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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第一幕その七

「命をおもちゃとしか思っていない」
「そんな人達だとね」
「助けても絶対に恩義に感じないね」
「確実にね」
 オシツオサレツは二つの頭で断言しました。
「自分達の都合で他の人切り捨てるよ」
「恩を受けた人達でもね」
「しかも恥知らずだったし」
 このことはチーチーが指摘しました。
「自分達が捨てたのに返せとかね」
「動画で人気が出たからとかね」
 トートーの声は曇っています。
「それで元々自分達のものだったって」
「最初から家族と思ってなかったのよ」 
 ガブガブはずばり指摘しました。
「おもちゃとしかね」
「犬どころか生きもの飼う資格なしね」
 ポリネシアの言葉も厳しいものです。
「そして親になる資格もないわ」
「まさに人間失格」
 ダブダブも何時になく厳しい口調です。
「あの人達こそ餓鬼だよ」
「そう、あの人達は餓鬼だよ」
 先生も言います。
「仏教で言うね」
「そうだよね」
「あの人達こそ餓鬼だね」
「あまりにも浅ましく卑しい」
「それで人でなくなっている」
「そんな人達だったね」
「ああなったらね」
 まさにというのです。
「どうにもならないよ」
「もう後は死んで」
「それで本物の餓鬼に生まれ変わって」
「ずっと苦しむのね」
「一万五千年の間」
「そうなるよ、僕もね」
 先生にしてもというのです。
「あの人達に同情はしないし助けようともね」
「思わないよね」
「あまりにも酷いから」
「浅ましくて卑しくて」
「どうにもならないから」
「世の中ああした人達もいるけれど」
 このことも事実だけれどというのです。
「出来るだけ見ることも会うこともお話することもね」
「したくないよね」
「どうしても」
「不愉快になるだけだし」
「それだったらね」
「そうだよ、ああした人達は何をしても救われなくて」 
 そうしてというのです。
「本物の餓鬼になってね」
「一万五千年苦しんで」
「そしてその浅ましさ卑しさを償って」
「それから生まれ変わるんだね」
「そうなるのね」
「そうだよ、ただ知っている人が餓鬼になったらと思うと」
 それならというのです。
「その人が嫌いならね」
「その餓鬼も助けようとしないね」
「そう思うよね」
「その場合は」
「そうよね」
「そう、本当にね」
 まさにというのです。
「布施餓鬼というものもあるけれど」
「布施餓鬼なんかするか」
「嫌いな人を助けようとするか」
「そう思ってね」
「それでだね」
「そうだよ、嫌いな人が餓鬼に生まれ変わっていたら」
 それならというのです。 
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