おぢばにおかえり
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第六十九話 先輩達と会ってもその四十五
「ファッションショーみたいなことはね」
「ないですか」
「期待しているみたいだけれど」
「まあ先輩何でも似合いますけれどね」
「何でもって」
「だって色白でスタイルいいですから」
「そう言うの新一君だし」
この子以外は誰もです。
「何でも似合うなんてことはね」
「ないですか」
「ええ、そのことはね」
「皆人を見る目がないですね」
新一君の今の言葉は完全に本気のものでした。
「それはまた」
「そこでそう言うのもね」
「僕だけですか」
「私の何処が奇麗なのよ」
いつもこう言っていますけれど、です。
「それはね」
「ないっていうんですね」
「絶対にないわよ」
私は断言しました、これはまた。
「本当にね」
「僕から見たらトップアイドルですよ」
「声優さんにもなれるのよね」
「そうしたらいきなりトップですよ」
声優さんでもというのです。
「ですから目指してみたらどうですか?」
「目指さないから」
私はそうしたことには興味はありません、というか考えたこともありません。
「いつも言ってるけれど私は教会を継ぐから」
「芸能界にとって大きな損失ですね」
「大きいの?」
「先輩みたいな人が見逃されることは」
「私以上の娘なんて幾らでもいるわよ?」
「絶対にいませんよ、本当にアイドルか声優になれますよ」
私をじっと見て言うのでした。
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