恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十二話 闇、近付くのことその三
彼女はだ。微笑み自分の傍らに寝ている劉備にこう言った。
「これからも宜しくな」
「うん、じゃあね」
「共にいてそうしてな」
「仲良くしていこうね」
そのやり取りの後でだ。公孫賛は。
劉備を抱き寄せだ。微笑んだままこんなことを言った。
「では今から寝るか」
「二人でね」
「しかし桃香はまた胸が大きくなったな」
「そうかしら。別に」
「そんなに背は高くないのにな」
実は劉備は背は普通だった。しかし夢はなのだ。
「それでも胸はか」
「大きいかなあ、そんなに」
劉備は自分のその桃色のブラを見た。それは確かにだった。
「私は特に」
「いや、大きいからな」
「そうかなあ」
「そうだ、それもかなりな」
そんな話をしながら二人で眠るのだった。そしてその夜だ。
誰もが緊張してだ。それぞれの配置に着いていた。その中でだ。
黄蓋が長江の方を見てだ。鋭い目でこう述べた。
「匂いが変わったのう」
「匂いがということは」
「やはりですか」
「うむ、来る」
そうだとだ。彼女は二張、孫堅以来の同志達に答えた。
「間違いなくな」
「そう。なら本当に」
「今夜に」
「決まるのう」
また言う黄蓋だった。
「いや、決めるべきじゃな」
「勝つ、そういうことね」
「つまりは」
「そうじゃ。勝つぞ」
そしてだった。黄蓋は二人にこうも述べた。
「大殿の仇もな」
「ええ、あの者達が孫堅様のお命を奪ったのだから」
「絶対に」
「勝つ」
黄蓋の声がさらに強くなる。
「何があろうともな」
「その意気で行くしかない」
「ここまできたらそうなるわね」
「正直打つべき手は全て打った」
黄蓋はまだ長江を見ていた。今は闇の中にその水も消えている。
そしてその水を見てだ。彼女は言う。
「後は敵が来るだけじゃな」
「間違いなく自ら来る」
「それは間違いないにしても」
「何時どうして来るかじゃ」
「そうね。それを待っているだけでも」
「緊張してくるわね」
「全くじゃ」
そんな話をしながらだった。彼女達も待っている。それは黄蓋達だけでなく。
タクマもだ。敵を待ちながらだった。柴舟とハイデルンに述べていた。
「さて、今宵が運命の分かれ目となる」
「そうだな、いよいよだな」
「赤壁での戦いか」
「我等の世界でもこの戦いは大きな戦いだったな」
タクマは彼等の世界のことをここで話す。
「あの戦いでは孫権殿と劉備殿が曹操殿に勝ったが」
「この世界では全ての英傑が一つになりオロチ達と戦う」
「そうした状況になっているが」
「闇とそれ以外の戦いだ」
タクマはそう看破した。この世界での戦いを。
「さて、どうなるかだな」
「この戦いで決着をつけられないとすればだ」
ハイデルンはその場合についても考えていた。
「おそらくこの国の中での戦いではなくなる」
「では何処での戦いになるか、か」
柴舟はハイデルンの話にその目を向けた。
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