気取り屋少女とバニラシェイク
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第一章
気取り屋少女とバニラシェイク
悠木美幸の母の実家は広島県の地方財閥だった家で今も手広く仕事をしていて広い土地にマンションや駐車場それに土地を貸して店舗もそうしている家の娘である。
その為何かと育ちがいいが。
ある日だ、美幸は今自分が寮に入って通っている八条学園高等部の面々と八条バーガーに入ってこう言った。
「こうしたお店は紅茶かコーヒーよね」
「いや、色々だけれど」
「別に他のものでもいいでしょ」
「コーラでもね」
「それでシェイクでも」
「やっぱり紅茶よ」
一五〇ない小柄な身体で言う、色白で落ち着いた外見で黒髪を左右で三つ編みにしている。青いブレザーとクレーのミニスカートに赤いリボンという恰好だ。
「それかね」
「コーヒー?」
「そう言えば美幸ちゃんいつもそういうの飲んでるけれど」
「それかお茶か」
「炭酸系飲まないわよね」
「シェイクとか」
「だってね」
それはというと。
「私落ち着いて静かにね」
「上品に?」
「そうして飲むのが好きなの」
「そうなの」
「だってね、従姉のお姉ちゃん見てたら」
美幸は小声で話した。
「顔結構似てるって言われるけれど」
「ああ、三年の国木田先輩ね」
「あの小さい人よね」
「古武術部の」
「滅茶苦茶男好きっていう」
「あの人実はまだ男の人と手をつないだこともないけれど」
男好きだがというのだ。
「けれどね」
「有名人よね」
「もうざっくばらんでね」
「かざらなくて」
「そうした人ね」
「お姉ちゃんにはいつも助けてもらってるけれど」
それでもというのだ。
「ああした品のないのはどうかって思って」
「それでなの」
「いつもおしとやかにしてるの」
「茶道部にも入って」
「マナーとかも勉強してるのね」
「そうなの、女の子はやっぱりおしとやかでね」
それでというのだ。
「上品でないとね」
「そう思うからなのね」
「飲むのは紅茶かコーヒーなのね」
「ハンバーガーショップに入っても」
「そうしてるのね」
「そうなのよ」
「別にそんなのいいでしょ」
美幸が答えた時にだった。
クラスメイトの緒方明子が笑って言ってきた、背は一六九程あり見事な胸に脚である。薄いグレーのブラウスに黒いミニスカートでネクタイは青だ。全体的に着崩していて茶色にした髪の毛は長くはっきりとした明るい顔立ちでメイクは薄いが整っている感じである。
その明子がだ、美幸に言った。
「国木田先輩は気にしなくても」
「そうなの?」
「いい人なのは認めてるでしょ」
「人としてはね」
美幸もそれは認めた。
「あのざっくばらん過ぎるっていうか男好きなのがどうにもで」
「人は誰でも欠点あるし」
「それはわかってるわよ」
「それにマナーは守っても」
それでもというのだ。
「何かを飲んでいいとか駄目ってないから」
「だからなの」
「紅茶やコーヒーもいいけれど」
そうしたものを飲んでもというのだ。
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