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レーヴァティン

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第二百五十話 軌道に乗るまでその三

「函館ならだ」
「五稜郭ね」
「城はあれでないとな」
「駄目ってことだね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「あの城にした」
「そういうことだね」
「そうして築かせたが」
「あれはあれでいいね」
「そうだ、城は確かに兵やものを収め政を行う」
「そうした場所だね」
「そうだ、しかしだ」
 それでもと言うのだった。
「見栄えもな」
「大事だね」
「見ていると頼もしく感じてな」
「奇麗に感じることだね」
「そうしたものだ、恰好悪い城なぞだ」 
 英雄はここでは吐き捨てる様に語った。
「それだけでだ」
「失格ってことだね」
「人間はそういうものでもあるな」
「見栄えも大事にするよ」
「だからだ、俺も五稜郭を築き」
 そうしてというのだ。
「この札幌城もだ」
「築いたね」
「そして天守閣だが」
 その青瓦と白い壁のそれも見て話した。
「築かせた」
「そうだね」
「実際に民にも評判はいいな」
「かなりでござる」
 智が言ってきた。
「この城特に」
「天守閣はな」
「城全体に青瓦が多く使われていることもあって」
「評判がいいか」
「まさに青鷺城と」
 今話している通りにというのだ。
「言われているでござる」
「それは何よりだな」
「ではこの札幌城はでござるな」
「多くの兵を常駐させてな」 
 そうしてというのだ。
「ものもだ」
「入れていくでござるな」
「これまで以上にな」
「そうでござるな」
「そして何かあればな」
「すぐに兵を出すでござるな」
「そして政はな」
 こちらの話もした。
「ここからだ」
「するでござるな」
「政庁も置くが」
 それでもというのだ。
「それは札幌の街でだ」
「蝦夷全体となると」
「まさにだ」
「札幌城からでござるな」
「治める」 
 その様にするというのだ。
「だから築かせたしな」
「そうするでござるな」
「そうだ、ではな」
「これからもでござるな」
「城を築かせる、今本丸と二の丸を築いたしな」
「三の丸と西の丸も」
「築かせる、そしてな」
 そのうえでというのだ。 
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