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おっちょこちょいのかよちゃん

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221 ボリシェヴィキの使徒、トロツキー

 
前書き
《前回》
 杖を奪われる危機を乗り越え、スターリンやラ・ヴォワザン、そして赤軍の西川と丸岡を追い詰めるも取り逃がしてしまったかよ子は疲弊し、休息を取る。一方、雷の山で本部守備班の到着を待つ領土攻撃班を担うすみ子達は福岡の四人の小学生、羽井玲衣子、鶴井ひろみ、 星川辰夫、そして山元たかしの四人と合流する。だがその場には戦争主義の世界の人間・トロツキーもその場に現れたのだった!!
 

 
 すみ子達はトロツキーという男と相対する。
「さあ、サッサと消えるがよい!」
 トロツキーは指を鳴らした。
「させないわ・・・!!」
 すみ子は銃で迎撃した。
「ちっ、一撃必然の技が!」
 トロツキーは悔しがった。だが、それでもトロツキーはまた攻撃する。
「いともたやすく殺害できると思わない事です!」
 エレーヌが両腕をトロツキーに向けた。トロツキーは硬直し、その場で動けなくなった。
「この女・・・」
「ボリシェビキの人間でしたわね。ですが、暴力主義など古臭い考え方なのです!」
「だから何だ!?」
「我々が貴方の腐った考え方を変えさせて頂く・・・。皆の者、かかるのです!」
「はい!」
 福岡の小学生達も戦闘態勢に入る。星川は乾電池のような物を出してトロツキーに向けた。その電池から放電がされてトロツキーを電撃で襲う。
「ぐあああ!」
 羽井も持っているペンで大きい穴を描き、トロツキーを吸い込ませようとした。
「そ、そんな手を・・・」
 トロツキーは急に喋り出す。
「私は、貴様らの味方になり、貴様らも私に従う。私と共にボリシェビキで新たな世界を築こうではないか?」
「はあ、何言ってんだ、テメエ!?」
 山口は矢をトロツキーに向ける。しかし、その時、山元や玲衣子がその場に立った。
「ハイ、私達ハ貴方ト共に、コノ世界ヲ変エル事ニ協力サセテ頂キマス!」
「おい、羽井、山元、どげんしたんだよ!?」
 そしてすみ子もトロツキーに従うようになる。
「私モトロツキー様ニ忠誠ヲ誓イマス!」
「すみ子、何言ってんだ!?目を覚ませ!」
 山口がすみ子に叫ぶ。
「山口、どうやら皆はトロツキーの催眠にかかったようだ」
 ジャンヌが解説した。
「え、じゃあ、なんで俺や川村やヤス太郎は平気なんだ!?」
「それは貴方達は武装の能力(ちから)を持っているからだよ。君らの武装の能力(ちから)で皆の洗脳を解くんだ」
「おう!川村、ヤス太郎、やるぞ!」
「おう!」
「OKやんす!」
「俺達もやるぜ!」
 鶴井と星川も武装の能力(ちから)を所持している為かトロツキーの催眠の影響を受けていなかった。皆が武装の能力(ちから)を発動させる。
「あれ・・・?私は一体・・・?」
 すみ子は我に帰った。他の洗脳された小学生二名も我に返る。
「よし、今です!トロツキーに反撃を!」
 エレーヌが一声掛ける。
「よっしゃ!」
 川村がバズーカでトロツキーに砲撃する。ヤス太郎や山口、すみ子、そして福岡の四人組の小学生達もトロツキーを集中攻撃していく。

