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フェアリーテイルに最強のハンターがきたようです

作者:ブラバ
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第2章 天狼島編
  第6話 vsハデス

 
前書き
ハデスが強化されてます笑 

 
アレンは、ハデスに「ちょっとタンマ」と言い、床に転がる仲間の元へと向かう。
これからの戦いに巻き込まぬよう、壁際に集めようと考えたのだ。
アレンはまず、エルザの元へと向かった。
「よう、エルザ、約束通り、ちゃーんと帰ってきたぞ?」
アレンはそう言いながら、エルザを片手でひょいっと抱きかかえる。
エルザは、そんなアレンの言葉に、歯を食いしばった。涙をこらえようとしたのだ。だが、いくらこらえようとも、エルザの目からは、滝のようにドパドパとあふれ出てきていた。
「…約束、通り、だと?…待たせ、過ぎだ、馬鹿者が…」
「ふっ、そうだな、わりぃ」
もう片方の手で、近くにいたカグラを抱える。
「おー、髪の毛伸びたなー、カグラ」
カグラも、エルザと同様に涙を流している。
「久しぶりに再会して…最初の言葉がそれか…本当に、あなたという人は…」
「まあ、積もる話はあとで、な」
二人を壁にもたれ掛けるようにして、床におろす。
エルザとカグラを下した壁の近くにいたウルティアは、脇の下に手を入れ、軽く引きずりながら壁に寄せる。
「ちょ、ちょっと、私だけなんか扱い雑じゃない!?」
「こっちのほうが早いだろ。そう文句いうな、ウルティア」
アレンはそう言って、壁にもたれ掛からせ、ウルティアの頭をくしゃっと撫でる。
ウルティアは、んっと吐息を漏らす。アレンの温かく優しい手が、頭の中に直接馴染むような感覚だった。
「…っ、馬鹿…」
そんな様子を見ていたエルザとカグラは、ムスッと少し不貞腐れていた。
そのまま、ナツとグレイを拾いに行く。
「アレンさん…俺は、信じてたぜ…」
「おう、ただいま、グレイ」
「…っ!アレーン!俺と勝負しろー!」
「「状況考えろ、馬鹿かおめーは」」
ナツの頓珍漢な発言に、アレンとグレイのダブル突っ込みが炸裂する。しかし、ナツにとってはこれが最大限の照れ隠しだったのだ。
「全部終わってからな、ナツ」
そんなアレンの言葉に、ナツは少し、涙を浮かべる。
「ああ…!」
次にジェラールとリオンの元へ。
「生きていてくれたんですね…」
「よくぞ、ご無事で…」
二人はもっと話したいことがあったが、感極まってそれ以外の言葉が出てこなかった。
「ははっ、俺がそう簡単に死ぬわけないだろ?」
アレンの言葉に、二人は小さく笑って俯むく。吹き出てきた涙を、見られないように。
ルーシィとウェンディの元へ向かい、抱きかかえる。
「二人は、フェアリーテイルの新しい仲間かな?」
「は、はい、ええっと、その…」
「ああ、えっと、その、私は…」
ウェンディとルーシィは抱きかかえられた恥ずかしさと、アレンの容姿に見惚れ、うまく言葉が出なかった。
「落ち着いたら、たくさんお話ししよう」
「「は、はい」」
二人は顔を真っ赤にして俯く。
そんな様子をみて、エルザ、カグラ、ウルティアのイライラパラメーターは上昇を見せた。
最後にラクサス、と思っていたアレンだが、ラクサスは、ふらふらと皆が集まる場所へ向かって歩いていた。
「なんだ、ラクサス、動けるのか?」
「ああ、俺は、途中からの参戦だったからな…痛みが引いて、多少はな」
アレンはふーんといい、ラクサスを見ていた。足取りはおぼつかず、どうみてもボロボロであった。
「なんだよ、恥ずかしがって、俺が抱っこしてやるぞ?ん?」
そんなアレンの言葉に、ラクサスは顔を赤く染め、
「う、うるせー!ふざけたこと言ってねーで、敵見とけ!」
