| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編

作者:blueocean
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第8話 ミッドに訪れて………

新暦73年6月………

「………で、どうやと思うん?」
「………まあ確かに怪しいな」
「………怪しいですね」

「………何で零治君を呼んだのに星ちゃんも一緒なんや?」
「いえ、私としても今日はレイと一緒にいる予定だったので付いていく事にしました」

ミッドチルダのとあるカフェ。
少し前に遊びに来ないかとはやてから事前に連絡を取り合って、本日休みが被ったのでミッドに来たのだが………

「それとも私がいると何か不都合でもあるのですか?」

してやったりって顔でそんな事を言う星に対してはやてはとても悔しそうだ。
………って俺、もしかして何かされそうになってた!?

「………まあええわ。別に星ちゃんが嫌いって訳でもあらへんし、久しぶりに会えて私も嬉しいし」
「私もですはやて。学校だと1人だけ違うクラスで寂しいんですよ………」

最近の星は少しおかしく、キャロにさえ少し引かれぎみで、この前家に遊びに来たリンスに関しては怖くなって直ぐに帰ろうとしたほどである。
実は今日も『星も連れていってくれ!!家の事は私達でやる!!』と夜美に懇願されたほどである。

こうやって直ぐに仲良くするのも流石は女の子って言った感じだなぁ………

「今はその事より別の事や」
「なのはの件ですね」
「そうやそうや!!いきなり料理を教えてなんて好きな人が出来へんと言わへんやろ?」
「そうですね、今までが今までなので絶対に好きな人が出来たという理由が一番しっくりします!!」
「そうやろ~!!」

何で女の子は人の恋でここまで盛り上がれるのかが謎だ。
俺の場合はそっとしておこうと思うのに………

「でも少し問題があるんや………」
「「問題?」」

「どうやら子持ちらしいねん」

それを聞いた俺と星は思わず互いの顔を見合わせた。

「………ま、まあそれは人の好みの話だし良いんじゃないか?」
「そ、そうですね、私もそう思います」
「せやけど、どうやら年齢は25位でまだ若いねん。だから子供は21位で作ったんじゃないかとフェイトちゃんが」

………まあ早い気がするがそんな人もいるだろう。
出来ちゃった結婚もざらにある世の中だし。

「21………」
「あれ?星さん、何よそよそしく見つめているのでしょうか………?」

もしかして早く子供欲しいアピール!?

「………星ちゃん、零治君がどエロい目で星ちゃんを見てるで」
「いいんです。でないと相変わらずのお姉さん好きなレイを捕まえておけませんから」
「零治君、奥手やからなぁ………アピールせんとあっちこっち行きそうやもん………」
「キスもなかなかしてくれません………」
「チビッ子が家に居てそうポンポン出来るか!!」

もう言いたい放題の星とはやてに突っ込まずにはいられなかった。

「えっ!?じゃあ早速はやてと別れたら………」
「星、ちょっとおかしいぞ最近………キャラが違う………」
「そんな事無いですよ………はやて、この辺りで夜景が綺麗な所ってあります?」
「すまんなぁ、私1人身でそういう所知らんのよ………」

と申し訳なさそうに言っている様で、口元が引きつっている。
俺でも気がついたので星ももちろん気がついているはずなのだが、特に気にすること無くコーヒーをすすってる。

「………話を戻すな。結局はやてはなのはの事をどうしたい?」
「私のなのはちゃんを取り返す!!」
「お前のじゃねえし………」
「要するに気になるから首突っ込みたいって事ですね」
「だって付き合い悪いんやもん………」

それが本音か。

「はぁ………本当に下らない事で呼び出しやがったな。………俺としてはでかいって聞いた一軒家に行ってみたいと思ってたんだが………それにみんなにも会ってないし………」
「それは建前で?」
「シャマルさんに会いたい!!」

ダン!!

