白犬の思い出
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第二章
彼は一家の前を後にした、その背中を見送ってからだった。妻はリードを持っている夫に対して話した。
「凄く懐かしむ」
「そんな風だったね」
「シロを見てね」
「そうだったね、その人それぞれでね」
それでとだ、夫は妻に話した。
「思い出があって」
「犬にもなのね」
「そうだね、じゃあ僕達も」
「これからシロと一緒にいて」
「沢山の思い出を作っていくね」
「そうなるわね」
「僕もだよね」
息子も言ってきた、今もシロの傍にいる。
「そうだね」
「そうだよ、シロと一緒にいて」
「沢山いい思いをしてね」
「それが思い出になるからな」
「ずっと皆で大事にしていくのよ」
「うん、そうするよ」
息子は笑顔で応えた、そうしてだった。
一家で散歩を楽しんでそれから家に帰るとシロにご飯をあげた。シロはそのご飯をとても美味しそうに食べた。
そして後日。
また休日一家でシロの散歩に出ているとだった。
先日会って話をした男の人がだった。
驚く位に奇麗な女性と歩いていた、その女性の手にはリードがあり。
リードの先には一匹の白い柴犬がいた、そして。
男がだ、一家に会釈をしてから話した。
「雄でサブっていいます」
「それでは」
「ええ、その子を見てです」
「それで、ですね」
「うちのと話しまして」
その美人を見ながら話した、長い黒髪は艶やかで背は高く胸もかなりある。
「それでこいつ迎えてです」
「家族に迎えられたんですね」
「そうしました」
「そうですか、では」
「こいつとずっと一緒にいます」
笑顔で言ってだった。
彼は彼の一家での散歩を再会した、そしてだった。
彼等と別れてからだ、夫は妻に話した。
「シロと僕達を見て」
「思い出に浸って」
「そうしてまただね」
「家族を迎えたのね」
「そうだね、ただお話を聞くと」
「名前も同じだし」
「あの子はあの人が前に飼っていたっていう」
夫は妻に話した。
「その子の生まれ変わりかも知れないね」
「そうね、そんな気もするわね」
「生まれ変わってまたね」
「思い出を作っていくのね」
「そうかも知れないね、じゃあ」
「ええ、私達もね」
「これからもシロと一緒にいて思い出を作って」
そうしてというのだ。
「そしてね」
「シロが生まれ変わったら」
「またね」
「思い出を作っていきましょう」
「それじゃあね」
夫婦でこうした話をしてだった。
息子そしてシロと共に散歩を続けた、それがまた心地よい幸せになるのだった。
白犬の思い出 完
2022・5・23
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