ラクサスは、そんな顔を見られまいと、「くそっ」と言いながら、ドカッと座り込む。
そんな様子を見ていたエルザやナツたちがくすっと笑う。
「笑ってんじゃねー!ぶっ飛ばすぞ!」
とラクサスが後ろで照れ隠しの激高を見せている。
そんなラクサスを尻目に、アレンはハデスに注意を向き直した。
「なんだよ、随分と律儀に待っててくれたんだな。てっきり後ろから攻撃してくるもんだと思って警戒してたのに」
アレンはハデスとの距離感を意識しながら、口を開いた。
「ふん、うぬには興味があるからな。とはいえ、待たせすぎだがな」
アレンは、「わりぃ」と一言、言い放つ。
「うぬが、アレンというのは本当かね?」
ハデスは、突如現れた男に向け、言葉を発した。
「ああ、あんたは、ハデスだろ?」
アレンは答えながら、同じように質問をする。
「いかにも。だが、妙だな、うぬはアクノロギアとともに、エーテリオンで消滅したと聞いておったが…」
「あー、なるほど、そういうことになってるんだな。まあ、消滅していないから、ここにいるわけだがな」
ハデスは目を少し見開く。
「ふん、なるほど、ならば…」
ハデスは手のひらに魔力を込め、
「アクノロギアをも脅かす、うぬの力、見せてもらおうではないか!」
黒き魔力がドリルのように解き放たれる。
黒き魔法がアレンに襲い掛か…らず、空を切る。
そして、アレンは一瞬でハデスの間合いに入り込み、ラリアットを決め込む。
――ドゴォォォッッン!!!!
ハデスは後方へ大きく吹き飛ばされ、壁に衝撃。大きな土埃が巻き上がる。
「「「「「「「「「「「……………は?」」」」」」」」」」
エルザ、ナツ、グレイ、ルーシィ、ウェンディ、ウルティア、ジェラール、カグラ、リオン、ラクサスは、揃って大口を開けてポカーンとしていた。
「やべ、ちょっと強くやりすぎたか?」
まあいいや、と言いながら、「換装」と呟くと、身長と同じくらいの剣、太刀を取り出す。
ルーシィは、先ほどの、めちゃはや、めちゃつよラリアットに呆気を取られていたが、今アレンが使った魔法にも驚きを隠せなかった。
「ちょっと、換装ってまさか、アレンさんの魔法って…」
「ああ、私と同じ、ザ・ナイトだ。私と同じ、な」
エルザは強調するように繰り返して言った。
何よ、自慢げに…と、カグラとウルティアは目を細めていた。
「エルザと同じ魔法なんだ…なんか、運命感じちゃうね!」
ルーシィの言葉に、エルザは顔を真っ赤にして狼狽える。
「う、運命だと、そ、そんな…いや、まあ…確かに…うん…」
悪くない…と言いたげにエルザはぶつぶつと何か呟いていた。
「だが、同じなのは魔法だけだ。エルザのザ・ナイトと、アレンのザ・ナイトじゃ天と地ほどの差、格が違う」
ラクサスがボソッととんでもないことを口にした。ルーシィとウェンディは、エルザが怒る!と思い、そーっとエルザの顔を見る。だが、エルザの顔は清々しく、
「ああ、その通りだ。アレンの魔法は、強さは別格だ」
その発言に、ルーシィとウェンディはさらに驚く。あのエルザが、一切の迷いなく、それを認めたのだ。ギルダーツの時ともまた違う、更に上を見ているかのような、そんな雰囲気が感じられた。
そうこう話しているうちに、アレンとハデスに動きが見られた。
「わりいな、ハデス。準備運動にしては、ちと派手にやりすぎた」
アレンの言葉を聞いてかしらずか、ハデスは土埃の中からその姿を現す。
「なるほど、確かに、すばらしい力だな。だが…」
土埃を利用して、左右から先ほどの黒いドリルのような魔法で攻撃を仕掛ける。
「予想の範囲内だな」
ドガーン!とアレンを穿つように魔法が襲い掛かった。
「アレンさん!」
ウェンディが叫ぶ。だが、その心配は杞憂に終わる。
「そいつはよかった。もし今ので終わってたら、拍子抜けも良いところだからな」
ハデスの放った魔法は、アレンに当たる瞬間、太刀によって軌道をずらされ、アレンの後方へとその狙いを変えたのだ