大きな音と共にフォークが綺麗に机に突き刺さっていた。

「レイ………?」
「すいませんでした!!!」

あまりの威圧感にその場で土下座を決め込む俺。

「あかん………零治君浮気でもしたら確実に息の根を止められるわ………」








あの後、店を出た俺達。星の機嫌を取る為何度も何度も謝り、最後に軽くキスしてやってやっと大人しくなった星。
しかし歩いていると俺の腕を抱きしめ、一向に離れようとしない。

周りから見られて恥ずかしいし、はやては何故か不機嫌気味だし、歩きづらいし………

「うふふ………」

しかし星の嬉しそうな顔を見てどうしても断ることが出来なかった………










「ここやここ。ヴィータの話だとこの辺りで遊んでいるらしいで」

さて、そんな中はやてに連れられやって来た公園。
滑り台、ブランコ、砂場、シーソーと地球によく見かける普通の公園だ。

「誰もいませんね」
「ちゃんとヴィータに確認したのか?」
「当たり前やん。都合よく会えるのなんて漫画やドラマの話や。来るまで待ち伏せするで!!」
「小さい子を待ち伏せって犯罪者にしか思えねえよ………」
「何言っとるん、探偵ともなれば誰であろうと全力で取り組むんや!!」
「探偵?誰がですか?」
「私やわ・た・し!!」
「「無理無理」」

思わず星と声が重なってしまう俺。思ったことは同じだったようだ。

「ふっふっふ………あまり最強美少女はやてちゃんをなめたらアカンで。私はこれでも捜査官と言って、様々な事件の調査をやっているんや」
「だから未解決な事件が多いんですね」
「流石の最強アイドル美少女はやてちゃんでも全てを解き明かすのは無理や」
「探偵要素全くないし………」

こんなんでいいのか管理局。

「あれ?今日はおっきな人達がいる!!昼間からサボり~?最近話題のニートって奴だね!!」
「こ、こらヴィヴィオちゃん!!失礼な事言っちゃ駄目!!大きな声で言って良いことと悪いことがあるんだから………ってあれ?」

そんな下らない話をしていると、小さい女の子の声と聞き慣れた声が聞こえたら。

「あれ?はやてちゃん。それに………零治君と星ちゃん!?」

慌てた様子で俺達に近づいてくるなのは。

「久し振りだね!!星ちゃんも零治君も元気だった!!」
「そういうなのはも成長したな………主に………ギャアアアアアアア!!」

目線がなのはの胸に言ったとたん、背中に鋭い痛みが………
後ろを見ると星が尻を、はやてが背中を思いっきりつねっていた。

「私も負けてません」
「あんな胸は将来絶対垂れるんや………何で男はそれが分からへんのかな………男なんて全てロリコンになればいいんや」
「何だその偏った理論は………」
「ロリコンも駄目です、そうなったらキャロや優理が餌食に………」
「しないから!!妹として癒やしとして愛でてるだけだ!!」
「「ロリコン!!」」
「違ぁう!!」

「あはははははは!!」

そんなアホなやり取りをしてると不意になのはが笑い出す。

「何だよ、アホ笑いして………」
「ごめんごめん、何だか懐かしいやり取りだなって」
「そうやなぁ………確かに卒業以来や」
「私もはやてちゃんと毎日会える訳じゃないし、特に零治君達には滅多に会えないから………」

だよなぁ………確かになのはと会うのは1年ちょっと振りだし、はやてだって連絡はよく取ってたけど会うのは久しぶりだし………

「だけどね、お父さんやお母さんからは良く話を聞いているよ!!家で剣の修行しているんでしょ?」
「ああ、人外の人達だから毎日一杯一杯だけどな………」
「筋かいいってお兄ちゃんが言ってたよ」
「それは重畳。だけど俺的にはまだまだだと思っているんだけどな」
「………頑張るね」
「守りたい家族がいるからな」
「レイ………」
「カッコいいやないか………」


「ねえなのはお姉ちゃん………」
「あっ、ゴメンね!!懐かしくてつい………」

先ほど小さな声の主が我慢できずになのはの後ろからひょっこり出てきた。

「えっと、紹介するね。この子は「ヴィヴィオ………」そうヴィヴィオちゃん!………って零治君知ってるの?」
「あ、ああ………」
「えっ?私は知らないよ」
「レイ………まさか本当にロリ………レイ?」
「零治君?どうしたんや?」
「零治君!!」

