イベリス
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第四十九話 自分しかない人間その十五
「嫌うことはね」
「道理が合わないわね」
「そうよ」
こう言うのだった。
「むしろね」
「学校の先生とかで嫌いな人多いわね」
「それで北朝鮮は好きだからね」
「あの国の軍隊の方が酷いでしょ」
咲は即座に返した。
「それこそ」
「どう見てもそうよね」
「自衛隊よりも」
「それでもなのよ」
「そうした人達はなのね」
「自衛隊が嫌いで」
そうしてというのだ。
「あれこれ言うのよ」
「酷いことよね」
「そうよ、自衛隊みたいな私達を守って助けてくれる組織に文句を言って」
「北朝鮮はいいなんてね」
「こうした人いるからね」
日本にはだ。
「皇室は嫌いであの将軍様の世襲はいい」
「将軍様の方が問題でしょ」
「けれどね」
「それがなのね」
「皇室の予算って将軍様の贅沢費より少ないのよ」
愛はここでこのことを話した。
「年間辺りね」
「そうなの」
「宮内庁って六百億円位らしいけれど」
年間予算はだ。
「あっちは将軍様一人の贅沢費がね」
「宮内庁の予算より上なのね」
「凄いでしょ」
「呆れるわ」
「宮内庁の予算は日本の国家予算のゼロコンマ何パーセント位だけれど」
海上自衛隊のイージス艦が千億を優に超える、そのことから考えるとどれだけ少ないものであるかがわかる。
「あそこ国家予算の二割よ」
「将軍様のそれが」
「それで軍事費が二割五分だけれどね」
「合せて半分近くね」
「凄いでしょ」
「北朝鮮は圧倒的ね」
悪い意味でとだ、咲は思った。
「それはまた」
「どっちがとんでもないかわかるでしょ」
「自衛隊の予算って国家予算の何パーセント?」
「絶対に五パーセントいかないわ」
「二割五分、二十五パーセントもいかないのね」
「戦前でもそこまでいったってそうはなかった筈よ」
そうだったことも話した。
「あそこはそれが毎年だから」
「そこに将軍様の贅沢費が二割ね」
「しかも日本は世界第三位の経済規模で」
「あちらは最貧国よね」
「もうどっちがいいか」
「馬鹿でもわかるわね」
咲は言い切った。
「もうね」
「それがわからない人もいるのよ」
「馬鹿過ぎない?」
「私もそう思うわ、だからね」
それでとだ、愛は咲に話した。
「そうした人の言うことはね」
「聞くだけ無駄ね」
「そんなこともわからないなら」
それこそというのだ。
「馬鹿だからね」
「聞くだけ無駄ってことね」
「そうよ、そんな馬鹿の言うことを聞く位なら」
愛はさらに話した。
「叔父さん叔母さんがお話した自分しかない人の言うことも同じよ」
「聞くだけ無駄で」
「そんな人の言うこと聞く位ならね」
「どうするの?」
「遊んだ方がいいわ、今日も原宿の街を巡って」
咲に今度は笑顔で話した。
「美味しいもの食べてね」
「たい焼きに」
「そしてカラオケも行きましょう」
「今日もカラオケね」
「安くてたっぷり楽しめるから」
だからだというのだ。
「いいでしょ」
「そうね、それじゃあ」
「今から楽しみましょう」
こう言って咲を引っ張る様にして案内した、信じてはいけない話を聞いてはいけない輩の話の後は二人で遊ぶのだった。
第四十九話 完
2022・2・1
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