真似と開閉と世界旅行
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デートしてくれま・す・か〜
前書き
やっと一巻に戻ってきました・・・タイトルに深い意味はありません。ではどうぞ!
・・・・・・回想ついでに昔話もして、俺達は時間を潰した。
「色々あったな」
咲がそう呟く。リパルと詠も同感のようだ。
「サキー?コウハ君ー?ご飯出来たよー」
アスナの声が聞こえ、俺達は食事の席に着く。
「それじゃあ・・・頂きます」
「「頂きます!」」
「この兄弟は・・・頂きます」
とか言いつつも咲は咲でガツガツとラグー・ラビット入りのブラウンシチューを食べていた。そしてあっという間にシチューを食べつくし、後には空の鍋と皿だけ。・・・今日ほど味覚再生エンジンに感謝した日はないだろう。
「ああ・・・今まで頑張って生き残っててよかった・・・」
「アスナ・・・」
満足げなアスナに咲は苦笑する。キリトはキリトでうんうんと頷いている。俺達はアスナからお茶を貰う。
「不思議ね・・・なんだか、この世界で生まれて今までずっと暮らしてきたみたいな、そんな気がする」
「・・・俺も最近、あっちの世界のことをまるで思い出さない日がある。俺だけじゃないな・・・この頃は、クリアだ脱出だって血眼になる奴が少なくなった」
「・・・確かに、ね。みんな、この世界に馴染んできているんだと思う」
俺はそう言いながらも・・・色々と考えていた。
「でも、わたしは帰りたい」
アスナは微笑みながらそう言う。
「だって、あっちでやり残したこと、いっぱいあるから」
「ああ、必ず・・・帰らないとな」
するとキリトは何か言おうとアスナを見た時・・・
「あ・・・あ、やめて」
「な、なんだよ」
「今までそういうカオした男プレイヤーから、何度か結婚を申し込まれたわ」
「なっ・・・」
アスナの不意打ちにキリトは何も言えず、ただ口をぱくぱくさせる。そんなきりを見てアスナは笑う。
「その様子じゃ他に仲いい子とかいないんでしょ君」
「女性のフレンドなんてシリカとリズくらいだもんね、兄貴」
「悪かったな・・・いいんだよソロなんだから」
「兄弟揃って友達少ないのな。・・・一応MMORPGやってんだし、友達作ればいいのに」
そんな時・・・アスナがふと口にした。
「君達は・・・ギルドに入る気はないの?」
「え・・・」
「・・・っ」
キリトが言葉を詰まらせ、俺は思わずびくっ、と身体が跳ねた。
「アスナ」
「え・・・どうしたの、サキ?」
アスナを真剣な表情で見てから・・・サキは息を吐いた。
「コイツら引きこもり組じゃん?自分からじゃなくて、誰かに引き取ってもらわないと」
「サキ・・・」
あの出来事を知っているサキは・・・俺たちを庇ってくれたのだろう。
「そうそう。それに、パーティーメンバーってのは、助けよりも邪魔になることのほうが多いし、俺の場合」
キリトはそのまま話題を終わらせようとしたのだが・・・一言多かった。
「あら」
ヒュン、と目の前を何かが通り、キリトの目の前にアスナが突き出したナイフがあった。・・・ろくに反応出来なかったんだけど。
「・・・解ったよ。あんたは例外だ」
「そ」
アスナはそのままナイフを指で回しながら・・・キリトと咲にとってはとんでもない事を言い出した。
「なら、しばらくわたしとコンビ組みなさい。ボス攻略パーティーの編成責任者として、君がウワサほど強いヒトなのか確かめたいと思ってたとこだし。わたしの実力もちゃんと教えて差し上げたいし。あと今週のラッキーカラー黒だし」
「「な、なんだそりゃ!」」
