ハッピークローバー
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第二十一話 梅雨が近付いてその十二
「そうする人で悪いことをしても平気でその相手の人のお家に来るし」
「謝らないで?」
「そうよ、そういうところも見たし」
「お母さんも嫌いなの」
「そうよ」
こう留奈に話した。
「しかも何もしないのに偉そうだしね」
「何か人間の屑みたいな人ね」
「ええ、そう思ってるわ」
「屑だって」
「だって子育てもそうでね、行いもね」
「そんなのだから」
「もうどうにもならない人だから」
それ故にというのだ。
「お母さんもよ」
「その人嫌いなのね」
「大嫌いでね」
それでというのだ。
「会ってもお話しないし挨拶もね」
「しないの」
「そっぽ向いてるわ」
「お母さんもそこまで嫌いな人いるのね」
「ええ、というかお母さんの知る限り皆からね」
「嫌われてるのね」
「あんただってそんな人傍にいて欲しくないでしょ」
娘にこう問うた。
「流石に」
「毒親ってやつよね」
「それで性悪女よ」
「それじゃあね」
「傍にいたくないでしょ」
「絶対にね」
娘もそれはと答えた。
「いて欲しくないわ」
「だからお母さんもよ。家族でなくてよかったわ」
「家族だったら災難よね」
「家族であるだけでもね」
「世の中そんな人もいるのね」
「そうよ、それでそんな人を見たらね」
「反面教師にすべきね」
留奈もそれはと頷いた。
「わかったわ、そんな人にならない様に」
「心は奇麗になる様にすべきね」
「そうよ、ちなみにその人相悪いから」
「性格の悪さが出てるのね」
「不平不満ばかりで悪口しか言わなくてね」
そうしてというのだ。
「すぐにヒステリー起こして執念深いのよ」
「それじゃあ悪いことばかり考えてるわね」
「それならわかるでしょ」
「人相も悪くなるわね」
「自称番長の元プロ野球選手見たらわかるでしょ」
この元プロ野球選手をというのだ、高校時代からスターであったがそれが見事に転落して果ててしまった。
「あの人相をね」
「ああ、あの人ね」
「高校時代から今に至るまでの写真見た?」
「見たわ、西武時代までは普通だったのに」
留奈もこう答えた。
「それがね」
「巨人に入ってから変わったでしょ」
「驚く位にね」
「それだけ悪い人生を送ってきてよ」
「ああなったのね」
「だから捕まったのよ」
「覚醒剤でね」
留奈はこれ以上はないまでに嫌悪を込めた顔になって述べた。
「そうなったわね」
「あれが人相の最高の例よ」
「人間生き方がお顔に出るっていうことね」
「もう最悪な人生を歩んできたから」
「あんなヤクザ屋さんみたいな人相になったの」
「そうよ、人間歳を取ったら人相に出るのよ」
母はこう話した。
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