おぢばにおかえり
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第六十九話 先輩達と会ってもその三十五
「自覚していない人がね」
「一番厄介ですね」
「そう、自覚しないと」
いんねんにしても癖性分にしてもです。
「そこからどうにもならないからね」
「なおせないんですね」
「そうよ、あとふんぞり返っていたらね」
「低い心にならないとですね」
「そう、謙虚な気持ちにならないと」
さもないとです。
「やっぱりそうしたことにも気付かないわよ」
「謙虚に自分を見てですか」
「そう、自分自身をね」
そうしないとです。
「駄目だから」
「そうですか、僕も謙虚にですね」
「新一君謙虚な方だと思うから」
それで、です。
「そこはいいところよ」
「そうですか」
「確かに遠慮しなくて図々しいけれど」
「阿波野君は謙虚だよ」
白石さんが言われるにはです。
「それもかなりね」
「他の人はそう言いますね」
「千里ちゃんにはね」
「私だけなんですね」
「そこにあるものを考えてみたら面白いよ」
「図々しい理由にですか?」
「そう、そこにね」
「何があるんでしょうか」
思わず首を傾げさせてしまいました、それがわかりません。
それで首を傾げていますとまた新一君が言ってきました。
「先輩これからは毎日大学か詰所ですね」
「基本どっちかにいるわ」
もう詰所がお家です。
「そうなるわ」
「そうですね、じゃあ放課後詰所に行けばお会い出来ますね」
「五時にはいつもここにいると思うわ」
「わかりました、その時を楽しみにしています」
物凄く嬉しそうに言ってきました。
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