「ほう、なるほど、この速さの魔法を斬るか…なるほどなるほど…どうやら…」
ハデスは左目についた眼帯に手を伸ばす。
「手を抜く必要はなさそうだな…」
眼帯を外す。
「悪魔の眼、開眼!」
その瞬間、魂を削られるような、禍々しいオーラが漂う。
「アクノロギアをも打ち砕く力をもつうぬには、特別に見せて進ぜよう…魔道の深淵を」
禍々しいオーラは、更に渦を巻き、船全体を、島全体を侵すように広がってゆく。
アレンはその様子を黙って見守っている。
「ここからはうぬの想像を遥かに超える領域となるだろう」
だが、エルザ達は気が気ではない。この禍々しいオーラ、普通の人間であれば、いや、たとえ魔導士であっても、命を削られる、闇の魔力であった。
エルザ達は皆、ガタガタと身体を震わせて、怯えている。
「ば、ばかな…」
グレイが呆然と言葉を放つ。
「こんなの…あり、えない…」
ウェンディが涙を浮かべて呟く。
「こんな、こんな魔力は…感じたことがない…」
エルザは自身の身体が震えていることに、驚きを隠せなかった。これまでも強い敵というのは多々遭遇してきた。だが、それとは比べ物にならない、根源的な恐怖。頭で制御しようと、身体が屈してしまっていたのだ。
それは他の者も変わらず、あのラクサスですら、震えるとまではいかずとも、身動き一つとれないでいる。
「う、うそでしょ、まだ、どんどん増殖していく…」
ルーシィが信じられないような表情で叫ぶ。
「魔道の深淵…」
カグラが呟く。
「こんなことが…」
リオンが息を漏らす。
「なんて魔力なんだ…」
ジェラールが続けざまに言う。
「あ、ああ…」
ウルティアが恐怖で怯える。
「か、身体が…勝手に震えやがる…」
ナツが苦しそうに口を開く。
「魔の道を進むとは、深き闇の底へと沈むこと…その先に見つけたるは深淵に輝く一なる魔法…」
ハデスは両手を広げ、構える。
「な、なんだ、あの構えは…」
ラクサスが震えるように呟く。
アレンを見る。あれだけのオーラ、魔力を浴びても、アレンは気にも留めぬ様子で立っている。まるで、ハデスの一手を待っているかのように。
(大丈夫なんだよな…信じて、いいんだよな、アレン…)
ラクサスは、祈るようにしてアレンを見つめる。
「ゼレフ書第四章一二節より裏魔法!天罰(ネメシス)!!」
ゼレフがそう叫ぶと、床に散らばった瓦礫から、禍々しいオーラが体現する。それは様々な、そう悪魔のような姿を形作り、怪物を生み出してゆく。
――ぐおおおおおおおおおおお!!!
「ば、ばかな…瓦礫から化け物を作ってるのか!」
ジェラールが叫ぶ。
「「ひっ…、うっ…」」
ルーシィとウェンディは戦意喪失したように、呻き声をあげることしかできない。
「はっ、はっ…一体、一体が、なんて絶望的な魔力を帯びているんだ…」
瓦礫から作られた化け物…悪魔は10体程度。黒い身体で形成され、大きな口を携えている。
エルザが、絞り出したように呟く。自らの手を見る。先ほどよりも震えが大きくなる。
(わ、わたしが、恐怖で、怯えている…身体が動かない…)
エルザは、ふと左右を向く。
カグラも、ウルティアも、恐怖で涙を浮かべている。普段ならありえないことだ。だが、私も、少しでも気を抜けば、恐怖で涙がでることが自分でもわかる。
ナツやグレイ、ジェラールにリオンも恐怖で目の焦点が合っていない。
ウェンディとルーシィに至っては、手で顔を覆い隠している。目にするのも恐ろしいといった様子であった。
「どうだ。アレンよ。これが裏魔法、深淵に輝く一なる魔法よ…うぬ如き小童に、立ち向かう勇気があるかな?」
アレンはハデスと、黒き化け物を見つめる。そして、はあ、と深いため息をつく。
「なるほど、その一なる魔法ってのが、とんでもねえ魔力の塊の化け物を作り出すってのは分かった。だが、あんた、忘れてるぜ…俺が、一体、何を相手にしてきたのか…」
