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ハッピークローバー

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第二十二話 身体が丈夫ならその十一

「言ってたわ」
「甲子園のある西宮の」
「そちらのね」
「本気ってことね」
「目もね」 
 こちらもというのだ。
「本気だったわ」
「それは間違いないわね」
「ええ、けれど本当にね」
「カープならなのね」
「まだいい感じよ」
「それは本当に阪神ファンらしいわね」
「今年も阪神優勝だが口癖だけれど」 
 それでもというのだ。
「巨人以外のチームについては」
「優しいのね」
「認めてるわ、悪口も言わないから」
 これもしないというのだ。
「だからね」
「それでなのね」
「確かに阪神のことしか頭にないけれど」
 それでもというのだ。
「嫌われてないわ、嫌味じゃないし悪口も言わないから」
「阪神への褒め言葉ばかりね」
「誰がいい誰が期待とか」
 そうしたというのだ。
「何処をどうすればいいとか」
「そう言ってばかりで」
「それでね」
「嫌われてないのね」
「しかも一途だし」
 この美点もあってというのだ。
「ネタ扱いの一面はあるけれど」
「悪い子じゃないってことね」
「何でも将来は阪神タイガースに職員さんとして勤務して」
 そうしてというのだ。
「その面からね」
「阪神を支えていきたいって?」
「それが夢だって言ってるわ」
「もう人生の設計を立てているのね」
「もうその基準はね」
 まさにというのだ。
「阪神タイガースでね」
「将来は阪神の職員さんになって」
「その面からね」
「阪神を支えていきたいって言ってるのね」
「皆それなら行けって言ってるわ」
 彼がそう思うならというのだ。
「本気で阪神好きだしね」
「その想いがわかるから」
「なれるかって言ってもね」
 例えそうしてもというのだ。
「絶対に反論してくるしね」
「それは努力してっていうのね」
「そう言ってるからね」
「ううん、それじゃあその想いは適うわね」
 理虹は心から思った。
「間違いなく」
「お姉ちゃんもそう思う?」
「そういう考えだと例え阪神タイガースの職員さんになれなくても」
 それでもというのだ。
「絶対に何かのお仕事でね」
「阪神の力になるの」
「そうした人は転んでもすぐに起き上がって」
 例え挫折してもというのだ。
「すぐに動き出すからね」
「そうそう、あの子挫けないわ」
 実加はこのことも話した。
「何があってもね」
「悪いことがあってもでしょ」
「へこまされてもへこまされてもね」 
 それでもというのだ、へこむとは落ち込んだり批判されたり失敗したりだ、兎角よくないことを示す言葉と思っていいだろうか。 
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