| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十話 詰所はお家その十六

「神戸ですから」
「確かに六甲はそうだけれどね」 
 後ろのあの山地はそうです、スキーが出来る位です。
「けれど街はそうでもないわよ」
「そうなんですか」
「そりゃ街も横に長いけれど」
 縦の幅は本当にないです、それが神戸の特徴です。
「けれど山地かっていうと」
「違いますよね」
「山の方は人は少ないわ」
 神戸から見て山の裏側の方にも人は住んでおられます、ですがやっぱり山のところは住みにくくてです。
「どうしてもね」
「やっぱりそうですよね」
「それはね」
「こっちは山の方でもお家結構あるんですよ」
「平地少ないの?」
「かなり」
 凄い返事だと思いました、新一君は正面を向いて自転車を運転しながら後ろにいる私に答えてくれました。
「そうなんです」
「それで坂道にも慣れたのね」
「自転車乗ってたら絶対に遭うんですよ」
 その坂道にというのです。
「そんな場所ですから」
「だからなの」
「はい、坂道には慣れています」
「そうした場所なのね」
「それが奈良の田舎です」
「おぢばも坂道多いしね」
「というか奈良県って奈良市とか郡山市とか橿原市じゃないと山ばかりですよね」
 リアルな地名が出てきました。
「そうですよね」
「みたいね」 
 私もある程度は知っています、伊達におぢばのある奈良県に三年間住んでいる訳ではないです、それなりに知ってきました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