八条学園騒動記
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第六百六十四話 連合軍への考えその二
「わしもじゃ」
「用意したんですね」
「左様、ではな」
「今からですね」
「乗り込むぞ」
「それはわかったんですが」
野上君はロボットのことをここまで聞いてから述べた。
「ですが」
「どうしたのじゃ?」
「そのロボット何処にあるんですか?」
問うたのはこのことだった。
「見えないんですが」
「宇宙じゃ」
「えっ、宇宙ですか」
「そうじゃ、もうそこに行かせた」
博士はあっさりとした口調で答えた。
「既にな」
「ここから宇宙にどうして行くんでしょうか」
「瞬間移動じゃ」
「博士の超能力ですか」
「それを使ってな」
そのうえでというのだ。
「行くのじゃ」
「そうするんですか」
「そうじゃ」
「わかりました、じゃあ行きましょう」
「それではな」
「何か超能力と言われても何とも思わなくなりました」
野上君はあっさりとした口調で述べた。
「博士の助手になってから」
「わしにとっては普通だからのう」
「この研究所がコクピットになって宇宙に行っても」
「そしてロボットと合体してもじゃな」
「そうした時もありましたし」
「あの時は円盤型の巨大要塞であったのう」
「はい、アルドノア=ジェネシスでしたね」
野上君はその要塞の名前を思い出して博士に答えた。
「あの要塞も大きかったですね」
「直径九十キロのな」
「それでマウリアに行ったんですよね」
「そうして暴れた」
そうだったというのだ。
「思う存分な」
「その時僕行かなかったですけどね」
「そうであったな」
「ちょっと風邪ひいていて」
そうした状態に陥っていてというのだ、尚博士は人間ではないどころか普通の生物ではないので怪我も病気も無縁である。
「それでここで休んでましたね」
「そうだったのう」
「タロとライゾウと一緒に留守番して」
「わしだけが行ったな」
「そうして大暴れでしたね」
「楽しかったぞ」
博士はその時のことを笑顔で話した。
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