星河の覇皇
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第八十部第五章 秘密兵器その三十六
「君主ではありません」
「左様ですね」
「誰であろうとも」
シャイターン程の人物でもというのだ、野心や軍事力だけでなく傑出した政治力と統率力そしてカリスマ性を持つ彼でもだ。
「七年を一期として」
「二期ですね」
「長くても十四年で終わりです」
「そうなっていますね」
「その任期で、です」
「シャイターン主席は満足されるか」
「それがです」
どうにもと言うのだった。
「私には疑問です」
「ではその野心の先は」
「君主なら」
シャイターンがそれを望むならというのだ。
「その場合はです」
「新国家ですね」
ここでこう言ったのはバールだった。
「そちらですね」
「はい、新国家を建国し」
連合の中でというのだ。
「そしてです」
「その国の君主となり」
「そしてです」
「その国家を運営していく」
「そうではないかと」
「シャイターン主席が連合に入られたなら」
「はい、敗者はサハラを去る」
その絶対の不文律があるならというのだ。
「それに従ってです」
「そのうえで」
「連合に入られたなら」
「新国家を建国されて」
「その国をです」
「動かされていきますか」
「そうした方でしょう」
こう言うのだった。
「あの方は」
「そうですか」
「それならば」
今度はマックリーフが述べた。
「連合としてもですね」
「はい、新国家を建国されてです」
「その運営に専念されるなら」
「問題はありません」
「謀略家でもですね」
「謀略家は何故謀略家か」
八条はマックリーフに述べた。
「それは必要があるからかと」
「謀略を行うべきですね」
「その必然性があるので」
それ故にというのだ。
「謀略家になるもので」
「謀略を仕掛ける必要がないなら」
「謀略を用いません」
謀略家もというのだ。
「流石に謀略を趣味とする様な」
「そうした人物はですね」
「例外ですが」
そうした人物はというのだ。
「ですから」
「だからですね」
「置いておきます」
そうした謀略自体が趣味でありそれを行うこと自体を楽しんでいる様な人物はというのだ。
「例えは悪いですが殺人もです」
「憎しみや仕事で殺す場合はですね」
「憎む相手がいなければ」
「そして仕事もなければ」
この場合は殺し屋となる、人類の社会にはどうしてもこうした仕事を生業としている者が何時でも存在しているのだ。
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