レーヴァティン
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第二百五十二話 統一を経てその十八
「誰もついてこずな」
「裏社会でも同じですね」
「上も気付いてだ」
そうなってというのだ。
「簡単にだ」
「それこそ自分こそが」
「使い捨てにされる」
「そうなりますね」
「悪党でも小者だ」
それに過ぎないというのだ。
「自分はどう思っているか知らないが」
「そうした輩こそ大物と思いますね」
「そうだがな」
「その実ですね」
「小者だ」
人を使い捨てにする様な輩はというのだ。
「だからな」
「誰もついてこないで」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「やがては自分自身がな」
「周りに誰もいなくなりますね」
「いても利用しようという奴だけだ」
「それで利用出来なくなったなら」
「自分がそうしてきた様にな」
「切り捨てられますね」
「そして誰も助けない」
切り捨てられたその時はというのだ。
「人を見捨てる奴はな」
「自業自得ということですね」
「そうだ、俺も助けないしな」
その様な輩はというのだ。
「若し多くの者がそいつ一人の命で助けるなら」
「犠牲にしますね」
「犠牲ではない、駒だ」
「犠牲というと大きいですが」
「そんな奴は犠牲にすることなぞない」
「駒ですね」
「そいつがそうしてきた消耗品の駒にな」
それにというのだ。
「してな」
「捨てますね」
「そんな奴一人で多くの者が助かるなら」
それならというのだ。
「有り難い、だがそんな奴に俺は感謝もしないしだ」
「死んでもですね」
「そうだ、悲しむこともしないし墓ももうけない」
「そういった価値もないですね」
「世の中屑と呼ぶにも値しない屑がいる」
英雄は断言した。
「それがそうした奴でだ」
「そうした輩はですね」
「感謝も悲しみも向ける価値がなく」
「供養もですね」
「する価値がない、死ねば餓鬼に生まれ変わる奴だ」
その様な輩はというのだ。
「放っておけ、そして餓鬼の供養や布施もな」
「貴方はしないですね」
「心底下衆になった奴に何をするものか」
絶対、そうした口調での言葉だった。
「何もする価値がない、餓鬼の間常に苦しめ」
「癒されることなく」
「そうしておけ」
こう言うのだった。
「勝手にな」
「シビアな考えですね」
「屑に思うことはないだけれだ」
素っ気ない言葉だった。
「それだけだ」
「だからこの世界の悪人にも容赦しないですね」
「そういうことだ、この蝦夷でもな」
こう言って英雄は蝦夷の罪人の沙汰に入った、そこでも彼は外道や屑と言われる輩には容赦ない処罰を与えた、そこにかける情は一切なく統治をしていった。
第二百五十二話 完
2022・4・1
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