星河の覇皇
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第八十一部第一章 全戦線でその十三
「それで余計に介入してはな」
「敗北の素ですね」
「そうだ、だからヒトラーは敗れたが」
「閣下はですね」
「それがわかっている、この目でそれを見たしな」
「サハラですね」
「あの国はそれで多くの国が滅んでいる」
ギルフォードがその目で見て来た中でもだ、千年の間戦いがない日はなく毎年の様に国家が滅び興ってきた地域だからだ。
「それでだ」
「こうしたことはですね」
「わかっているつもりだ」
「ヒトラーの轍は踏まれませんか」
「そうだ、もっともヒトラーの失敗はそれだけではないが」
現場介入に限らないというのだ。
「しかしだ」
「現場介入は大きかった」
「戦場へのな、それはせずにな」
「そのうえで、ですね」
「ヒトラー以上の政治をしてみせる、そして」
ギルフォードはさらに言った。
「国父ブラウベルグの様にな」
「エウロパを復活させますか」
「必ずな、ではな」
「潜水艦のことは」
「私が認めた」
今こうしてというのだ。
「これが返事だ」
「まだ軍では議論が本格化していませんが」
「私はいいと言った」
国家元首であり軍の最高司令官である自分自身がというのだ。
「これでいいな」
「それでは」
「これを答えとしてだ」
「そうしてですね」
「ことに励んでもらう」
「それでは」
モンサルヴァートはローマ帝国に倣ったエウロパの敬礼で応えた、この国の敬礼は連合やマウリアのそれとは違うのだ。
そうしてだ、彼はあらためて話した。
「潜水艦のことは」
「期待している」
「それでは」
「私もな、しかしだ」
「しかしとは」
「これは私の勘だが」
その目を鋭くさせてだ、ギルフォードはモンサルヴァートに話した。
「連合だが」
「あの国ですか」
「あの国は既にだ」
「潜水艦の開発に入っていると」
「そう思う」
「既にですか」
「実用化はまだ先でもな」
それでもというのだ。
「あの国はだ」
「今の時点で、ですか」
「八条義統長官がエウロパにいれば」
ギルフォードは連合の国防即ち軍事のトップである彼の名も出した。
「そう思う位だからな」
「総統もそう言われるまでの」
「切れ者だ、だからな」
「潜水艦もですか」
「既にだ」
「開発に入っていますか」
「オムダーマンと同時期かやや遅れてな」
その頃にというのだ。
「そしてだ」
「近いうちに実用化し」
「配備もしてだ」
そうしてというのだ。
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