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オズのホボ王子

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第九幕その五

「最近よく食べるの」
「そうなんですね」
「ステーキにしてもいいし」 
 お豆腐をというのです。
「和食でも中華料理でもね」
「美味しいですよね」
「サラダにしても」
「いいですね」
「だからよく食べるわ。以前はお顔を換えるだけが楽しみだったけれど」
 三十あるそれをです。
「最近はお食事にガーデニングにね」
「そうしたこともですか」
「楽しみになっているわ」
「趣味が増えましたか」
「そうなったわ、だから毎日楽しいわ」
「そうなっているんですね」
「そしてパーティーも」
 こちらもというのです。
「好きよ」
「そうですか、それじゃあ」
「ええ、パーティーもね」
「一緒にですね」
「楽しみましょう、それとね」
 姫は牛乳を飲みました、そしてです。
 そのうえで、です。こうも言いました。
「言い忘れていたけれどお酒もね」
「楽しまれていますか」
「そうなのよ」
「そちらもですか」
「ワインとかね」
「お酒もお好きですか」
「もう楽しいことが増え過ぎて」
 今はというのです。
「退屈なんて忘れてしまったわ」
「それは何よりだね、オズの国で何が一番怖いか」
 王子はチーズを食べながら言いました。
「多くの人が言うけれど」
「退屈ね」
「オズの国にはないけれど」
 それでもというのです。
「ないだけにね」
「尚更怖いわね」
「そして若し経験するとなると」 
 退屈、それをというのです。
「どれだけ怖いか」
「想像も出来ないわね」
「僕も退屈はね」
 これはというのです。
「経験したことはないよ」
「そうよね」
「色々なことをして何もしない時は」
「寝てるわね」
「そうしているからね」
「遊ぶこと、やりたいことはいつも一杯あるわ」
 オズの国ではとです、姫は言いました。
「そしてそうしたことをしていないと」
「それならだね」
「私も寝ているわ」
「そうだね」
「だから私も退屈はね」
「知らないね」
「だからこそ余計にね」
 知らないこそというのです。
「私も退屈はね」
「怖いね」
「ええ」 
 その通りだとです、王子に答えました。
「本当にね」
「僕もだよ」
「退屈がどれだけ怖いか」
「想像も出来ないね」
「じゃあ若しも」
 ここで、です。王女は言いました。 
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