なのはに大きな声で呼ばれて我に返る。
この時期にヴィヴィオがなのはと一緒に居る事にどうやら動揺してしまったようだ。

「悪い、ちょっとトイレ行ってくる………」
「う、うん………」

俺は取り敢えず、切り替える為にトイレに向かった………










「しかし本当に驚いた………」

トイレの洗面台で顔を洗う。
ヴィヴィオが現れて動揺してしまった。原作とはもう違うと分かっていてもいきなり現れると流石に驚いた。
それにヴィヴィオはSTSではかなり重要な少女だ、彼女が居た事でゆりかごも起動したのだから………

「後で神崎に連絡しとくか………」

スカさんが味方である以上そこまで心配は無いだろうが、あんなゆりかご騒ぎを起こしたく無いからな………

「レ、レイ大丈夫ですか………?」
「星?」

男子トイレの入口でこちらを覗きながら俺の名前を呼ぶ星。
トイレには誰も居ないのだが、流石に男子トイレに入るのは恥ずかしいのか覗くだけである。
ライなら普通に入ってきそうだがな………

「心配かけたな、今行くよ」
「はい………」

そう言ってトイレから出ると星の顔が。まだ不安そうな顔をしている。

「あの子がどうかしたのですか………?」
「いや、ちょっと知ってる子に余りにも似ていて驚いただけだから………心配かけてごめんな」
「そう………ですか………ならいいですけど………」

と言うもののまだまだ心配そうな星。
俺はそんな星の頭を優しく撫で、頬に手をあてた。

「あっ………」
「そんな顔しないでくれ。また気が滅入るだろ?星には笑顔で居て欲しいからさ」
「………はい」

そんな俺の言葉で笑顔を見せてくれる星。
この笑顔は本当に俺の心を癒してくれる………

「「「………」」」

星と見つめ合ってると物陰から視線を感じ、そっちを見てみると、こっそりと覗く3人が………

「………何してる?」
「えっ!?あっ、いや………」
「そ、その………ちょっと面白そうやと思って………」
「なのはお姉ちゃんのそっくりさん、ちゅーしないの?」
「ヴィ、ヴィヴィオちゃん!!」

この世界のヴィヴィオは中々ストレートらしい。………まあ子供なんてそんなものか。

「………はやて、なのはオハナシ………します?」
「「ご、ごめんなさい………」」









さて、星のオハナシで地獄を見た後、ヴィヴィオちゃんと公園で遊んだ俺達。

「はやてお姉ちゃん来いー!!」

プラスチックのボールにバット。
投手ははやてでキャッチャーは俺。そしてバッターがヴィヴィオ。

「ふっふっふ………私の魔球、消える魔球を打つことが出来るかなヴィヴィオちゃん………」

悪役っぽく、丁寧な標準語を喋るはやてだが、違和感をかなり感じる。
しかし何だろう、ギャップが良いのか少し可愛く思えてきた………

「レイ………?」

外野からでも睨まれてるのが分かるのですが星さん………

「ヴィヴィオちゃん、かっ飛ばせー!!」
「おーう!!」

ともかくなのはとヴィヴィオの関係は良好である様だ。

「行くでぇ~!!必殺、消える魔球!!」

さっきまでのキャラは何処に言ったのか、そう言って振りかぶって投げた。

「えっ!?ボールは?」

バスン!!

「えっ!?」

キャッチャーミットの叩く音が聞こえ、訳が分からないのかあたふたするヴィヴィオ。

「本当に消えた!!何で何で!?」
「どうや?これからははやての姉御と呼ぶんやで!!」
「うん姉御!!」

またもはやての部下が出来た瞬間である。

「はやてちゃん………?」
「そ、そんなに睨まんといてやなのはちゃん………」
「レイもですよ」
「そうだな」

未だにあたふたしてるヴィヴィオに俺は笑いながらさっきの消える魔球について説明することにした………







「何だよそれー!!」

消える魔球の秘密は、はやてがボールを投げたように見せ掛け、脇に上手く挟んで隠し、俺があたかもボールが受けた様に大きな音を鳴らすというちょっとしたイタズラだった。

訳を知ったヴィヴィオはやっぱりカンカンで俺とはやてを正座させて仁王立ちしながら説教を始める。
とはいえ3歳児の説教など、なのはや星の説教を受けてきた俺にとって可愛いものであり………

