ソードアート・オンライン ~人形使いの集い~ アインクラッド
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殺人ゲーム
文句を言っても「hehehe」と反省もへったくれも無い様子
本当にありがとうございました
とりあえず彼らとPTを組み、オープンベータの時は過疎で稼ぎ効率の良かった狩場へと向かう
ところが、その狩場は人だらけの芋洗い状態
モンスターはPOPしても、わずか数秒の命という可哀想な状態だった
流石は正式サービスだけの事はある
オンライン10000ユーザーってのは半端じゃない
これには中華さんも驚いているようだ
と、思ったら説教が始まった
中国人が一生懸命働いているのに日本人は遊んでいる
なぜ我々の邪魔をするのか
かつて日本人は平和に暮らしていた中国人の生活の邪魔をした
今も仕事しようとしている我々の邪魔をする
なぜ日本人は中国人に意地悪ばかりするのか、と・・・
いやいやいや、それ全然違うでしょ
とりあえずなだめて場所を移動しようと提案したが、おかまいなしに
他のプレイヤーが狩っているモンスターに横殴りし始めた
あー、まずいなと思っていると突然リンゴーン、リンゴーンという鐘のような
あるいは警報音のような大ボリュームのサウンドが鳴り響き
キャラクターの周囲を鮮やかなブルーの光の柱が包むと同時に画面がブラックアウトした
あ、やべー
GMにばれて説教部屋行きかな?
開始早々にBANかよ、そう思っていると再び画面が描画される
広大な石畳、周囲を囲む街路樹と瀟洒な中世風の街並み
そして正面遠くに黒光りする巨大な宮殿
そして無数のキャラクターがひしめき合っていた
どうやらゲームのスタート地点、つまり「開始的街路(始まりの街)」に移動したらしい
中華さんの誰かがキー操作をミスってパーティーテレポート的なスキルを使ったのかな
それとも、もしかして俺がやっちゃった?
つか、このゲームにそんなスキルあったっけ?
「Ctrl+F1」でBOTのログを開くが特に変な操作ログは無い
どうやら犯人は俺じゃないようだ
とりあえずPTチャットで中華さんを呼んで合流する
中華さんは犯人探しなんか興味はなさそうだったので、再び狩場へ移動しようとすると
突然、空の一角に穴があいて、そこから真紅のフード付きローブをまとった巨大なキャラクターが現れた
なんじゃこりゃ、と思っていると
その巨大なキャラが演説を始める
『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』
あー、これはアレだ、チュートリアルの動画だな
こんなもん見なくても操作はわかるのでスキップしてやろうと「Esc」キーを連打する
しかし反応が無い、どうやらスキップできないようだ
仕方ないので飯を食ってくると中華さんに伝え、放置したままサイゼリヤへ行く
1時間ほどして戻ってくると既に中華さんは狩場へ移動していた
PTチャトで話しかけても返事が無いのでフルオートっぽい
俺も狩場へ移動してフルオート放置し、この日は寝た
翌日、目を覚まして画面をみるとLV10になっていた
インベントリには1Mコルほど溜まっている
均等分配の5キャラPTだから全員分を合算すると5Mコルというところだろうか
中華さんは話しかけても相変わらず返事が無いので中身はいないようだ
TVをつけるとSAOの件がニュースになっていた
そこで俺は茅場晶彦なる人物が仕組んだ殺人ゲームの事を知った
中華さんがナーヴギアで直接SAOに接続している事は無いとは思うが・・・
パソコンの前へ戻り中華さんにチャットを飛ばす
しかし返事がない、やはり中身はいないようだ
QQメッセンジャーを送ると即座に返事が来た
「Shen ma ?(どうしたの?)」
中華さんにTVでみたニュースの内容を説明すると怒り出した
それじゃあ、何コル稼いでも売れないって事じゃないか
人殺しがしたいなら中国人に迷惑をかけず、日本人同士で勝手にやってくれ
なぜ日本人は我々の邪魔をするのか
かつて日本人は平和に暮らしていた中国人の生活の邪魔をした
今も仕事をしている我々の邪魔をする
なぜ日本人は中国人に意地悪ばかりするのか、と・・・
この中華さんは憤慨するといつも同じ怒り方をする
パソコンの画面を見ると中華さんのキャラクターが一斉にログアウトしていった
正規クライアントとは違い、BOTツールの「剣芸歩行者(SA-Walker)」には専用のコンソールがあるので
そちらを使えば自由にログアウトできるのだ
1人になった俺は「開始的街路(はじまりの街)」へ移動する
殺人ゲーム云々はナーヴギアを使っていない俺には関係ないので一般プレイヤーとして遊んでみよう
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