超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第十八話 女は集団でクラスや職場で孤立してる男の悪口を言っていじめるのはやめろ!自分の主義主張があるのなら一人で正々堂々、そいつに悪口を言え!自分の言いたいことも一人で言えねぇ臆病者のウジ虫女どもは全員、俺と結婚して世界一幸せな家庭を築け!
石川タカユキの運転する車が見知らぬ家の車庫に入っていった。
車を降りて家の中に入ると五十代の石川タカユキの年齢より二十歳近く若い交際相手、中国人女性のキンカイとその息子、カズキがいた。
カズキは石川タカユキの子ではなく、どうやらキンカイの連れ子らしい。
ちなみに石川タカユキは長い間、キンカイに子供がいることは知らなかったらしい。
それもそのはずだ、二十代の若い女が石川タカユキのような五十代のおっさんに近づくのになにかそれなりの思惑があるに決まっている。
おそらくはキンカイが石川タカユキに近づいたのは全て、自分の子どもであるカズキの将来のために違いない。
女手一つで子供を育てるのが大変なのは俺も知っている。
しかし、俺の母親が女手一つで俺を育てなくてはならなくなったのは石川タカユキが浮気性のせいで離婚したのが原因だ。
その石川タカユキが今や、若い交際相手の女性の連れ子の面倒を見ている。
そして俺がなぜツカバ市の家に住むことになったのかについてカズキに聞かれた石川タカユキはその理由について俺と俺の母親が病気だからと答えた。
死んでしまえ。
一体誰のせいで俺の母親は一人で俺を育てなくてはいけなくなったのか。
死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ。
俺が小さいころは全く母の料理の手伝いもしなかった石川タカユキはキンカイと共に豚しゃぶの準備をしていた。
みんなで昼食の豚しゃぶを食べていると石川タカユキが俺にいつも家で働かずになにをしているのかと聞いてきたので、俺は素直に家で読書をしているといった。
石川タカユキは俺が家で働かずに読書をしているという発言に対して、きっぱりと現実逃避だと言ってきやがった。
では石川タカユキが好きな酒とタバコは現実逃避の内に入らないのか?
ちなみに心療内科で俺がもらっていた薬は酒とタバコをやめることができない石川タカユキに取り上げられてしまった。
「体に悪いからその薬は飲まない方がいい」
石川タカユキが偉そうに俺にそう言った。俺にしてみれば酒とタバコのほうがよっぽど体に悪いと思うが。
その日から地獄が始まった。心療内科でもらっていた薬を飲まなくなった俺は一日中、乗り物酔いのような不快感と頭痛と強い吐き気に襲われる。
気付けば俺は目からたくさんの涙を流していた。
石川タカユキが二千万円払って立てた家の二階の空き部屋に用意された布団の上で俺は
一日中、死にたくなるような不快感とホームシックにひたすら泣き続けた。
泣いている時はなぜか母親の顔が脳裏に浮かび母親に対してなぜか理由のわからない申し訳なさを感じていた。
俺が苦しんでいる最中、キンカイは鹿のウンコみたいな固形物をお湯と一緒に飲めと俺に勧めてきた。俺はもうとにかくこの苦しみから解放されたい一心で鹿のウンコみたいな薬をお湯と一緒に飲み込んだ。味ははっきり言ってまずかった。でも鹿のウンコはきっとその薬の何億倍もまずいと俺は思った。
「バディグディンバベブディグディブボブンバ」
俺の隣の部屋にあるカズキの部屋からは母親のキンカイと石川タカユキに放置されたカズキが一人でおもちゃ遊びをしている声が聞こえた。
すると石川タカユキはクライマックスに向けて白熱している一人遊びをしていたカズキに対してうるさいと怒鳴った。
それから、カズキは自室の床に脱ぎ終わった靴下を放置していたことについて、なぜか石川タカユキに家から出て行けと大きな声で怒鳴られていた。