キリトとサキがそう叫びながら・・・
「んな・・・こと言ったってお前、ギルドはどうするんだよ」
「うちは別にレベル上げノルマとかないし」
「じゃ、じゃああの護衛二人は」
「置いてくるし」
「さ、サキだって黒・・・」
「明日リズと用事があるんだって」
「あ・・・」
サキがそれを聞いて顔をしかめる。コイツとしては一日だけでも二人きりは避けたいのだろうか。
「最前線は危ないぞ」
キリトが口を滑らせ・・・まあ、再びナイフが煌めいて、キリトは了承せざるを得なかった。
「・・・素直にデートして下さいって言えばいいのに(ボソッ)」
「・・・っ!?」
ガツン、とアスナに脛を蹴られる。・・・今の勢い、現実でやられたら数分悶えていただろう。
「・・・」
ふと思った。・・・茅場晶彦はこんな世界を作りたかったのだろうか・・・分からない。そして翌日・・・
「・・・んで、何をやってんだ?咲」
咲に朝早くたたき起こされ、キリトとアスナの待ち合わせ場所(から離れた位置)に連れてこられて来た。
「つか、リズと用事あったんじゃないのか?」
「・・・まあ、事情を話したら了承を得られたよ」
「・・・ったく。こっちはシリカと約束があるんだけどな・・・」
シリカとは珠にメッセージを飛ばしあう・・・所謂メル友みたいな感じになっていた。
「メッセージなんて何時でも飛ばせんだろー?」
「・・・まあ、こっちも平謝りして許してもらったから、今日はフリーだけどさ」
『ほんと、アスナが関わると面倒ね・・・』
『まあ、仕方ないッスよ・・・』
二人も苦労しているようで・・・っと?
「あ・・・」
何故か転移門からアスナが飛んできて、転移門の前に立っていたキリトと激突。・・・そしてラッキースケベ。
「・・・(イラッ)」
隣にいる親友の苛立ちが高まるのが見ずとも分かった。・・・ん?
「あれってアスナの・・・」
「クラディール?何でアイツが・・・」
紅白の服を来た男がアスナを追い掛けて来たのか転移門から現れる。そしてやや乱暴気味にアスナの腕を掴み・・・
「・・・こりゃ、出てった方がいいかな。咲・・・あれ?」
背後にいた筈の咲がいない。
「(ひそひそ)なあ、あのプレイヤー物陰で何やってるんだ?」
「(ひそひそ)街中であんな重装備で・・・オレンジギルドの連中かしら?」
「え・・・ちょ」
何故・・・こうなった。
咲~
「聞き分けのないことを仰らないでください・・・さあ、本部に戻りますよ」
アスナの腕を無理矢理引いて連れていこうとするクラディールの腕を・・・キリトと同時に掴んだ。
「「あ」」
思わず行動が被ってしまい、キリトと俺は固まるが・・・すぐにキリトが口を開く。
「悪いな、お前さんのトコの副団長は、今日は俺の貸し切りなんだ」
「貴様ァ・・・!」
化けの皮剥がれるのはぇーなコイツ。
「取りあえずその汚い手をアスナから離せよ、クラディール」
「・・・!貴様・・・何時もアスナ様に付きまとっている漆黒の!」
「いいから離せっつってんだよ。・・・それと、前々からアスナの後付けてたんもお前か」
「・・・貴様こそ、アスナ様の身の回りを彷徨き・・・!」
「悪いけど俺がアスナといるのはアスナ本人とおたくの団長の合意なんでね。てか、アスナの周りをチョロチョロと・・・アンタはまるで餌に集るゴキブリか何かか?」
「なにぃ・・・?」
クラディールは離れるとメニューを操作し・・・俺にデュエルを挑んできた。
「・・・ったく、口で返せないから実力行使・・・ってガキかよ」
「黙れ!すぐにその減らず口を塞いでやる!」
「おい、サキ。ギルドのメンバーは・・・」
