八条学園騒動記
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第六百六十一話 朝に思うことその十四
「顔は違うと思うがのう」
「身体はそのまんまなんですね」
「そうだったのじゃ」
「あんな身体していたんですね」
「実際にな、鍛錬を積みそうしたものを食ってじゃ」
そうしてというのだ。
「尚且つ戦になればな」
「戦っていたんですね」
「重い具足を着て馬に乗ってな」
そうしてというのだ。
「刀や弓矢を使っておった」
「そうした暮らしだったので」
「あの様な身体であった」
「冗談抜きで凄い身体ですね」
「あからさまに強そうであろう」
「アスリート顔負けですよ」
野上君は仁王像を脳裏に思い浮かべつつ話した。
「強くない筈がないです」
「事実あのモンゴル騎兵にも勝てたのじゃ」
当時世界を席巻していた彼等にだ。
「確かに海と台風があったがな」
「地の利と気候は味方でしたね」
「しかしモンゴルが強かったことは事実じゃ」
このことは否定出来ないというのだ。
「しかしじゃ」
「そのモンゴルにも勝った」
「そうじゃ」
まさにというのだ。
「そうしたからのう」
「それを見るとですね」
「鎌倉武士は強かったことがわかるであろう」
「はい」
野上君はまさにと答えた。
「本当に」
「そして脚気のことも考えるとな」
「鎌倉武士の食生活ですね」
「その方がいいのじゃ」
「強飯に他の食材に」
「白米だけなのが一番駄目じゃ」
この食生活がというのだ。
「おかずはほんの少しでじゃ」
「日の丸弁当みたいにですね」
「それで白米だけなのがじゃ」
この食生活がというのだ。
「まことにな」
「一番駄目ですね」
「そうなのじゃ」
こう野上君に話した。
「だから野上君もじゃ」
「バランスよくですね」
「食べるのじゃ、いいな」
「そうします」
「今脚気にかかる者はおらんが」
食生活がそれだけ改善されて進歩しているということだ。
「しかしあまりにも酷いとな」
「なりますね」
「そうなる、誰でもな」
それこそというのだ。
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