カズキの母親であるキンカイはそれを見て見ぬふりをして夕食の準備をしていた。
俺が石川タカユキに心療内科でもらった薬を取り上げられ、苦しみはじめてから二週間が経った。
二週間も経てばさすがに乗り物酔いのような不快感や頭痛や吐き気はなくなっていた。心療内科でもらっていた薬を飲んでいたころと比べて世界がかなり美しく感じた。
それにしてもおかしな話だ。
母親に勧められた心療内科でもらった薬を酒とタバコをやめることができない父親に取り上げられ、死にたくなるような苦しみを味わったものの、薬の効果が完全に体から抜けたことで以前より世界を美しく感じることができるようになった。
本当におかしな話だ。
もう、みんな本当に死んでしまえばいいと思った。
体調が回復した俺は外で働かずにつくば市内にある複合スポーツ施設の中にある運動場で早朝から昼までひたすらに走り続けていた。
そして運動場にあるベンチにはいつも白い半袖Tシャツに青いジーパンを身にまとった髪の長い少女が座ってた。
その少女はとくになにをするでもなく、ただベンチに座っていた。
何度か話かけようと思ったのだけれど、俺はこわくて見て見ぬふりをするのが精一杯だった。
石川タカユキの家に帰ると夏休み中のカズキがキンカイが俺のことを親殺しと言っていたことをわざわざ報告してきた。
どうやらキンカイの価値観では無職やニートはみんな親殺し予備軍だそうだ。
親より先にカズキとキンカイを殺してやろうと思ったが、そんなことをしてもあまり得
しないのでやめておいた。
俺にしてみれば、子どもなんか作る人間たちはみんな人殺しと同じだ。
なぜなら子供は、親が子供が欲しいという理由から、ただセッ●スがしたかったから、強姦まで、結局は男と女の自分勝手なおとぎ話を盛り上げるためだけにこの世界に産み落とされ、多く不幸に悩まされ、いずれ死の恐怖に苦しみながら死んでいく。
子供をつくる人間たちは自分たちが原因で生まれた子供たちがやがて死んでしまうのを知っていて、それでも自分たちの欲求を満たすために子供を作り出産する。
もっとわかりやす言えば、子供を作る行為というのは死体を作るのと同じということだ。自分達が死ぬとわかっている男女が自らの幸福のために自分たち同様にいずれ死ぬとわかっている命を創造する。
自分が死ぬと知っていて生まれてくる命がこの世界に存在するわけがない。
つまり、人殺しは俺ではなくカズキをこの世に誕生させたキンカイのほうである。
つまり人殺しに人殺しと言われる筋合いはないし、石川タカユキみたいなエロジジイ頼らなければカズキにご飯も食べさせられず、学校にも通わせることができないような貧乏女が子供を作るほうがよっぽど人殺しに近いと俺は思う。
その日、つくば市にある石川タカユキの家にキンカイの友達が娘を連れてやってきた。
キンカイの友達と言っても日本人ではなく中国人である。
キンカイの友達が連れてきた娘は世界最高民族の日本人農家の夫の間に生まれた日本人と中国人のハーフらしい。
自分の家の中を大声を出して走り回るキンカイの友達の娘を見て五十代の石川タカユキはキンカイにこれから子供を作るから、その時は女の子が欲しいと言っていた。
五十代のくせに二十代の女との間に子供を欲しがる俺の父親石川タカユキは正直、気持ち悪いと思った。
死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ死んでしまえ。
「親のことをそんなに悪く言ってはいけませんよ」
背後から聞こえてきた声に後ろを振り向くとそこには複合スポーツ施設の運動場のベンチにいつも座っているあの不気味な美少女の姿があった。
「君は…複合スポーツ施設の…どうして石川タカユキの家にいるんだ…?」
「私の名前はメシア…」
後ろ向いてメシアと話している俺に対して周囲の人間たちはまるで何事もないかのように食事や談笑を続けている。
