ハッピークローバー
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第二十四話 あえて聞いたその十二
「何でも」
「そして戦国時代の前からよ」
「室町時代も鎌倉時代もで」
「平安時代もよ」
「本当に普通だったのね」」
「それでザビエルさんが来日してよ」
ザビエル会のナンバーツーであり非常に生真面目なカトリック信者であった彼がだ。
「激怒したのよ」
「同性愛が普通で」
「あっちじゃ物凄く悪いことだったからね」
「死刑になる位のよね」
「そうだたからね」
「死刑になることじゃないでしょ」
かな恵は一言で終わらせた。
「それどころか捕まることでもね」
「ないわね」
「私はそう思うけれど」
「だから日本だからよ」
「そう思うのね」
「日本でそれで捕まった人いないから」
それこそ歴史上一人でもである。
「そう思えるの」
「そういうことね」
「そうよ、それでその同性愛もね」
これもというのだ。
「それぞれの人でね」
「好きな人もいるのね」
「だからそっちの本もあるの」
「そうなのね」
「そうよ、それでね」
そのうえでというのだ。
「昔からあるのよ」
「そうした本も」
「同性愛の本もね」
「日本ってそうした本昔からあるのね」
「そうした国よ、まあ同性愛は趣味じゃないなら」
それならというのだ。
「いいわ、それにね」
「それに?」
「かな恵は同性愛の人達を差別しないわね」
「いや、趣味じゃないだけで」
それでとだ、かな恵は母にまた答えた。
「悪いことじゃないから」
「差別しないわね」
「私が言い寄られたら断るけれど」
それでもというのだ。
「そうでないならね」
「いいわね」
「別にね」
これといってというのだ。
「いいわ」
「だったらね」
「それでいいのね」
「差別はされたらどうか」
「そう思うことよね」
「嫌でしょ」
「それで自分が嫌ならね」
それならとだ、かな恵も答えた。
「やっぱりね」
「自分もしないことよ」
「そういうことよね」
「それでよ、お母さんも差別はね」
「しない様に言ってるのね」
「ましてあんたの通ってる学校は」
八条学園はというのだ。
「世界中から人が集まるでしょ」
「それこそね」
「それで人種や民族や宗教で差別したらよ」
「大変なことになるわ」
「だからよ」
それ故にというのだ。
「お母さんは尚更言うのよ」
「お父さんも言ってるわ」
「そうでしょ、そうしたことはね」
差別はというのだ。
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