ハッピークローバー
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第二十話 楽しく食べられるその十四
「ヒロポンって言われて売られてたのよね」
「それで作家の織田作之助さんも使ってたのよ」
「結核で余命幾許もなくて」
「それで何とか力牽き出してね」
その余命幾許もない身体からだ、それで注射ダコが出来て注射を打つにも苦労したという話が伝わっているが真実かどうかはわからない。
「書いていたっていうわ」
「結核で死にそうな人にもそうなるって」
「それだけ凄いのよ、ただし栄養を摂取してなくて」
「引き出してるのね」
「無理にね、それで一週間寝なくても平気になるらしいけれど」
それでもというのだ。
「それ栄養摂取でなくて無理に引き出してるだけで」
「それだけ身体に負担かけてるわね」
「しかも一週間寝ないなんて」
「どれだけ身体に悪いか」
「わかったものじゃないわ、けれどね」
それでもとだ、かな恵はさらに話した。
「気持ちよくて力が出るから」
「やる人いるの」
「そうらしいわ」
「犯罪でもあるのね」
「それでもね、刺激が欲しいとか言って」
「一時の刺激で寿命縮めてどうするのよ」
一華は完全に否定して述べた。
「本当に。煙草も駄目だけれど」
「麻薬はもっとよね」
「しないわよ、絶対に。お金あったら」
それならというのだ。
「他のことにね」
「使うわね」
「お洒落とかにね」
一華はそちらにと答えた。
「使うわ」
「それがいいわよね」
「そんなのに使ってどうするのよ」
「お金は大事だし」
「巨人の補強より酷いじゃない」
毎年最下位のこのチームのというのだ。
「ひょっとするかも知れないし」
「ずっと外ればっかりだけれどね」
「炎上ピッチャーかゲッツーか三振ばかりのバッターでね」
それでというのだ。
「失敗ばかりね」
「ええ、けれど」
それでもというのだ。
「まだそっちの方がね」
「ましよね」
「補強は必要だし」
チームにとってだ。
「だからね」
「巨人のそれはいいわね」
「本当に、けれど」
「麻薬に使うとか」
「論外よ、ギャンブルとそれは」
一華はこれまた言い切った。
「本当にね」
「一華ちゃんは使わないわね」
「しないしね」
それにというのだ。
「お金もね」
「使わないわね」
「絶対にね、しかし麻薬と比べたら」
「煙草はましよね」
「ええ」
かな恵にその通りだと答えた。
「言われてみれば」
「そうでしょ」
「麻薬と比べたら」
「本当にね」
「だから嫌いなのはいいけれど」
本人の考えだからだというのだ。
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