 かよ子は休息していた。スターリンとの戦いで大いに体力的にも精神的にも気力が大いに削がれてしまったからである。その時、通信が鳴った。
『こちら杖の元所有者の山田まき子です。藤木君の救出班の皆様、大丈夫ですか?』
「お、お母さん・・・!?」
 かよ子は母からの連絡に少し驚いた。
『かよ子、イマヌエルから聞いたけど、だいぶ疲れてるみたいね』
「うん、皆の迷惑になってるんじゃないかって心配だよ・・・」
『焦る気持ちも分かるけど、あまり無理しちゃだめよ』
「はい・・・」
 かよ子は母のいう事には従うしかないと思った。
「なかなか思いやりのある母上ではないか」
 大政がかよ子の母をそう評価した。
「う、うん・・・」
『そうだ、イマヌエルが休憩の為に皆に水を支給するって言ったわ。待ってて』
 するとかよ子達の元に瓶入りのミネラルウォーターが一人1瓶ずつ現れた。
「あ、ありがとう。お母さん・・・」
『ゆっくり休んで、動けるようになったらまた動くのよ』
 通信は終了した。
「この水、凄い美味いブー」
「ああ、天然水がこんなに美味とは改めて思い知らされる」
 藤木救出班は天然水による喉の潤いで疲労感を少し回復させるのだった。

 すみ子達組織「義元」と福岡の四人組の小学生達はトロツキーに攻撃を行う。
「喰らえ!」
 山口は矢を放射し、川村はバズーカを発砲し、ヤス太郎はパチンコ玉を飛ばす。すみ子は銃で周りを守る。玲衣子はペンから光で黒い三日月を出し。鶴井は扇子のような物で風を起こし、星川は先程も使用した乾電池のようなものから電撃を、そして山元は水鉄砲のような物を出して水を噴射すると共にその水は渦を起こすと共に広大化させた。総攻撃でトロツキーを襲う。
「うおおお!!」
 トロツキーは全てを避けきれなかった。鶴井の風の刃や川村のバズーカによる攻撃はまともに受けてしまったのだった。
「終わりか?」
「これで・・・、やられてたまるか!!」
 トロツキーは完全にやられなかった。
「しぶてえ奴だな!」
「私のボリシェヴィキの力をもう一度見せてやる!子供でも容赦はせぬぞ!」
 トロツキーは腕を強引に動かそうとする。しかし、エレーヌの能力の影響で動かす事ができない。
「この・・・!私は一人ではないのだ!」
「悪あがきを!これでも喰らえ!」
 ジャンヌは神を利用した。しかし、トロツキーはその神から己を防ぐ。
「復讐の時だ・・・。現れよ・・・。そして本当の理想を手にするのだ・・・」
 トロツキーが唱えると、その場に昨日すみ子達に追い詰められた挙げ句、撤退したアルバートにアリス、ヘレナの三人だった。
「て、てめえら、また来やがったか!」
「アルバートか。この山を取り返す時が来たぞ!」
「ほう。それは有り難い!」
 山口達は劣勢と感じていた。アルバートが剣を取り出す。風が巻き起こされる。
「あの風は非常に厄介です!私の静止の舞いも聞きませんでした!」
 エレーヌが警告する。
「なら私のペンで!」
 玲衣子がペンを出して円を描いた。円は黒い穴となり、アルバートの剣の風を黒い穴に集中させ、吸い込んでしまった。
「私も裁きを下しましょう」
 道真は一枚の札を出す。札から電気が溜め込まれ、放電された。
「どうかしらね!」
 アリスが、そしてヘレナが迎撃する。
「ここは雷の山であると解っているのかね?」
 道真は余裕の表情だった。
「俺も行くぜ!」
 星川も乾電池のような道具を使用する。強力な雷撃がアリスとヘレナを襲った。二人は迎撃しきれなかった。
「キャアア!」
「よし、我々でトロツキーを葬るぞ!」
「おう!」
 山口は矢を放ち、川村はバズーカを発砲、ヤス太郎はパチンコを飛ばす。三人でトロツキーを集中攻撃した。
(上手く行って・・・!!)
 すみ子も怠けず、必死で破られる覚悟で銃で防御に徹した。トロツキーはアルバート、アリス、ヘレナと共にやられていく。 
 

 
後書き
次回は・・・
「休息中の襲撃」
 すみ子達領土攻撃班と本部守備班の福岡の小学生達、そしてジャンヌやエレーヌ、道真達はトロツキーを撃破する事ができるのか。そして休息するかよ子達の元にまた次の敵が現れる。その敵はまた手強くて・・・!? 
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