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レーヴァティン

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第二百五十三話 蝦夷が収まりその二

「ならこれでだ」
「喜んでいられないとよ」
「そういうことだ、民達は泰平の世になり喜んでいる者も多いが」
 それでもというのだ。
「俺達はな」
「むしろこれからたい」
「そうだ、魔神を倒してもだ」
「この浮島は誰が治めていくとよ」
「せめて俺達がこの世界でだ」
「役目を終えるまではとよ」
「残ることになるならな」
 それならというのだ。
「その限りだ」
「働くたいな」
「そうしなければならないからな」
 だからだというのだ。
「俺達はだ」
「これで終わりじゃなかとよ」
「むしろだ」
「これからたい」
「だからだ」
 それでというのだ。
「統一して終わりとはな」
「思わんことたい」
「そうだ、いいな」
「わかってるとよ」
「そういうことでな、それとだが」
 英雄は鍋を食べつつこうも言った。
「石狩鍋だが」
「鍋がどげんしたとよ」
「この鍋も色々な食材が入っていてな」
「美味かと言うたいな」
「そうだ、最近よく食うが」
 蝦夷に入ってからそうしている、英雄達は寒い蝦夷で身体を暖め栄養を摂る為に石狩鍋もよく食する様になっているのだ。
「いいな」
「そうたいな」
「精もつく」 
 食べつつこうも言った。
「いいものだ」
「それはよかたいが」
 香織は英雄に話した。
「あんた今夜もたいな」
「当然だ、俺にとってはな」
「女の人はたいな」
「毎夜だ」
 英雄は酒を飲みながら応えた。
「楽しむものだ」
「そうたいな」
「お前達も伴侶がいるな」
「それで夜はたいが」
「俺も同じだ、ただな」
「あんたは何人もいるたいな」
「何人も持てるならだ」
 側室も認められるならというのだ。
「俺は持てるだけ持つ」
「そうして楽しむたいな」
「それだけだ、一人ならそれでいいが」
 しかしというのだ。
「何人もならな」
「許される限りだな」 
 幸正は鍋の中の鮭を自分の椀に入れながら応えた。 
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