八条学園騒動記
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第六百六十二話 気付けば二本その十一
「原発ってことは放射能ですね」
「地震で時の政府が馬鹿をやってじゃ」
そうしてというのだ。
「それでじゃ」
「ああ、事故になって」
「爆発事故が起こってな」
「放射能が漏れたんですか」
「そうした話になってな」
それでというのだ。
「そこに行ってな」
「被爆したんですか」
「鼻血が出たとな」
「そうした話になったんですね」
「そこから色々描いてな」
そうしてというのだ。
「それが事実かどうかでな」
「批判されたんですか」
「被爆して鼻血が出る様ならじゃ」
博士も指摘した。
「もうじゃ」
「はい、大変なことですよ」
「今野上君が言ったのう」
「はい」
野上君も否定しなかった、むしろ肯定した。そのうえで博士に対して強い声でこう言ったのであった。
「僕も理系ですから」
「博士号も持っておるのう」
「これでも」
「それでわかるのう」
「ええ、そこまで被爆していたら」
鼻血が出るまでだ。
「とんでもないですよ」
「かなりの重症じゃな」
「命の危険もです」
これすらもというのだ。
「あります」
「原作者がまずな」
「鼻血出てですか」
「主人公に描いたのじゃ」
「すぐに病院行かないと」
野上君は言い切った。
「大変なことになります」
「そうなるのう」
「それちょっと知識あったら」
放射能についてのそれがというのだ。
「言えますよ」
「それがじゃ」
「その原作者病院行かずですか」
「そんなことを描いてな」
「それ地元の人にとって迷惑ですね」
「変な何処かの町長も出てな」
作品の中にというのだ。
「それでそこに行くなとな」
「言ったんですか」
「漫画の中でな」
「風評被害待ったなしですね」
野上君はここまで聞いて断言した。
「それはまた」
「実際に出たそうじゃ」
「ああ、やっぱり」
「それでじゃ」
その為にというのだ。
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