「分かったよ、よしよし………」
「なでなでするなー!!!」

どうしてもキャロや優理みたく接してしまうので、それがヴィヴィオのご機嫌を損ねてるみたいだ。

「………零治君ええ加減にして」

そんなやり取りを見ていたはやての足に限界が来ていたのだった………








「零治君、抱っこ………」
「お前な………」

やっと説教を終えたヴィヴィオだったがその影響ではやてが立てず、足をプルプルさせながら助けを求めている。
時間的には約30分少々なのだが、地面の上と言うこともあり、駄目だった様だ。
俺の場合は高町家で鍛えられてるので問題なかった。

「全く………」

流石にこのまま放置するわけにはいかなかったので抱き上げようとするが、正面から上げると向かいあった形になって恥ずかしい。かといってお姫様抱っこで持ち上げたらそれはそれで星に何をされるか分かったもんじゃない。

とすれば………

「こうすればいいんだな」
「あっ………」

俺ははやてを後ろから持ち上げた。

「れ、零治君………赤ちゃんみたいに持ち上げられてるみたいで恥ずかしいわ!!もっと別の持ち上げ方があるやろ!!」
「いや、だってこうじゃないと星にどやされそうで………」

はやての脇に手を当て、持ち上げる。
それを見た星は面白くなさそうな顔はしたものの、特に文句を言わない。

「………本当に星ちゃん達中心なんやね………」
「何か言ったか?」
「何でもあらへん!!それよりあんまり私のおっぱい突っつかんで欲しいんやけど………」
「はあ!?俺がいつそんな事したよ!?」
「………レイ?」
「真に受けるな星!!」

まあ結局はやての足のしびれが取れた後、軽くお説教を受けました………







「あっ、もう夕方だ………」

結局ヴィヴィオと夕方まで遊んでいた俺達。
ヴィヴィオの体力は凄く、大人な俺達が少し疲れたのにも関わらず、ヴィヴィオは未だに元気一杯だ。

「ねえねえ、次は缶けりしよう!!」
「ヴィ、ヴィヴィオちゃん、もう夕方だよ、帰らないと………夕飯の準備しないとバルトさんも可哀想だよ………」
「でも………」

そう呟きながら俺達3人を見るヴィヴィオ。

「大丈夫やヴィヴィオちゃん。私はミッドにいるからいつでも会えるし、零治君達も時間があれば来てくれるから」
「そうですよ、また遊びましょう」
「今度は家のチビッ子達も連れて来てやるから」
「本当!?私より年下?」
「残念、年上だ」
「ぶう………」

不満そうに頬を膨らませるがどうやら楽しみなのかウズウズしている。

「分かった、約束だよ零治お兄ちゃん!!」
「ああ、約束な」

ヴィヴィオと握手をし、俺達は2人と別れたのだった………










「そうや、せっかくやし、家でご飯食べてったらどうや?」

公園で2人が別れた後、帰るかどうか星と話していると不意にはやてが提案してきた。

「でも、夜美達がご飯準備してくれてるだろうし………」
「でもせっかく来てこうやって会ったんだ。ご馳走になろうぜ」
「ですが………」
「今の時間だったら連絡しとけば大丈夫だろ」
「………シャマルさんに会いたいだけではないですよね?」
「違うっての。まあはやての料理を食べてみたいとは思ってるけどな」
「ふふふ、楽しみにしといてええよ」

まあそんなこんなではやての家で夕食を頂く事になったのだった………












「ここがはやての家………?」
「そうや、でっかいやろ~」

はやてに案内された家は庭のある大きな2階建ての一軒家だ。

「お前………金持ちなのか?」
「いや、私だけじゃないで。シグナム達全員のお給料で建てたんや」
「だ、だよな………はやて中卒なのにこんなに稼いでるのかと思ったよ」
「中卒言うなや!!それに中卒だって億稼いでる人沢山いるやないか!!」
「沢山いたら日本は不景気じゃないですね」
「たぶんそうじゃない?」

