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八条学園騒動記

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第六百五十九話 愚かも極まるとその七

「どうしようもないわ」
「だから死んだ方がいい」
「誰かの為に何もしないで資源の無駄」
「更正もしないから」
「死んで誰かの反面教師になる」
「それしかないわね」
「生きてても害にしかならないし変わることもないなら」
 エイミーは言った、この上なく苦い顔で。
「それしかないわね」
「というかその死に方もね」
 ペリーヌは話した。
「そのテロで殺された人達の遺族の前に突き出すとか」
「その死んでもいいって言った人達のね」
「権力に反対するからこの人達は殺されてもいい」
「そう言った人達の遺族の人達の前に」
「突き出すのね」
「どうでもしてくれってね」
「それがいいわね」
 ペリーヌはエイミーのその言葉に頷いた。
「本当に」
「そうでしょ」
「そうしてどうされるかわからないけれど」
「死ぬ時に人の痛みがわかるかもね」
「絶対に泣き叫んで命乞いするけれど」
「その中でね」
「まあ死ぬ間際に人の痛みがわかるなら」
 それならというのだ。
「いいわね」
「それまでわかろうともしなかったことがわかってね」
「ちょっといいわね」
「そうね」
「それで死んでも反面教師」
「死んでからも馬鹿にされてああはなるまいと思われる」
「そうしたらいいわね」
 そうなればというのだ。
「幾ら生きる価値がないレベルの馬鹿でもね」
「そうなればね」
「ちょっとはいいわ」
「まだね」
「いや、本当にそこまでの馬鹿になりたくないわね」 
 プリシラはしみじみと思った。
「絶対に」
「人間ですらないからね」
 カトリもしみじみとなっていた。
「そこまでいくと」
「心がよね」
「心が人間でなくなったら」
 それこそというのだ。
「もうその時点で、でしょ」
「確かにね」
 プリシラも否定せずに返した。
「もうね」
「身体が人間でもね」
「人間じゃないわね」
「もうこの場合は外道ね」
「外道ってモンスターだと最低ランクよね」
「その区分でしょ」
「それになるわね」
 カトリに対して答えた。 
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