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レーヴァティン

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第二百五十一話 蝦夷統一を前にその九

「必死に集めた文献と図書館で借りた本の区別もつかない奴だ」
「そうでしたね」
「そんな奴の本なぞだ」
 丸山眞男が学生運動の祭愚か者共に自身の研究室を荒らされ彼がこれまで必死に集めた資料を乱されそれを必死に一冊一冊集めているのを見て吉本が言った言葉だ、自分は仕事の合間に図書館で本を並んで借りているそれ位何だとだ。
「読む価値があるか」
「一切ないですね」
「俺は吉本の本は一切読まない」
 英雄は言い切った。
「読んでも無駄だからな」
「時間の無駄ですね」
「そして空想科学何とやらもだ」
 このシリーズもというのだ。
「無駄だ」
「時間のですね」
「そうだ、下らないにも程がある」
 それこそ腹が立つまでにというのだ。
「他の誰が好むかは知らないが」
「私達としては」
「あのシリーズは吉本隆明の本と同じだ」
「無価値ですね」
「読んでも何も得られない」
 一切と言い切った。
「まさに読むだけだ」
「時間の無駄ですね」
「そうしたものだ」
「それが今の科学で未来の科学を語ることですね」
「十年でもかなり進歩するのにだ」
 科学というものはだ。
「百年以上先の科学なぞだ」
「今の科学では語れないですね」
「漫画やアニメの話という以前だ」
「遥か先の科学は今の科学より遥かに進んでいます」
「成功する者はどうしたら出来るかを考え」
 そしてというのだ。
「失敗する者は口実を考える」
「まさにこの場合ですね」
「時にはその無駄に落としている設定を変えてだ」
 原作のそれをだ。
「言っているがな」
「それはもうですね」
「論外だ、語るに落ちている」
 そうしたことに過ぎないというのだ。
「実に下らないシリーズだ」
「そして吉本隆明の本もですね」
「同じだ、こうした本を読むよりだ」
 それよりもというのだ。 
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