ぶっちゃけ経済の事なんて分からんからな………

「主はやて、中に入らないのですか?」

そんなやり取りをしているといつの間にか後ろにシグナムさんがいた。

「なつかしい顔がいると思えば零治と星か」
「お久しぶりです」
「相変わらずお綺麗ですね」

そう言うと足に鋭い痛みが。
チェックが早い………

「そんなことないさ。………それよりどうしたんです主はやて?」
「せっかく久し振りに会ったから夕食をご馳走しようと思ったんや」
「なるほど………だったら早く中に招くべきでは?」
「………分かっとるよ」

いや、話に夢中だったろ………

「それじゃあ中に案内するな」

そう言われ、俺達ははやての家にお邪魔するのだった………










「零治さん、星さんいらっしゃいですぅ!!」

俺達2人の姿を見たチビッ子リインは嬉しそうに俺の胸に飛んできた。
実に1年ちょっとぶりだが全く変わっていない。

「零治に星?何だいきなり?」

とリビングから出てきたのはヴィータだ。
前よりも雰囲気が大人っぽく感じる。

容姿からは全く見えないのだが………

「零治お兄ちゃんは悲しい………ヴィータも心だけは大人になっていくんだな………」
「おい、何で心を入れた?普通に大人っぽくなったなって言えばいいだろうが!!」
「大人………?」
「私だって2cm伸びたんだ!!」
「星、分かるか?」
「………済みません、正直分からないです」
「何だと!?よく見ろって!!ほら伸びてるだろ!!」
「「………う~ん」」
「はやても何か言ってくれ!!」
「いいんや、ヴィータはエターナルロリータなんやから」

「はやてのバカーーー!!!」

俺は初めて騎士が主に手をあげた瞬間を目撃したのだった………









「全くはやてちゃんは少しヴィータの気持ちも分かってあげるべきよ?」

あの後、はやてをノックアウトしたヴィータは母性あふれるシャマルさんの元へ。
俺も包まれたいと思ったのは秘密だ。
挨拶をするといつもと変わらない綺麗な笑顔。
思わず抱きつこうと思ったのは秘密だ。

星のプレッシャーがあったが何とか気がつかない振りをした。

そして窓側にはザフィーが鎮座している。
相変わらず犬モードで完全に番犬である。

「何言っとるんやシャマル。ヴィータは管理局ではかなり人気があるんやで。裏で行われた可愛い女の子ランキングでは堂々のトップ10やし」

確かにヴィータは人気が出そうな気がする。
ヴィータってツンデレっぽいし、妹っぽいから男共だけでなく女性からも可愛がられるだろうな。

「でもシャマルやシグナムは付き合いたい女性でランク10入りじゃねえか!!」

付き合いたい女性か………
それを聞くとさっきのアンケートが幼稚に聞こえてくるな。

「ちなみに私はどっちも圏外やったけどな!!」
「自慢する事じゃ無いでしょう」

星に鋭く突っ込まれ、ぐうの音も出ないはやて。

「主はやては見た目はトップ10に入ってもおかしくは無いんだ。ただ、ボケやツッコミに付き合ってられないと理由が多数あってな………」
「芸人に酷な事言うんやから………」

「お前は芸人じゃないだろうが………」

はやては一体何になりたいのだろうか………

「だからこそどうだ零治、主と息が合うのはお前位だと私は思うのだが………」
「残念ですが、既にレイは私達の物です」

そう言って奪われまいと腕をしっかりホールドする星が可愛く感じ………

「レイ、顔がエロい」
「ヴィータ違う!!嬉しいだけだ!!」
「確かにニヤニヤしてますぅ~」
「若いって良いわね」
「シャマルさんも充分若くて綺麗ですよ」
「あらありがとう。お礼に私の手料理を………「遠慮します」もう………」

