少女は 見えない糸だけをたよりに
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10-7
私たちは、京都駅で待ち合わせをして、三宮に向かった。私は、サスペダーにワイドパンツという格好で、キャケットをかぶっていた。異人館を巡って、中華街で食事して、須磨浦公園に行って、その日は明石大橋が見えるホテルで泊まる予定だった。
「巧 ゆっくりしたかったんじゃぁない? ごめんね 付きあわせて」
「いいや 香波と、こうやって出掛けるのも めったにないからな」
「うん 私 今日のこと お姉ちゃんにしか話してないんだ お父さん達にもウソついちゃった」
「そうか 箱入り娘みたいなもんだものなー」
「やだー そんな言い方」
その日は晴れた日で坂道を歩いていると、うっすらと汗が出てくるようで、だけど私は、巧の腕を組むようにして離さなかった。カップルが何組も居たけど、私は、その中でも一番仲が好いようにと見られたかったのだ。
中華街から須磨浦公園に上って、ホテルに着いたのは、もう、夕方近くで部屋に入ると大きな窓から明石大橋の向こうに夕陽が輝いているのが見えた。私達は窓際のソファーに座ってしばらく沈んでいく夕陽と行きかう貨物船を眺めていた。
「どうする? ご飯の前に お風呂入るかい?」と、聞かれたけど
「ううん もっと こうしていたい」と、私は、巧の膝の上に移って行って、キスをせがんでいた。
夕食の後、二人で大浴場に向かったんだけど、私は、お姉ちゃんと買いにいった小花柄のランジェリーセットを抱えていたのだ。いつもより、念入りに洗って、胸には少しコロンを振っていた。出ていくと、巧が待っていてくれて、買うでもないんだけど、少し、お土産のコーナーを見て、部屋に戻って行った。私が髪の毛を乾かしている間、巧は食事の時は飲まなかったんだけど、ようやく缶ビールを出して、窓際に座っていた。だけど、私はやっぱり、甘えるように巧の膝の上に強引に座っていった。
「ねぇ こうやっているのって 私 夢のよう」
「そうだなー 再会できて 1年だね あの時はまさかだったもんなー」
「そうだよ 私 いまでも バクのお蔭って思っているんだ」
「見守ってくれてるんだ 香波はみんなに見守られて 幸せになんなきゃぁなー」
「ううーん これからは、巧が私を幸せにしてくれるんだよ だめ?」
「ウン だよなー こんなに賢くて、可愛いんだものなー」
巧の唇を感じて、ベッドに連れて行かれて、私は、浴衣を自分から脱いでいって、ランジェリー姿のまま、巧に抱き着くようにしていった。
巧は私に気を遣いながら、優しくしてくれて、長い時間をかけて身体中を愛撫してくれた。そして、ショーツを脱がされて私のあの中心の部分に・・
「あー そんなーとこ 恥ずかしいよ ウーン」私は、身体全体で、今まで経験したことのない感覚になっていた。
「香波 いいんだな」と声がして、私は小さくうなづいていた。
そして、チクッと痛みを感じて「アッ」と。「大丈夫か?」と聞かれて「いいよ ゆっくりね」そして、だんだんと巧のものをあの中に感じていた。
「巧とつながっているんだよね しばらく、このままでいて すごく、うれしいの」
私は、ようやく巧と一つになれたのだ。なんか挟まっているような感覚だったけど、幸せを感じていた。そして、とっても嬉しかった。
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