八条学園騒動記
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第六百六十話 自由な社会の条件その五
「王が住めます」
「エウロパ各国の」
「左様ですね」
「そして爵位によってです」
「それは決まっています」
住める宮殿の規模や様式はとだ、ラメダスもベッキーも話した。
「子爵や男爵ではです」
「宮殿に住めてもです」
「公爵のものと比べて劣ります」
「そうなっています」
「ベッドもです」
セーラはこちらの話もした。
「天幕のベッドは連合では誰でも眠れます」
「やはりお金があれば」
「買えますね」
「そして眠れますね」
「連合では」
「しかしマウリアでは天幕付きのベッドはそれなりの階級でないと」
さもないと、というのだ。
「使えないです」
「そしてエウロパでも貴族のものです」
「せめて騎士でないと使えません」
「またベッドの生地にもランクがあり」
「最高級の絹の羽根布団は公爵以上であり」
「王ともなれば」
その立場になればというのだ。
「見事なものです」
「そうなっていますね」
「そしてその上に立つエウロパ総統はです」
「衣食住全てが最高のものです」
「そうなっています」
「エウロパの前身はEUであり」
即ちヨーロッパ連合である、ヨーロッパ経済共同体からヨーロッパ共同体になりそれがヨーロッパ連合になったのだ。
「その基はです」
「ローマ帝国です」
「あの国です」
「そのローマ帝国を治めていたのは皇帝でした」
ローマ皇帝である。
「そしてその後継国家であるエウロパではですね」
「エウロパ総統は皇帝です」
「その格になっています」
「共和制の国家元首で選挙で選ばれますが」
「平民出身でもなれますが」
「ですが格はです」
それはというのだ。
「皇帝です」
「だからこそです」
「その衣食住は王以上ですね」
「皇帝は王の上にあります」
「王を王に任じることが出来るので」
「だから各国の王の方々よりもです」
さらにというのだ。
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