「そうだ…俺はこのつくばの家では異物みたいなものなんだ…石川タカユキやキンカイやカズキの三人にしてみれは、俺は母さんが三人の生活を壊すために送り込んだ邪魔者みたいなものなんだ…」
「そんなことを言ってはいけませんよ。石川マサヒロが邪魔者なら、なぜキンカイは石
川マサヒロに食事を作り、衣服の洗濯をしてくれるのですか?」
「そんなの全部カズキのために決まってるだろ!キンカイは一度、息子のカズキの存在を偽って石川タカユキを裏切ってる!だからキンカイが俺に食事を作ったり優しくするのは、そうすることで石川タカユキに忠誠心をアピールしているに違いないんだ!全部…カズキの将来のために決まっている!石川タカユキはカズキの将来を人質にして若いキンカイを自分の思い通りにしている!大人は汚いぜ!」
「あなただって大人でしょう?」
「うるさい!」
俺はコーラの入ったコップをメシアに向かって投げた。しかし気付いた時にはコーラの入っていたコップは俺の目の前のテーブルの上に置かれていた。
「そんな…俺は確かにコップをメシアに向かって投げたはずなのに…」
すると今度はテーブルをまたいだ俺の前の席にメシアが座っていた。
「では実際に私にコップを投げたらいったいどうなっていたと思いますか?」
「俺は間違いなく精神異常者として、この家から追い出されて精神病院送りだろうな…」
「石川マサヒロの実の父親である石川タカユキが本当にそんなことをすると思いますか?」
「ああ!するさ!あいつは…離婚する前に、実際に俺の母親に暴力をふるっていた!あいつは、石川タカユキは人間じゃない!それに…メシア!お前はいったい何者なんだ?」
「私はこの世界を美しく感じている、または愛しているものにしか見えない精霊みたいなものでしょうか…」
「精霊?」
「ええ…石川マサヒロは心療内科からもらっていた薬を服用することをやめて地獄を味わった。でも、その地獄を乗り越えて以前より世界を美しく感じれるようになった。だから私は石川マサヒロの前に現れた」
「言っていることの意味がわかるような…わからないような…」
「つまり、地獄のような日々を乗り越えた人は地獄を味わっていない人よりも世界を美しく感じることができる。私は地獄を乗り越え、この世界を美し感じ取れる人にしか見えない精霊みたいなものなのです…」
「とにかく…頭で考えても無駄みたいだね…でもとりあえず、石川タカユキに薬を取り上げられてなかったら俺は君と会えてなかったということだ。それで君の目的は?」
「目的?それはつまり私の願いということですか?」
「ああ…ふざけているのか?」
「別にふざけていませんよ、私はただ、せっかく世界を美しく感じ取れる才能を持っている石川マサヒロがまるで自分から世界を憎んでいるように見えたので助言をしに来ただけです」
「俺は世界を憎んでいるんじゃない!俺に許可なく俺を作った自分勝手な母親と父親石川タカユキと汚い大人たちを憎んでいるだけだ!」
「人があり世界があります。つまり人なしに世界はありません。人を憎むということは世界を憎んでいることと同じことなのですよ」
「だから…俺に石川タカユキを!母さんを!汚い大人たちを!この矛盾に満ち溢れた世
界を愛せと君は言うのか」
「現に石川マサヒロは心療内科の薬の苦しみから解き放たれたとき、この世界を美しく感じれたはずです。私が石川マサヒロの目の前にいるのが何よりの証拠。そして無理に世界を愛さなくてもよいのです…まずはこの世界を受け入れることから始めてみては?」
「お前に…お前にいったい俺の何がわかるんだ!」
「まずは外部と関わりもつことです。労働を通して誰かの幸福のために生きるのです。あなたの労働の上に誰かの幸福が創造されます、そしてその幸福はあなたの生まれてきた意味になると同時にあなたが死んだ後も目に見えないあなたの存在を証明する足跡になる」