「平気だよ。団長には俺から伝えとく。・・・リパル、やれるな?」
『何時でも!』
「ふっ・・・いい返事だ」
俺はデュエルを受け、クラディールから離れた位置に立って方天画戟を構える。周りには騒ぎを嗅ぎ付けたギャラリーが大勢集まってきた。
「さて、と」
眼前には試合開始までのカウントダウン。クラディールはやたら装飾が綺麗な両手剣を構えている。デュエル形式は“初撃決着モード”・・・簡単に言えばクリティカルを当てたもん勝ちという事だ。
「・・・」
『咲さん、どうするッスか?』
「アイツの鼻っ柱へし折る。・・・いいよな?」
『咲さんに身を任せるッス』
「OK。・・・始まる」
カウントがゼロになると同時にクラディールは勢い良く突進系のスキルを使用してくる。
「(・・・単調)」
それをかわすが、スキルによって距離を開いたクラディールが再び同じスキルを使用してくる。・・・あの距離を詰めるなんて、便利だな。
「っと」
それもかわすが、軸足がぶれる。
「貰ったァ!!」
横目で見たクラディールの顔はやたら狂気に歪んでいた。
「(・・・おあいにく様)」
俺は地面についている方の片足に力を籠め・・・跳んだ。
「・・・っ!?」
勝ちを確信していたクラディールは、一撃が空を切った事に同様して・・・反応がおくれた。
「上だ、ばーか」
「っ!?」
空中で後ろに一回転。そのまま両手で逆手に持った方天画戟を振り下ろしながら落下する。
ガァァァン!!
クラディールの防御ごと吹き飛ばし・・・強攻撃の判定が入り、俺の勝利が決まる。
「《ムーン・クレーター》・・・まさか単純に引っ掛かるとはな」
簡単に言えば某RPGのジャンプと同効果だ。
「同じスキルを二回使って、俺を倒せると思ったか?・・・護衛ってのは弱くても務まるんだな」
「ぐ・・・き、貴様・・・この・・・」
おーおー、怒ってる怒ってる。俺はキリトをちらっと見て・・・
「じゃあ、チャンスをやるよ。そこにいるキリトに勝てたら・・・今の勝負もお前の勝ちでいいし・・・土下座でもなんでもやってやるよ」
「は!?俺!?」
「そ。負けたら・・・分かってるよな?」
「勝手に賭けといてなんだよそれ・・・」
・・・と言いながらキリトもやる気満々のようだ。
「おい!今度はあのキリトとやるみたいだぞ!」
「マジ!?さっきの漆黒も凄かったよな!」
「ああ!黒いのが連続だ!もっと凄いのが見られるかもしれないぜ!」
ギャラリーが倍近い人数集まる。最前線の層だ。観光客だって大量だし、攻略組もいる。大体は攻略組が有名人の戦いを見に来て、野次馬根性抜群の観光客が集まる・・・んで、その場で二連続で負けたら・・・しばらく立ち直れないだろう。
「(・・・でも、キリトで平気かな)」
キリトは俺よりレベルは高いが・・・対人戦なら数レベルの差は埋められる(モンスター相手でもそうだが)・・・と思ったが杞憂だったようで、キリトはクラディールの武器を“武器破壊”で壊し、クラディールを降参させた。それでさえ屈辱なのに、アスナに護衛解任を言い渡され・・・凄い表情を見せて本部に帰っていった。
「いや、予想外にナイスだな、キリト」
「・・・サキ?」
背後から声をかけられ、固まる。
「・・・どうしてここにいるのかしら?」
「・・・め、目元が笑ってませんが・・・」
久々だよ、笑ってるのに笑ってない表情。
「リズとの約束は?」
「事情を話して納得して貰いました・・・」
「何で着いてきたの?」
「その、心配でして・・・」
「何か言う事は?」
「・・・ごめんなさい」
アスナの迫力に圧され、逃げようとしたら・・・