アレンはそう呟き、目にもとまらぬ速さで仲間がいるところへと移動する。
「ア、 アレン…」
ラクサスは、アレンの背中を見つめる。その先には、まるで災害のような、地獄のような魔力が渦巻いている。
アレンはラクサスの呼び止めに答えなかった。そう、言葉では。
次の瞬間、アレンの周りに、膨大な魔力が吹き荒れる。その魔力は暖かなオレンジ色の魔力で、アレンの足元から吹き出していた。
そのオレンジ色の魔力は、フェアリーテイルの魔導士を包み込み、黒き禍々しいオーラから守るように吹き荒れる。
刹那、エルザ達を襲っていた恐怖や震えが一瞬にして消え去る。
「こ、これは…」
ラクサスがあたりを見回すように答える。
「アレンの…魔力…」
ナツが呟く。
「暖かい…震えが、恐怖が、瞬く間に…」
その様子を見ていたハデスが、感心したように口を開く。
「ほう?この魔力を打ち消すほどの魔力を…ふん、後ろの有象無象を守るために、ご苦労なことだな」
アレンはハデスの言葉に返すことなく、後ろを振り返る。
皆、目を見開いてアレンを見つめていた。アレンの魔力で恐怖や震えが止まり、まるで包み込むような温かい、安心感のある魔力に包まれている。
アレンは皆が平常心を取り戻したことを確認し、優しい声で語りかけた。
「安心しろ、俺の家族は、仲間は、絶対殺させやしないよ」
そして、ニコッと笑いかける。
先ほどまでの恐怖はどこへやら。女性陣だけでなく、ラクサスを除く男連中も頬を赤くして、アレンを見つめていた。
エルザとウルティア、カグラに至っては、顔を真っ赤に染め、鼻血を垂らしていた。
アレンはもう一度、ハデスに向き直る。
「魔法のそのものは邪悪さしかないが、なるほど、ハデス、お前のそれは、魔法の『覚醒』に近いな…」
アレンの言葉に、ハデスは眉間に皺を寄せる。
「覚醒だと?うぬは一体何を言っているのだ」
「そうか、お前はまだ見たことがないのか」
アレンは勿体ぶるような口調でハデスに語り掛ける。
「その、魔道の深淵、一なる魔法とやらを見せてもらった礼だ。俺も、一つ見せておいてやろう」
そういうと、アレンを、フェアリーテイルのメンバーを包み込む魔力が流れを生み出す。さらに魔力は増大し、ハデスの魔力を跳ね除ける。
その様子に驚いたハデスは、黒い悪魔を盾代わりに自らの前方へと動かす。
ハデスの魔力を押しのけ、船全体を、天狼島全体を、アレンの圧倒的なオレンジ色の魔力が支配する。
暫くして、その魔力の嵐が収束するのを確認し、悪魔をどけて、様子を伺う。
衝撃。
「な、なんだ、それは…」
ハデスの眼には、先ほどまでオレンジ色の魔力に包み込まれていたアレンとその周りに、何かが形作られているのが目に入る。
「ザ・ナイト、第二の力…スサノオだ」
骸骨の見た目をしたオレンジ色の化身。優に10mは超えている。
「それが…覚醒だとでもいうのか…」
ハデスは驚きを隠せない。何せ、自分の放っている魔力、そして、作り出した悪魔、それらの魔力の塊と同等か、それ以上の魔力の塊を、このオレンジ色の化身から感じ取ったからである。
「魔法は、稀に覚醒し、己以外にも影響を与え始める。いわば、魔法の広範囲化とでも言おうか」
ハデスは、黙りこくってアレンの話を聞いている。
「…これ以上は、お前に話す義理はないな…、さっき俺が言ったこと、覚えているか?」
「なんのことだ?」
アレンはもう一度今度は、ゆっくりと呟く。
「俺が、一体、何を相手に戦ってきたのか…」
ハデスは目を見開く。
「お前は知っていただろう。俺が何と戦っていたのか…」
「…アクノロギアか…」
ハデスは目を細め、口を開く。
「そうだ、そんな俺が、こんな瓦礫の化け物程度で、倒せると思ってんのか?」
瞬間、魔力とは違う、何か波動のようなものをハデスは感じ取る。
ハデスは、自らが武者震いをしていることに気付く。面白い。この、悪魔の眼を開眼した状態で、同等に戦えるものがいるとは。
