イベリス
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第五十五話 速水の食事その四
「まことに極端に脂っこいとです」
「食べられないですか」
「あまり」
そうだというのだ。
「そうしたものは」
「そうなんですね」
「唐揚げやフライ等は食べられますが」
それでもというのだ。
「まことにです」
「極端に脂っこいと」
「駄目です、ステーキにしても」
この料理もというのだ。
「脂身はあまり」
「召し上がられないですか」
「赤身だけで」
「そうですか」
「豚肉も豚バラ煮込みは好きでも」
「沢山はですか」
「食べられないです」
こう咲に話した。
「どうしても」
「じゃああっさりしたものが」
「はい、そのステーキのソースも」
これもというのだ。
「オニオンソースやおろし大根にお醤油で」
「あっさりですね、おろし大根って」
「これとお醤油が好きでして」
速水は微笑んで話した。
「よくです」
「ステーキもですか」
「それで食べます」
「和風ですか」
「はい、お野菜も食べると申し上げましたが」
速水はさらに話した。
「サラダにしてもお鍋にしても」
「お好きですか」
「スパゲティに入れましても。特にお酢を使いますと」
野菜にというのだ。
「かなりです」
「お好きですか」
「左様です」
咲に微笑んで話した。
「ザワークラフトも好きでピクルスもです」
「お好きなんですね」
「浅く漬けても」
野菜を酢にそうしてもというのだ。
「そちらもです」
「ううん、野菜とお酢の組み合わせはですか」
「大好きです」
「サラダなら私も好きで」
咲も自分の好みを話した。
「よく食べますが」
「野菜は全般的にお酢が合うのです」
「それで美味しいんですね」
「しかも栄養があります」
ただ美味いだけでなくというのだ。
「お酢は殺菌効果もありますし」
「そのこともいいんですね」
「またお酢でビタミンも破壊されないので」
「だから栄養もあるんですね」
「そうなのです」
「お酢に漬けると保存も利きますし」
「いいいことが多いですね」
「ですね、じゃあ私もこれからは」
咲は速水の話を聞いて言った。
「一人暮らしとかしますと」
「お野菜はお酢に漬けてですね」
「食べる様にします」
「そうするといいです、お漬けものやキムチもいいですが」
「そうしたですね」
「ピクルスやザワークラフトもです」
こうした食べものもというのだ。
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