絶対に嫌だ。
こんな歳で死んでたまるか。

「それよりはやて腹減ったよ………飯にしようぜ」
「そうやな………よし、ホットプレート準備や!!!」

どうやら八神家の夕食はお好み焼きみたいだ………










「うまい!!」
「本格的ですね………」
「凄いやろ、家はキャベツ大めなんやで」

確かにキャベツ7割と有栖家も多い方だがはやて家のお好み焼きはキャベツ焼きと言っても良いくらいだ。

「しかしこのキャベツがまたいい」
「激ウマだよな、はやてのお好み焼き」
「私、管理局止めたらお好み焼き屋をオープン考えるべきやろうか……」
「はやて、お前本当に芸人みたいだ」
「そうやろ?」

否定しろよ捜査官………

「まだまだあるから沢山食べてな………」

俺達ははやてのお好み焼きを腹一杯食べるのだった………











「ふぅ………」

食事を終え、はやての家の庭で食休みをしていた。
星はリィンに捕まり、ヴィータと共にゲーム。シグナムさんは読書。
シャマルさんとはやては洗い物をやっている。

「どうだった?」
「美味かったよ」

庭から外を眺め、ボーッとしてると隣にザフィーラがのそのそとやって来た。

「主はこの1年疲れた顔をした事が多かった。なのは達と会っても変わらない事が多くてな。こんなにはしゃいだのは久しぶりだ」
「そうなのか?」
「主には敵も多いのだ。ああ見えて、一人で抱え込んでいるものが多い。そんな主を支えてくれればと思っていたのだが………」

そう言ってザフィーは俺を見つめる。
………言いたい事は理解した。

だが………

「分かっている。お前には既に守らなければならない家族がいると言う事だろ?理解してるさ。だが、たまには主に会ってやってくれ。やはり主にとってお前は特別なのだ」
「………そこまで大したもんじゃないと思うけどな………だけどまた来れたら来るようにするよ。キャロや優理も連れてな」
「楽しみにしている」

そう言ってザフィーはのそのそと部屋の中に入っていった。

「特別か………出会い方が違ってればもしかしたら………」

そう思いながら中を見ると洗い物をしながらゲームの様子を見ていたはやての笑顔。
そしてその次に楽しそうにリィンやヴィータと遊ぶ星の笑顔。

「いや、IFの話をしても仕方がないか………」

俺は既に道を選んだ、自分の限界も分かっている筈だ。
そして今の俺が好きなのはやっぱり星、ライ、夜美なんだ。

「だけど出来る範囲なら力になってやるか………」

俺はそう独りごちた………








「………ただいま」
「あっ、お帰りバルト!!」
「お帰りなさい」
「おう」

午後19半過ぎ、家に帰ってきたバルトはなのはとヴィヴィオに軽く返事をして冷蔵庫からビールを取り出す。

「もう、また直ぐにビールですか?」
「1日の終わりはこれで締めるんだよ、お前も飲むか?」
「何度も言いますけど私、未成年です」
「本当に固いなお前………」

呆れながらビールに口をつけるバルト。

「くうぅぅ………旨い!!」
「バルトバルト、今日ね沢山の人と遊んだよ!!」
「ほう、それは良かったな」
「私の友達がたまたま居たんです。そこには地球の友達もいて………」

バルトの食事を準備したなのははヴィヴィオの隣に座りそう言った。

「今度は私と歳が近い子連れてきてくれるって!!」
「ほう………それは良かったな………」
「………反応同じ」
「そりゃあまり興味が無い話だからな」
「意地悪………でもなのはお姉ちゃん、次いつ来てくれるかな?」
「う~ん、違う世界に住んでるからね………すぐは無理かな………」
「そうなんだ………でも楽しみ!!」

そう笑顔で言うとヴィヴィオに微笑むなのは。

(まるで母と子だな………)

ビールを飲みながらそんなことを思う。

「零治は約束守るよね?」
「れい……じ?」
「あっ、私の友達です。一応魔導師なんですけど地球に住むって決めているから別なんです」
「………」
「バルトさん?」

バルトはなのはの言葉に反応出来なかった。

(まさか………何の因果がか………やはり奴とは縁があるらしい………)

「ねえ、バルトニヤニヤしてて気持ち悪い………」
「流石に私も否定出来ない………」

そんなバルトを見て、2人は思ったのだった………  
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