そして、ハデスはもう一つの可能性に気付く。そう、ここでアレンを完膚なきまでに叩きのめせば、我はアクノロギアをも恐れぬ力を手にしていることの証明に他ならなかったからだ。ニヤッと笑う。そして、手を振りかざし、悪魔どもをアレンに向け、放つ。
アレンと、ハデスの戦いが、本当の意味での戦いが、今まさに幕を開けようとしていた。

エルザは、大きな勘違いをしていたことを自覚した。確かに、自分とアレンの力の差は理解していた。だが、これほどとは夢にも思わなかったからだ。魔法の覚醒だと?聞いたこともない。私とアレンの魔法は同じ。ならば、私もいつか、アレンと同じように…。
エルザはそう心の中で思いながら、周りを見渡す。皆、アレンの力に驚き、見入っている。私は今、アレンの魔法、スサノオというものの内側にいる。見た目は骸骨で不気味だが、中は、驚くほど安らかで、暖かい。まるで、アレンに包み込まれているかのような…。ぐっ、気を抜くと、また鼻血が…。と先ほどまでの恐怖は一体どこに?といった様子であった。
そんなふうに、一人悶々と考えていると、
「みんな…」
アレンが声を掛けてきた。
エルザだけでなく、皆が反応する。
「ハデスが倒れるまで…いや、俺がこれを解除するまで、絶対に化身から外に出るな」
続けてアレンが呟く。
「さっきよりさらにハデスの魔力が増した。今この化身…俺の魔力の中から出れば、最悪魂が壊れ、死ぬかもしれない…いいな」
そう言って、アレンの手に二つの剣、双剣が現れる。
ハデスの生み出した悪魔が、こちらへ向かってくる。
エルザは目を見開く。なぜ、なぜこの巨大な化身の中にいるのに、そんな短い剣を取り出すのか。不穏な予測がエルザの頭をよぎる。だが、それはエルザだけではなかった。
「ちょ、ちょっと、アレン⁉あんた、まさか…」
ウルティアが言い終える前に、アレンはスサノオの中から飛び出した。
「「「「「「「「「「なんでー!!!!!!」」」」」」」」」」
皆、そう10人は、当たり前のように、このスサノオとかいう化身の中で、これを操ってあの悪魔たちと戦うものだと思った。
アレンはその問いに、走りながら、振り向いて答える。
「ん?なんでって、あんな強そうな相手、直接戦わなきゃ楽しくないだろ」
その答えに、10人はまたしてもポカーンと大口を開ける。
そして、ナツがははっと笑って呟く。
「やっぱり、アレンはすげーや!」
だが、他の9人は全く別の感情を抱いていた。
「…アレン(さん)は…もしかしたら…アホなのかもしれない…」
もちろん、本当にそう思っているわけではない。ただ、アレンと交流があった時よりも大人になった自分たちだから、感じる部分があったのだ。アレンにも、どこか抜けているところがあるんだ…と。
 
 

 
後書き
・ザ・ナイト(スサノオ):言わずもがなあの作品のあの瞳術。オレンジ色。形態変化や効力は全く同じという設定。しかし、写輪眼を使用しての発動ではなく、あくまでザ・ナイトの派生版。アレンが放出した魔力量によって形態が変化し、アレンがスサノオの内部にいなくても保つことができる(燃費は悪い)。ただし、その場合は相手の攻撃やアレンの残存魔力量により、破壊や縮小するリスクがある。更にスサノオに魔力を補充するには再度内部に戻る必要がある。アレンがスサノオ内部にいる場合は、魔力消費量も少ない。この作品においては魔法の覚醒として使用。ハデスにやって見せたのは第二形態まで。
・魔法の覚醒:作者の完全創作…と言いたいところだが大嘘。参考はあの作品のあの実の覚醒。アレンは広範囲化と説明しているが、作者はどうゆう内容で話を広げていくか悩んでいる。魔法の強化という点は変わらない。 
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