恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第百二十一話 張勲、昼に寝るのことその三
「全軍で攻めます」
「そして勝ってな」
「この世界を闇に覆うのです」
「正直あれなんだよ」
ここで言ってきたのは社だった。
「俺達の世界でもそうしたかったけれどな」
「果たせませんでしたね」
「残念ながらな」
そうだとだ。社も話す。
「三種の奴等がいてな」
「俺もだった」
今度は刹那が出て来て話す。
「四神、そして巫女によってだ」
「そうね。私もね」
今度はミヅキだった。
「四人の如来の宝珠を持つ者達もいてね」
「とにかく一つ一つではじゃ」
朧もいた。
「わし等の望みは果たせなかった」
「はい、しかしそれでもです」
于吉はここで言った。
「私達が力を合わせれば可能です」
「俺達の流儀ではないだろうがな」
それでもだとだ。左慈も話す。
「力を合わせることも大事だな」
「はい、目的を果たす為には」
「それならだ」
「打ち合わせ通りいきましょう」
こうも言う彼だった。
「そうしてそのうえで」
「勝つか」
「ただ。問題は」
司馬尉がここで話す。
「私達の術は大抵封じられていることよ」
「貴女の落雷の術もまた」
「ええ、陣全体に結界が組まれているわ」
「そうです。彼等も考えています」
于吉は冷静に話す。
「ですがそれは一つ一つです」
「一つ一つならね」
「全てを合わせればどうなのか」
それが核心だった。于吉の言うことのだ。
「そういうことです」
「ああ、あれだね」
クリスが笑って話す。
「矢も一つ一つなら簡単に折れるけれどね」
「そうです。三本なら容易にはいきませんね」
「それに十本なら」
どうかというのだった。それだけ合わされば。
「折れないね」
「そういうことです。私達は同志です」
「私は貴方達を嫌いではありません」
ゲーニッツは微笑みこう言った。
「むしろ親しみさえ感じています」
「同じ志に目的を持っていますから」
だからだとだ。于吉も彼等に話す。
「それ故にです」
「では全軍で行きましょう」
こう話してだった。彼等はだ。
全軍で出陣した。向かう先は一つだった。そのことはだ。
既に連合軍の斥侯に見られていた。そうしてだ。
郭嘉はだ。その報告を受けて鋭い目で言った。
「今夜ですね」
「そうですね。遂に来ますね」
そのことにだ。郭嘉の隣にいる張勲も頷いて応えた。
「彼等が」
「夜の決戦ですか」
夜ということにだ。郭嘉は不安を覚えて言った。
「厄介ですね。彼等は夜に強いでしょうが」
「闇の勢力ですからね」
「はい、それに今までも夜によく仕掛けてきています」
「夜での戦いはお手のものです」
「ですが我々は」
眉を曇らせてだ。郭嘉は言った。
「昼の住人です。ならば」
「ううんと。ここはですね」
「ここは?」
「お昼には寝ておきましょう」
「昼にですか」
「そして夜に戦いになりますから」
その夜に起きてだというのだ。
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