イベリス
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第五十九話 疑惑を自分でその一
第五十九話 疑惑を自分で
速水に送ってもらった次の日登校してクラスに入るとだった、クラスの男子達は咲を見るとすぐに彼女のところに来てだった。
夜に電車に並んで立っている彼女と速水の画像を観せて言った。
「これ誰?」
「小山さんの彼氏さん?」
「まさかと思うけれど」
「昨日俺が一緒に観てね」
男子の一人が怪訝な顔で言ってきた。
「まさかと思って撮ったけれど」
「ちょっと、勝手に撮らないでしょ」
咲はその男子生徒に怒って抗議した。
「それプライバシーとか肖像権の侵害よ」
「けれど気になってさ」
「私がその人と一緒にいてなのね」
「お話してたしさ」
「その人バイト先の店長さんだから」
咲は速水そして母が言っていた少し嫌なことそして経験すべきことはこれかと思いつつその男子生徒に返した。
「だからね」
「交際してないの」
「してないわよ」
全くと言うのだった。
「全くね」
「そうなんだ」
「私なんか勿体ない位の人よ」
速水をこう言うのだった。
「それにね」
「それに?」
「店長さんどうも誰か好きな人おられるのよ」
「そうなんだ」
「そうよ、それに人の道はちゃんとしてる人だから」
速水のことをこうも話した。
「高校生と交際なんかしないわよ」
「そんな人なんだ」
「そうよ、私なんかがこんな奇麗な人と交際出来る筈ないでしょ」
咲はまたこう言った。
「そうでしょ」
「いや、小山さんもいけてるよ」
「そうだよな」
「小山さん顔もスタイルもいいよな」
「お肌奇麗だし髪の毛さらさらだし」
「かなりいけてるよ」
「そう言ってくれると嬉しいけれど」
咲は勢いのまま自分への評価はスルーしてさらに言った。
「私なんかが付き合える筈ないでしょ」
「うん、シロだな」
「そうだな」
「ここまで言うなんてな」
「小山さんこの人と付き合ってないな」
「絶対に」
男子生徒達も頷いた、そしてだった。
画像を撮った男子生徒も咲に頭を下げて言った。
「御免、これはと思ってね」
「違うからね」
「誤解だったね、画像は消すから」
「そうしてね、あと誰の画像でもよ」
咲は男子生徒が自分と速水の画像を消すのを見てから話した。
「勝手に撮ったら駄目だから」
「プライバシーとか肖像権の問題だね」
「そうよ、下手したら訴えられるわよ」
「そうなるの」
「最悪犯罪者の画像勝手に撮ってね」
咲はある漫画の話から彼に話した。
「そこから犯罪者に何かされるわよ」
「殺されるとか」
「そうよ、ドラえもんでもあったわ」
その漫画のタイトルも話した。
「それでのび太君殺されかけたから」
「そんなお話あったんだ」
「あったわよ、そうもなりかねないからね」
だからだというのだ。
「本人の了承を得てね」
「撮るべきだね」
「マナー違反で犯罪で」
「下手したら訴えられるし」
「最悪そうなるから」
殺される危険性もあるというのだ。
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