つまり、メシアが言っていることの意味を分かりやすく説明すると俺が外で働くことが他人の幸せに繋がり、それが俺の生まれてきた意味になる。
そして仮に俺がいつ死んでも、俺の労働の上に発生した他人の幸せとやらが俺がこの世界に存在していた目に見えない足跡になるということだ。
「確かにメシアの言っていることは素晴らしいよ。本気で心の底からそう思えるやつは幸せ者だ。でも、俺には無理だよ…他人の幸せのためだけに俺は死ねない」
「別に永遠に労働を続けろとは言いません。自分のペースで自分らしく生きればよいのです」
「でも自分のペースで生きていくのは今のこの世界ではメシアが思っているより難しいんだよ…自分らしく生きてる人間はみんなから嫌われる…だってそうだろ?自分らしく生きるってことは自分勝手に生きることと同じ意味なんだ。この世界に自分勝手な人間の居場所はない…。メシアの言っている方法じゃ労働を通して自分の生きた証を残せても、長生きはできない」
「別に長生きする必要はありません。人生の目的は長生きすることではなく。どんなに短い時間でも自分の生まれてきた意味を理解することであったり、一度でも労働を通して他者の幸福に貢献することができればよいのです。労働を通して自分の存在価値を理解するのはあくまで自分の生まれてきた意味を見つける数ある方法の一つでしかありません」
「じゃあ、俺は働かずに自分の生まれてきた意味を見つけることにするよ。働いたところで、人類はいずれ至高天とアンノウンとの戦争で滅亡する。俺の労働のおかげで幸福になった人々もみんな戦争で死んでしまう」
「では石川マサヒロは働かずにどういった方法で自分の生まれてきた意味を見つけるおつもりですか?」
「俺が断罪王になる。断罪王になって人類を滅ぼす」
「しかし、それは本来アンノウンの生きる意味であり、あなたの生きる意味ではありません」
「うるせぇ!俺の生きる意味は俺が決めるんだ!至高天だろうとアンノウンだろうと俺の邪魔をするならぶっ殺す!俺は断罪王になってこの地球から人類を一人残らず滅ぼすんだ!そして俺を断罪王にしたのはお前だ…メシア…」
「私はあなたの知っているメシアではありません」
「ではお前は何者だ?お前の生きる意味はなんだ?」
「私の目的はあなたにもう一つの未来を経験させ、あなたを断罪王になる未来から遠ざけることです」
「なるほど…ではここでの…石川タカユキ達との暮らしはつまり、俺が断罪王にならなかった場合の一つの可能性の世界ということか…」
「そうです、しかし、どうやら無駄だったようですね…」
「いや、無駄じゃない…ちょうどムラムラしてたところなんだ…」
俺は俺の知らないメシアを押し倒した。
「なにをするおつもりですか?」
「どうせ、俺をもとの世界に戻すつもりはないんだろう?ならこのパラレルワールドを思いっきり楽しんでやるさ!」
*
俺の拳が俺の知らないメシアの顔面に直撃した瞬間、現実世界で意識を取り戻した俺の目の前にいたバラキエルが粉々になっていた。そして粉々になったバラキエルの中から白いグレート断罪王が現れた。
「なるほど…もう一つのメシアがいれば…もう一つの断罪王がいてもおかしくないということか…これで俺と同い年のハルカが俺やマルヤマやヨシキの過去に干渉できたのにも納得がいく」
次回予告
第十九話 黒のグレート断罪王 対 白のグレート断罪王!正社員が非正規雇用の労働者をバカにしてんじゃねぇよ!正規雇用だろうと非正規雇用だろうと俺たちは同じ色の血が流れる人間だろ!俺たち人間がするべきことは自分より生活能力のない人間を見下し傷つけることではなく、互いに手を取り合い相互理解を深め共に社会を発展させることだ!非正規労働者をいじめる正社員は全員痴漢の濡れ衣を着せられろ!
後書き
次回もお楽しみに!
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