怪物と一緒に出来ない
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第一章
怪物と一緒に出来ない
この時佐藤公則は同僚の大山義孝と共に居酒屋にいた、佐藤は細面で黒髪を少し伸ばしていて切れ長の目と痩せた身体が特徴的である。大山も痩せて黒髪だが彼はショートにしていて大きなはっきりした目で佐藤より背丈がある。
二人はビールを飲みつつ仕事の付き合いで今仕事を一緒にしている病院の三人の女医と一緒に飲むことになったのだった。
佐藤は大山に女医達が一緒にトイレに経った時にこう話した。
「やっぱり三人共着てる服いいな」
「お医者さんだからな」
大山も言った。
「やっぱり大変な仕事だしな」
「学歴あって特殊な技能だからな」
「給料いいさ」
「そうだな、俺達の三倍はあるよな」
「まあそれは仕方ないだろ」
大山はこう言った。
「そうした仕事ってことだよ」
「それで給料高いならか」
「それなりのことがあるんだよ」
「そうだな、世の中楽して儲けるとかな」
「そんな話ないさ」
共にビールを飲みつつ話した。
「やっぱりな」
「収入いいとその分何かとあるな」
「リスクがな」
「そんなものだな」
こんなことを女医達が席を立っている間に話した、ごく普通のサラリーマンである彼等はそんな話もした。
そして女医達が戻って後は仕事の話よりもお互い親睦を深める為に世間話をしているとここでだった。
女医の一人が野球の話をはじめた、佐藤と大山は阪神ファンであり女医達はそれぞれソフトバンク、中日、日本ハムのファンでありこの世を脅かすおぞましい邪悪巨人を応援する輩は一人もいなかった。
そして日本ハムファンの女医が言った。
「大谷君またホームラン打ったのよね」
「あの子凄いわよね」
「相変わらずね」
「ピッチャーとしては一六〇キロ普通に投げて」
「バッターとしてはホームラン量産で」
「本当に怪物よね」
三人でこんな話をした。
「もう桁外れの」
「今凄い野球選手一杯いるけれど」
「大谷君はまた別格よね」
「あんな凄い子いないわ」
「投げて打ってでな」
「あの年棒も納得よ」
「そういえば、ですよね」
佐藤は女医達の言葉を聞いて言った。
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