「さぁ~きぃ~・・・!」
・・・亮が凄い表情で来た。
「先に行くなよ!不審人物扱いされたろ!?運悪く俺の事知らない観光客ばっかだったし!」
「あはは・・・いや、悪い悪い」
「あのな・・・!」
「コウハ君も・・・?」
亮の顔が強張る。
「わ、悪いアスナ。咲に無理矢理連れてこられたんだ!」
「あ、テメ!なに逃げて・・・!」
アスナは・・・ため息を吐いた。
「・・・えと、ごめん」
「・・・もう、いいよ」
結局俺達も着いていく事になったが・・・まあ、距離は置く事になりました・・・
亮~
なんだかんだで迷宮区。・・・それなりに苦戦するかな、と思ったが・・・
「やあっ!」
アスナの連撃で骸骨のモンスターのHPが減少する。しかも攻撃を全て回避するなど、二年前まで一般人だったことを考えると凄い能力だ。
「キリト君、スイッチ行くよ!!」
「お、おう!」
一言で言うなら“美しい”といった感じか。まるで思春を見てるようだった。キリトも若干見惚れながらもアスナと協力してモンスターを倒す。・・・解ってくれたと思うが・・・
「・・・暇だな」
「・・・ああ」
俺らの空気具合が酷い。着いてくる必要は絶対なかったと思う。アスナにとっちゃ俺達はお邪魔虫に近いだろうし。
「(・・・まあ、でも)」
お隣の御友人の心配性っぷりが素晴らしいので、付き合うことになったのだ。・・・やれやれ。・・・そんな感じで進んでいたら、大きな扉が目に入った。
「・・・これって、やっぱり・・・」
「多分そうだろうな・・・ボスの部屋だ」
「・・・どうする?覗いてみる?」
俺の言葉に咲が頷く。
「入ってすぐ逃げれば大丈夫だと思うから・・・俺達が先に行くぜ。いざって時は転移結晶使えばいいしな」
ボスモンスターはその自身が存在する部屋からは出ない。・・・取りあえず俺達は転移結晶を手に持ち、扉を開く。
「開けるよ・・・」
・・・先の空間は真っ暗。何も見えない・・・と思った時だった。いきなり炎が灯り・・・俺達の数倍は巨大な・・・デーモンのようなモンスターが姿を現した。名前は・・・えと・・・
「グリーム・・・アイズ・・・」
・・・ええと、輝く目、か。・・・次の瞬間、恐ろしい程のスピードでグリームアイズは走ってきた。
「「「うわああああ!」」」
「きゃあああ!」
その迫力に揃って悲鳴をあげ・・・一人だけ足が遅い咲を無視して走り続けた・・・・・・
「置いてくなーーーッ!!」
まあ、部屋からは出たから大丈夫だろう。・・・ガチで死ぬかと思ったよ・・・
後書き
亮
「一巻よ、私は帰ってきたぁぁぁ!」
咲
「・・・いきなりどしたよ」
亮
「ガンダムの格好いい敵の一人」
咲
「いや、知ってるよ」
亮
「俺、ワンオフ機より量産機の方が好きなんだけど、ガトーはワンオフ機でも違った良さがあるよね」
咲
「あー、お前ってガンダムよりもジムとかザクが好きなんだよな」
亮
「そ。グフとか格好良いよね」
咲
「・・・なんでいきなりガンダム対談?」
亮
「作者がガンダム好きだから」
咲
「00までしかみてないのにな」
亮
「しまいには一時期ガンダムの二次書こうとしてたし」
咲
「挫折したんだな・・・」
亮
「作者のお勧めは08小隊だそうだ。あとポケットの中の戦争」
咲
「一年戦争かい・・・」
亮
「友達にガンダム好きが少ないんだと。だから染めてるらしい」
咲
「・・・後少しで高三になる奴が何を・・・」
亮
「では、また次回もよろしくー」
咲
「いきなり終わったな・・・では!」
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