ?」
「言葉通りの意味です。—————最もそんな下らない夢など私が壊して差し上げましょう。という意味ですが。」
夢を壊す……その傍若無人さ。
自由を奪う者、これは俺が最も嫌悪する人間だ。
「スクールアイドルがくだらないだと?————ふざけるな!お前は千歌たちがどんなに頑張ったかわからないくせに!!」
「貴方の祖父は世界最大の投資家。多くの上場企業に投資を行い、権力を集めて来た————ただ腕のいい内科医では医療界のトップには上り詰められないですから。だが、孫がこの様子では先が見えないな.......」
「何だと?」
「じきにわかることでしょう。スクールアイドル並びにラブライブがいかに価値がなく、愚かなことかをね.......」
「オイ待てよ!」
「先に進んだ方がいいんじゃないか!?」
「!?」
「浦の星に不審者がいるとの情報が入っているが.......!」
「————クッ!」
俺は社長の言葉に怒り心頭ながらも仕方なく足を前に進ませた。
—————※—————
「うおォォォォォォォ!!!!!」
竜介はグレネード弾を即座に掬って—————
ドン!!
—————鈍い音が周りにいる者全てに伝わる。
「グレネードを自分で抱えて死ぬとはな.........スクールアイドル如きで何と無様だwww」
「無様—————お前............笑ってんじゃねぇ!!!!!」
ドガァァァァァァン!!
マグマの如く高エネルギーがレイダーを襲った。
高エネルギーの出元は竜介の手にあるブランクフルボトル。————熱く、輝いている。
「夢を笑う奴は—————俺が許さねぇ!!!!!」
竜介の瞳が赤く輝く。——————それに共鳴するように、握られたボトルは溶岩色のボトルへと姿を変え、高温高エネルギーを発する。
「何—————!?」
「これは—————『先生!ナックルに!』
「才!?—————お、おう。」
≪ボトルバーン! クローズマグマ!≫
ナックルの持ち手を前に倒し、ビルドドライバーにセット。
レバーを回すと同時に背後から溶岩を含んだ巨大坩堝が現れる。
≪Are you ready?≫
「————変身!」
坩堝からマグマがドバァと竜介先生の体を覆い込む。足元から八岐大蛇の如く竜が乱れ狂う。
≪極熱筋肉!≫
≪クローズマグマ!≫
≪アーチャチャチャチャチャ チャチャチャチャアチャー!≫
冷めた溶岩を後ろの坩堝が押し破るように顕現するそれこそ————————
仮面ライダークローズマグマ。
「俺のマグマがほとぼしる!!!!!!」
部室から放たれた右手の振るいはマグマそのものを引き起こし、レイダーへと向かう。ドゴォンと音を立てながら炎をお届けする。
立て続けにパンチ、キック。ガトリングなんて被弾しながらでも進むことをやめない。そして飛び蹴り。もはや勢いの差も力の差も歴然。
「調子に乗るなぁ!!」
「こっちのセリフだ!!!!!」
レーザー光線を放つレイダーに対して、溶岩竜で対抗する。相殺しながらも、溶岩竜は勝利しレイダーへと襲撃する。
怯む相手をさらに追い込む。攻撃、攻撃、攻撃。夢を笑ったレイダーを許さない。夢を護るため。その一心で戦える。
溶岩を伴った攻撃は破壊力抜群。アグレッシブなクローズの戦闘スタイルに見事にマッチしている。
「俺はお前を許さねぇ!!!!!!!!!」
≪READY GO!≫
≪ダイナマイティングボライド!≫
最期の足掻きのように最大出力のビームを撃とうとするレイダーに対し、クローズは————-
≪ボルケニックアタック!≫
8体のマグマドラゴンがレイダーを襲った。—————————かと思うと、竜は全てクローズの右脚に集約され強力なライダーキックをお見舞いした。
「ぐわぁァァァァァ!」
「ふぅ..........」
マグマに包まれた装甲を解除する。レイダーの装甲も消えるように取れてゆく。
「クッ..........」
「こいつらの夢は笑わせない。俺は————こいつらの夢を守る!」
「おのれ..........」
捨て台詞を吐くスーツ姿の不審者………
そこに現れる——処刑人。
『また—————失敗か。』
「あ、貴方は!?」
現れた謎の仮面ライダー。—————仮面ライダーサガ。その威光を輝かせるシャンデリアは王たる威厳を確固たるものを知らしめる。この辺鄙な場所にわざわざ現れる理由は————-
「王の判決を言い渡す。——————死だ。」
「や、やめてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」
「フン!」
ジャコーダーの触手は虚しくもその男の生身を貫く。———————
「うっ—————」
ジャコーダーによって貫かれた—————普通に考えて生身の人間がライダーの武器に貫かれて無事で済むはずもない。内臓に穴が開くどころか、潰れるほどの威力と言っても過言ではないだろう。
「そんな——————」
「オイ!何で殺したんだ!!!!!」
「俺は王だ。—————命令を遂行できなかった者にペナルティは必要だ。」
「テメェ!!!!!!!!!!」
ライダーたちの激しい怒りがヴァンパイアを睨む.......
後書き
□クローズマグマ
パンチ力 561t
キック力 617t
ジャンプ力 73.2m(ひと跳び)
走力 0.13秒(100m)
上記の2つは本編と能力変化はないが、クローズに共通して言えるのは本編とは比較にはならないほどハザードレベルが上昇する点である。おそらく本編では常識外な8や下手をすれば2桁を超える可能性もある。
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